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A#能力者で黒髪ロングの猫耳奴隷少女と空想的現実世界  作者: ウミイロ


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黒髪ロングに赤のメッシュ、種族獣人、名前はレイ。職業奴隷兵士。

初投稿です。お手柔らかにお願いします。



唐突だが、ヘリコプターという物に乗った事がある人は少ないのでは無いだろうか。

乗り心地に関してコメントするならヘッドホンや耳栓を着けてヘリコプターに乗ると、揺れが案外心地よくかなり寝れるとだけ言っておく、私の場合は、だけれど。



「……2……きろ」



誰かが呼んでいるのが聞こえる…気がする、具体的な音としては聞き取れない、身体も動かす気力も湧かないし目を開ける事すら憂鬱に感じる。けれど、この夢と現実の間にいるみたいな状態は結構好き、ここから寝ると二度寝という最高の状態になる、この世で二度寝が嫌いな種族なんているのだろうか、いやいない、寝る。

そう瞼の中で決心し、二度寝をキメてやると思った瞬間。


「22番!起きろ!」


身体がビクッと反射的に動く、大声で起こされたのも要因の一つだとは思うが、尻尾をギュっと掴まれて背筋がピンと伸び、足先から頭まで電気が通った様な感覚に襲われる。

寝起きの服の中に後ろから氷を入れられた様な気分だ。

兵士型のロボットとは思えない起こし方ではあるが、ムカつく事にバッチリ頭が冴えてきたのは事実である。


「……」


寝起きの細い目でムッと、ポンコツロボにクレームを出すかの様に睨みつける。


「26番に文句を言うんだな」


私の表情から何かを察したのか、独特な機械声がヘリコプターの中に響く、このヘリは今も上空を飛んでいる筈だが防音室の中の様に静かだ、当然会話も容易に出来るし黙って耳をすませば外の音よりも対面にいる彼女の呼吸の方が先に聞こえる。

ロボの言い分を聞き、目線を対面の彼女に向けると、


「ごめんなさい、あんまりにも気持ち良く寝てたからつい…」


眉を八の字にしながらもクスクスと笑った顔で対面にいる彼女が言った。

普段は真面目な優等生がイタズラした時に謝る顔だ。

黒のジャケットに黒の長ズボン、靴もかなりごつい。首元には支給品だろうか、分厚いニットのネックウォーマーを着けている。

両腕は背中で拘束されていて…まぁ私たちは兵士奴隷であり、この服装も戦闘用。機能性重視なので色合いなんかは面白みは無い。


そんな服装の彼女にも、私と同じ様に獣人の特徴でもある猫耳と尻尾がある。髪は鎖骨位までの長さで毛先まで綺麗な琥珀色。ほんのりウェーブがかかっていて、パッチリとした赤色の両目も相まって小顔で幼く見える…が獣人の女性は見た目だけだと他の種族に比べ幼く見えるのが普通。

年齢を聞く⋯なんてしない方が身のためだが、見た目少女でも60歳とか普通にありえる話だ。一応私は数え間違えていなければ19歳のはず。

ちなみに赤色の両目も耳や尻尾と同じ様に一つの特徴で、非常に暗い所でも結構ハッキリ見える、夜目が利くと言うやつだ。明るい場所だと気づけないが暗い場所だとほんのりと目が赤く光っている様に見えるのも特徴的、蛍光色というのが正しいか。


「…尻尾はやめてよ」


我ながら不貞腐れた様な態度だとは思うが実際ちょっと機嫌は良くない。

耳はともかく尻尾は感覚過敏で触られても病気とか怪我をする訳では無いけれど…こう、凄いゾワゾワっとする。

気持ち悪い訳では無い…こう、ゾワゾワして……駄目だ、うまく説明出来ないが、分かって欲しい。


そんな事を考えていると、兵士型ロボットが私の肩に優しく手を置くように触れ、

「目的地まで後数分だ、駄弁るも寝るも勝手ではあるが、任務に支障は無いように」

少し大きめの機械声が響く、兵士型のロボットと言ってもラジコン式で発声も操作も遠隔で基本は人がやっている。完全自立式のロボもあるにはあるが、奴隷を扱う時は柔軟な対応が求められる事が多く基本は倉庫番等を任される事が多い。


「了解」


対面の…26番も頷き、理解したというアピールをロボに送る。

ちなみに両腕が背中でビニールテープの様な物でぐるぐる巻きに拘束されていて手を使った合図は難しい、発声か頷くのが基本的な合図になる…足は拘束されていないので足を上げて合図も出来るが怒られる事間違いなし。


他に奴隷関係で言うと私も26番も首輪を装着している。

これは能力器官を無効化する為の物で、着けてると能力が使えない。設定次第で魔力も止められるし、身体の動きすら止められる、奴隷を扱うにはもってこいのアイテムという訳だ。

首輪と言っても兵士奴隷の物はそんなに大層な物では無く、見た目だけなら幾何学模様のある少し大きめのチョーカーというのが正しい。

魔力器官を止められると体に虚脱感があるが、能力器官だけだと問題なく日常生活は行える。


そもそも兵士奴隷という名前の通り兵士として運用する奴隷。あんまりにも拘束力を上げすぎると兵士として機能しないという問題が発生するので、そんなに拘束力は高くない。下手したら逃げられる事もあるのが兵士奴隷とも言える。


ただ、逃げた奴隷の行き着く先は決して良いとは言えない。


昨今では獣人や人間、他を挙げればキリが無いが、()()()()はさっさと処分してしまう国や都市も多い。

実際、四大国家と言われる程大きい四つの国のうち三つは欠陥種族どころか欠陥種族の血を一定量含んでいるだけでも入国不可になる。それくらい欠陥種族の地位は低い。

それも当然で言葉の通り欠陥を抱えた種族であり、具体的に説明すると魔力、能力、身体の一つ以上に大きな問題を抱えている種族を欠陥種族と言う。色々基準はありつつも、色々踏まえた上で、私達獣人は欠陥種族となる。三つのうちの能力面に大きな問題があるからだ。


シンプルに言うなら使えない能力しか生まれない。

細かく説明すると、獣人の血から生まれた命はほとんどの場合、自己強化の能力を得て生まれてくるが、自己強化なんて能力ははっきり言ってゴミ。理由は色々あるが生産性が無い事が大きな理由だろう。結局獣人が自己強化して物理的な力があっても、魔法や機械の方が殆どの場合で大きな力を生み出せる。精密な動作は当然機械の方が上手だし、長期稼働も機械の方が上。使えるのは精々戦闘面の話だが、雑兵の獣人如きで大きな戦いに勝てる程この世界は甘くない。


「降下位置が決まった。降下二分前だ、任務の確認を行う。22番」


……自虐もこの辺にして、現実に戻ろう。


「目標は技術、能力、エネルギーの回収。優先順位は頭からC、A、B。10分辺りの回収効率が基準値満たしていないか、回収値が目標を達成した場合のみ直ちに帰還します。」


今日の仕事は最近滅びた都市の資源回収及び技術、能力回収。本当に最近…というか、つい先日内乱で滅んだ都市だったのだが、そこそこ大きい都市だった。というのもあり都市を守る壁が無くなってからは近辺の都市が略奪の為に戦場になっている。

こういう場合、上位種族、技術、エネルギー資源。そして土地が主な回収対象について、土地の制圧はまず不可、上位種族は居れば最優先で捕獲するがほぼ居ない。技術は恐らく大したものは無い。となると最も現実的な物はエネルギーの回収か。電気を貯めるバッテリーか魔力を貯める水槽、どの国や都市に行っても必ずある。核とも言える巨大な物は流石にもう荒らされているだろうが、小さなものであれば拾えるはずだ。


「問題無いな、首輪に魔力を一定以上送り込めば能力器官の使用が可能だ、今回の作戦では一回10秒に設定してある。緊急時の離脱に使え」


「いつも通り行けって事ですよね、了解」


説明通りで、首輪に魔力を一定量流すと、首輪による能力器官の拘束が一時的に解かれるという仕組み。今回は作戦中一回限りで10秒間解除できるという事。まぁ普段の作戦ではこの10秒一回が一番多い。

滅多に無いがかなり危険な場所に派遣される時は10秒どころか能力無制限の時もある。

私は一回しか経験した事が無いけど、かなーり苦労した。


「26番、運搬係だが問題ないか?22番に変わるなら今のうちだが」


「体調気分共に問題ありません、寧ろ運搬の方が気が楽です。」


運搬係は背中に身体と同じくらいの大きさの直方体型のエネルギー貯蔵庫を持つ。貯蔵庫と言うだけあり、貯める事に特化している。普段使いのバッテリーや魔力用の水槽と違い、直ぐにエネルギーが取り出せないのがデメリット、ついでに物理的にかなり重い。カバンの様に背負いながら作業出来るのは獣人ならではと言える。


「そうか、拘束を解除する。出撃に備えろ。」


ポンコツロボが相変わらずの機械声で言いながら、私達の腕に巻かれた拘束具を解除する。ピッという音がすると、私達の腕はすぐに解放されて、拘束具はロールテープ状になった。


「22番、護衛係だ。お前は可愛げが無いし生意気だが、腕は確かだ。26番をしっかりサポートしろ。」


「…一言余計です」


護衛係は貯蔵庫を持たない代わりに武装をして、運搬係の補佐を行う。もし害意ある敵が現れたら倒すのも当然私の仕事。


「……ふぅ」


深呼吸して身体をリラックスさせながら、言われた通りに出撃の準備を整える。

腰に専用のベルトを巻いて、先程使っていたロールテープ状の拘束具も腰にかける。ベルトにはホルスターが複数着いているが、私は二つしか使わない。

腰の左側と右側に一つずつ、片方はハンドガン型、片方は剣の柄の部分だけの形をした物だ。

両方とも魔力を変換して使用可能で、魔力で形をイメージして使う。ハンドガンなら銃弾をイメージすればいい。もう片方が剣の柄の部分だけなのは、イメージした形を無理なく再現する為だ。

状況次第では大剣にもなるし、ナイフにも盾にもなる。魔力操作が上手ければ上手いほど使い勝手のいい武器で、刃こぼれや銃弾を気にしなくていいのもポイントが高い。


まぁ、結局戦闘向けのヤバい能力持ちに見つかったら対して役に立たないのだけれど。


ガコン、という音と共に大きな風の音が響いてヘリの出撃口が開く。後ろをチラッ、と確認すると同僚がしっかりと貯蔵庫を背負っているのが確認できた。


「高度は問題ないか?」


「問題なし、いつでもいけます。」


改めて目の前の景色を見つめる。

至る所に張り巡らされた立体道路がその支柱を失って所々崩れている。高いビルのような建物は残ってはいるが、今にも倒れそうだ。各地で煙が上がって火も上がっている。

戦場と言うには相応しい景色。上空から見て壮観だ。

⋯が、少なくとも地面は見える、これぐらいの技術レベルだと地下街があったとしても着地で地面が抜ける⋯という心配は無いと思う。つまり一切の問題無し。


「高さは20メートルくらいか、衝撃に備えろ。特に26番。貯蔵庫の重量もあるからな。」


「はい!」


ヘリに備え付けられている私にはよく分からない機械類を見ながら、ロボ上司が相方にしっかりとした忠告。


「私にはなんかないの?」


「サボるな、以上だ。」


なんだかんだ付き合い長いのでこんな感じになるのもよくある事だ。


「ひどー⋯出撃します。」


「この辺りは電波がかなり届きづらい、帰投する時に連絡が取れなくても自己判断をしっかりしろ」


今から飛び降りるって時に忠告。⋯もぉ⋯


「りょーかい!」


そのままぴょんっ、とヘリから飛び降りて、重力に従って空中から落ちていく。

チラッ、と後ろについてきている相方を確認しつつ、空中で姿勢を取りながら着地の準備。周囲の様子も今のうちに見ておく。地上に着いてからじゃ見えない物も多いだろうし。


あれだけあった高度も失って、あっという間に地面。

ドンッ!という大きな衝撃。着地音。私達にとっては慣れ親しいが、大砲の音と似てる気がする。

そう思っている間にもう一つ、さっきよりも大きい音で後方に衝撃。相方の着地。貯蔵庫の分重さがあるからだろう。

大きく砂埃が上がりつつ、着地で割れた道路を観察しながら


「だいじょーぶ?」


少し大きめの声で後ろに目をやって、すぐに砂埃の中から影が歩いてきて


「はい、大丈夫です」


相方が無事応える。これくらいの衝撃なら私達獣人が怪我をする要素は無い。他の種族に比べても物理的な衝撃にとても強い身体があって割とどのような環境でも問題なく活動出来る。毒ガスとか撒き散らされてたら無理だけど。

そういった要素から奴隷兵士としての雇用が多いのが、今の獣人で、これがリアル。


「さて、お仕事開始かな」


私は奴隷兵士のレイ。種族獣人の猫人。能力は××。


ここまで読んで頂いた方に、たくさんの感謝を。

異能力系の異世界モノです。

細く長く続けていきたいと思います。よろしくお願いします。

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