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いっせいノーデ!  作者: 乙島仟
第9章
173/173

第164話 これからの話③

前回のあとがきの答え、この試合は25試合目になります。そして25試合目にして、初の3人でバトル!

今回はノーデ→カナデ→三香→弼の順で視点が変わります。それではどうぞ。

「この序盤で、数あてですか⁉」

「しかし、三香殿にとっては弼殿もカナデ殿も半分以上指が動かない、ある意味仕掛けてもいいタイミングでもある。」

「でも、まさか……。」

 一誠たち観戦組の驚き以上に、本人が一番びっくりした様子でこう口にします。


「……あたりやな。」


 Turn 5

 Tasuku 1pt          Mika 0pt 

               【〝9〟】

 R()()()○○          R●●●●●

 L○()()()○          L●●●●●


 Kanade 0pt 

 R●●●●●           

 L()()()()()           


 多人数での試合は、順番がカギを握る。もし数あて成功者が出た時、それを防げるのは基本的に次の番の人だけ。つまり三香の数あてを防げるのは私だけってことになる。

「カナデちゃん、防ぐ?」

 けれどここは――。


「【〝最高の手術〟】」


 ポイント獲得を優先する。

「って、ことは抜かせてもらうで。」

 三香は右手を抜いた。むしろ、それでいい。その方が、動く指の総数が減る。


「【〝手術〟】」


 弼君は薬指を治すか。


「【せーので〝雨〟】」


 予想通り。三香は攻撃してくると思った。だってもう一度数あてしようにも私の指は10本全部動くから。

 でも、何とかかわせた。そして私の番。

「三香、いくよ。」

 何度か対戦した弼君には通じないかもしれないけど。


「【いっせいなで〝晴れ〟】」


 初見の三香は確実に引っかかるはず。


 Turn 9

 Tasuku 2pt          Mika 0pt 

 R()()()●●          R

 L()()()()()          L()()()()()


 Kanade 5pt 

【〝sunny〟Lv.1(S1)】

 R●●●●●           

 L●●●●●           


「全滅・・・…。」

 いったい、何をされたん? うち。

「フェイクだ、三好お得意の。」

 弼君……。

「そう、私は『いっせいなで』の掛け声中全部の指を上げた。三香はその動きにつられて、自分の指を上げた。」

「だが〝晴れ〟直前で三好は指を下した。対して尾関山はその動きに反応できないまま、〝晴れ〟にかかったんだ。ついでにいえば、宣言前に尾関山にお前の手に注目がいくよう、声をかけたのも作戦だろ。せこい手使いやがって。」

「でもそういうのもありなのが〝イセノ〟だから。」

 対戦相手の二人の解説でようやっと納得はできた。

「せこいというより、うちは純粋にすごいと思うわ。」

 カナデちゃんははっきり言って飛び入り参加。うちや弼君みたいに事前に勝負があると思って準備してきたわけやないのに。

 これでうちの指は全部上げ固めの状態。でもそれは。

「姉ちゃんはまだ初心者なんですから複雑な指の動きをするよりも、全上げか全下げするようにしましょう。多人数戦は、自分が全滅しても他の人の指がまだ動くでしょうから。その代わり相手の出方、指の出し方をうかがうんです。」

 四怨のアドバイスを忠実に守ったからともいえる。


「【るせーどーで〝18〟】」


 10ターン目、4巡目の初っ端は弼君の数あて。うちの指が動かんから仕掛けたんやと思う。でも、上がっている指の本数は14で外れ。

 そしてうちの番。


「でもそれで、うちが全滅したらどうするん?」

「その時は第2ステップに移行です。」


 四怨、今からがその時やな。


「【〝イリュージョン〟】」


 全部動く状態へ扱いを変更。これで全滅しても、〝トリック〟でポイントを交換できる体制は整った。四怨いわく、

「多人数戦というのはポイントがためにくいんです。ためてもすぐ取られますし、肝心の守る手段も、順番によっては守れないってことは日常茶飯事ですから。」

 らしい。いやそこはさすが、幼稚園で多人数戦もこなしてる四怨様様や。それにこれをしておけば、狙ってる技も使えるようになる。

 さて、カナデちゃんはどう出る?


「【〝火葬〟】」


 Turn 12

 Tasuku 2pt          Mika 0pt 

 R()()()●○          R

 L()()()()()          L()()()()()

               All free


 Kanade 5→10pt 

【〝cremation〟Lv.4】

 R×××××           

 L○○○○○           


 おいおい、ここで〝火葬〟だと。

「それは副会長の技……。」

「別に技が誰のものってわけでもないでしょ。技板があれば使えるんだから。」

 いつの間に入手したんだ? いやそれはさておき、このタイミング。

「うちはいつでもポイント奪えるのに。」

 尾関山の言う通り、彼女は〝イリュージョン〟で自分の指の扱いをすべて動く状態に変えて、〝トリック〟の条件を満たしている。〝トリック〟は相手を指定する技だが、まず間違いなく尾関山は保持ポイントの多い三好との交換を選ぶだろう。

「でも、三香の次は私。つまり、確実に防御技を使えるでしょ。」

 そういうことか。三好の狙いは――。

 〝ハーフゴッド〟か!

 〝火葬〟は1試合に1度しか使えない、かつ指を死滅させる技。死滅状態になった指はそう簡単には治せない。だがそこまでして得た10ptを使わないはずがない。そしてそれを使うとすればこの状況なら間違いなく〝ハーフゴッドウォール〟だ。

 〝ハーフゴッドウォール〟をすれば、ポイントを奪う技、指を固める技、何が来ても防御ができ、かつどんな指の状態でも反回復できる万能治癒効果がある。当然、死滅状態の指も回復できる。しかも、防御されるとされないを繰り返す永続効果、これをされると厄介だ。

 ……いやでも待てよ。あえてさせるのもありか?


「【るせーどーで〝ビーム〟】」


 俺の宣言で走る光。その行先は、三好の左親指。

「くっ……。」

 された本人は嫌そうな表情だな。

 〝ハーフゴッド〟は発動時に反回復する効果がある。つまり回復するのは10本の半分で5本。おそらく三好もそれを見越したうえで、5本〝火葬〟を適用したはず。

 つまり俺のこの攻撃を受けた指の回復は、必然的に後回しだ。そして1本でも抑えとけば、俺のポイントがすぐにとられるということはない。

 さて、あとは尾関山。

「今こそこの技を使うときやな、四怨。」

 なにか、仕掛けてきそうだな。


「【〝飛び火〟】」


三香の切り札は、いったい⁉

次回は作者のスケジュール都合により、5/23までに更新予定です。(今回はガチの1週休載です。GWに掲載強行したのも、このためだったりします。)よろしくお願いします。

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