表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された悪役令嬢ですが、実は大地の声が聞こえるので、不毛の地でスローライフを始めたら伝説の料理人や元騎士に溺愛されてます  作者: 緋村ルナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/19

エピローグ:太陽の恵みの下で

 あれから、数年の月日が流れた。

 かつて「枯れ谷」と呼ばれた場所は、今や王国で最も豊かで、美しい村「恵みの谷」としてその名を知られている。

 私たちのレストラン『ノラの菜園』は、マルコの辣腕によって王都にも支店を出し、連日大盛況だ。総料理長はソフィア先生に任せ、私は今も、この谷でオーナーシェフとして、畑仕事と料理に明け暮れている。


 夕暮れの畑に、子供たちの元気な笑い声が響く。

「「お母さーん! 見てー! こんなに大きなジャガイモが採れたよー!」」


 黒い髪と、私の緑の瞳を受け継いだ双子の兄妹が、泥だらけの顔で、自分たちの顔ほどもあるジャガイモを誇らしげに掲げている。その隣では、夫となったカイが、優しい眼差しで子供たちを見守っていた。


「こら、二人とも。母さんをあまり困らせるな」

「いいのよ、あなた。元気なのが一番だわ」


 私はエプロンで手を拭きながら、愛する家族のもとへ歩み寄る。子供たちを抱きしめると、太陽と土の匂いがした。

 私の手に入れたかったものは、王妃の座でも、莫大な富でも、誰かを見返すことでもなかった。

 こうして、愛する人たちと食卓を囲み、自分たちの手で育てたものを分かち合い、笑い合う。そんな、ささやかで、温かい毎日。


 私は、豊かな緑が広がる谷を見渡した。遠くでは、村人たちが今日の収穫を祝い、宴の準備をしている。レストランからは、美味しそうな匂いが風に乗って運ばれてくる。

 すべてが、愛おしい。


「ここが、私の手に入れた、私だけの王国だわ」


 私は心からの幸福を噛みしめ、空に向かって微笑んだ。

 追放された悪役令嬢の物語は、ここで終わる。

 けれど、エレオノーラという一人の女性の、幸せな物語は、この太陽の恵みの下で、これからも永遠に続いていくのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ