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第48話 釣り上げ予約(フィッシュ・オーダー)

フィッシュ・オーダー

分類 汎用魔術

コスト 釣りの道具一式と釣りたい魚のイメージ

属性 水


釣りたい魚を絶対に釣り上げられる魔法

だからと言って制限時眼内に釣り上げられる

訳ではない。


マグロ釣り漁船ではよく使われており

趣味で行う釣りの界隈ではある意味タブー視されている。

夏休みに入ってまだ2日にも満たない時、

一貴の元へメールが届いて来た。他の誰でもない黒男からのものである。


やれやれとメールを開くと前回同様に依頼内容が入っていたが、その中身は極めて危険な物と判断できた。巨大生命体のハッキングが主な命題で自分達の仕事に攻略が入っている。こればかりは拒否しようと考えた。


深入りはしない。

散々な目にあってまだわからないとは言わせない

だが確かめる以上野上に連絡は取りたいと思っていたが、あいにく夏季休業中だ。


自分の過去の経験で物を言わせるしかない。

ならばシカトで十分だろう。


この日は里流や優大と登山に行く約束だった。

と言っても山の中枢まで行った先にある川で釣りが目的なのであるが。


集合場所にはもう2人は着いていた。

一貴は数分遅刻しながらものんびりと

歩み出し始めた。


「釣り竿なんてどこで買ったの?」

「百均一択っしょ、ルアーとセットで

かなり安く済ませられるのよ」

「やっぱそうよねー、まあでも良い道具よりかは

劣ってしまうけどね」

「課金よ課金!金かければ粗方良いっての!」


険しくも整った山道を歩きながら登る途中、

突如老紳士のような何者かが道を塞いで来た。

軽く挨拶を済ませて素通りしようとしたが、

いきなり杖状の仕込み刀を抜き斬りかかってきた。


「…危なっ!」

咄嗟に冷気で刀を作ると応戦する。

何者かはわからないが、今の一撃でぶつけた間合いに関しては完璧だった。


「なんだよあのお…っ…さん!?」

「おっさんじゃねえ!剣のバケモンかよ!?」

「(前言ってたソードマンってこいつかな?)」


とてもスレンダーな体質で紳士の服を着た

大柄の怪人、なんと頭は剣の持ち手でできており

胴体に刺さるようにできている。


紳士が攻撃を繰りなして、一貴がそれを受け流すが大きくのけぞってしまう。

「あっぶね!バインド・リーフ!」

「うおー!助かったー!」

のけぞった勢いで深い溝に落ちるところだった。


しかし今度は助けた優大に容赦なく襲い掛かる。

里流はシャイン・キャリバーで後ろを攻めたが

180度勢いをつけて回転しカウンター浴びせる。

「おっ…もい!」

「油断したら谷底にドボンか、キツイな!」

優大がカース・エッジで落ち葉をクナイに変えて、一貴がアイス・ヴァジュラを構える。


「一斉攻撃だ!行くぞ!」

「「おうよ!」」

優大がクナイを投げると容易く弾く、

一貴がホーミング弾で援護するが吸収魔法陣を

盾にして無力化すると所をすかさず突進する。

魔力でできた武器だが直接の攻撃は吸収できない

ようでバリン!と音を立てて破れた。


これは好機、里流が一気にとどめを指さんと

大きな一撃与えるために思いっきり力をこめる。


渾身の一撃を受けた剣の紳士はそれすらも

防ぎ切ったように見えたが、突如としてバラバラに崩れ落ちた。


「やったっぽいな…」

「山にこんな奴がいるとか聞いてねえぞ」

とはなんとか乗り切って先を急ぐ。


その後、その場にあった剣や服は

跡形もなく無くなっていた。


中枢付近に到着すると緩やかに川が流れていた。

天気は良好、早速釣り竿に仕掛けを吊るす。


「そーだ、俺ニジマスの塩焼きやりてーから

一回だけ魔法使うね」

「仕方ねーなー…早く済ませてくれよ」

「へへっ、釣り上(フィッシュ・)げ予約(オーダー)

ニジマス、こおおい!」

一貴がルアーを吊るして水面に投げて5分。

軽く挙動を掛けるとバシャバシャと飛沫が上がる。


勢いよく吊り上げるとニジマスが釣れた。


「うおっしゃー!昼飯ゲット!

俺はひと足先にいただきまーす♪」

「山登るんだから朝飯くらい食って来いってのw」

乾いた木材に火の魔法で着火する。

後はそこいらの枝を洗って乾かし少し削ると、

それにニジマスを刺して後は焼くだけだ。


「あむっ…あ、骨には気をつけて…

うん!上手いわ!」

「魔法使うと難易度激落だからなあ。

やっぱりこういうのはシンプルに限るわ」


のんびりと釣りを楽しんでいると上空で

バサッバサッと音がする。大きな黒鳥が飛んで来たと思うといきなり降りてきた。

黒鳥はやがて見覚えのある顔に変身する。


「何しにきたんだよ、

てかなんで居場所がわかるんだ」

「…指令を無視したかと思えば

こんなところで釣りとはな」

「カズ、聞いてるぞ。今度の依頼は危険だってな」

「危険だからこそ呼んだのだ

どうする、無視を決めるのなら今度こそ

実害的な被害が出回るぞ」

「それを止めるのがアンタの仕事だろ?

しかもその言い方だと、まるで最初から

俺らをアテにしたような言い方だよな

不正の匂いがすげえぞ」


黒男が溜息を一つ付くとジュラルミンケースを

出して中を開く。およそ300万円ほどの札束が

入っていた。


「今回のスポンサーはゲームの運営の他に

お前達に馴染み深い連中が関わっている」

「馴染み深い…?教育委員会とか?」

「その更に上…日本政府だ

この額を用意できたのは理由はそういうことだ」


「それほどヤバい任務をなんで任せるんだ?

日本の自衛隊の凄さはお墨付きだろ?」

「だからと言って1人でも死ねば

この時代はすぐに騒ぎになる。

だから俺たちが選りすぐる人間のみに依頼を

寄せている」

「他の人間は?」

「全員断った、後はお前達だけしかいない」


3人とも溜息を付くと

明日以降なら出向くと返答しその場を済ませた。


「…けっ!なんたってあんなズルい言い方…

そもそも高校生に目を向けるなっての」

「まるで最初から逃す気は無いような

言い方もなんか腹立つよな。賞金はすげーけど

裏はあるわな」

「2人とも、悪いけど俺はあくまで

部活の方を優先するからな…疑われてもまずいし」

「良いの良いの。何かあれば先生にチクるわ

というかこちらこそごめんな、変な話に付き合わせちゃってさ」

「言っちゃあなんだけど、

野上先生なら対応出来そうだよな」


ここで閃いた。

口外はするなと言われているが

新しい協力者を招く事はアリなのではないのかと。


「なあサト、ダイ。穴埋めとしてさ

会長誘うのはどうよ」

「ぶほっ…正気かお前!?

学校の顔に危険なミッションをさせようっての!?」


とはいえ会長は現在学年トップの魔術師。

味方になれば非常に心強い。

何より一貴達は自覚していることもあるが

手練相手にこれ以上の格上に勝てる気が

もうする気さえ起きないのだ。


「ミッションは巨大生命体の討伐。

なら部活で来れないダイのことも踏まえると

4人ピッタシで臨みたい」

「まあ…それは理にかなってるけどなあ…

生徒会長だぜ?万が一死んでもしたら」

「大丈夫、願いを叶える玉使えば良いから」

「んなもんあるかい!」


とはいえ夜咲が運営する魔道具店には

心肺が停止した人間なら必ず息を吹き返せる

魔道具が売ってある。


「ほら、スパルタン・ライフから

 出てくる素材で作れる薬が…」

「言っておくけど20万円するんだぞ」

「高校生が変える品じゃないね

 まあ、賞金があれば話は別だけど」


しかし人手が欲しい以上はどうしようもない。

諦めて交渉に向かうことにした。

閲覧いただきありがとうございます!

いやー、気がついたら3日放置してました。

こりゃ失礼!


ニジマス、ワシも釣りてえな…

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