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だめだ…。

歩き始めて数時間、ついにドラの街に来たようだった。


真ん中の教会を中心として石造りの家が並んでいた。


歩いていくと色々な店が並んでいる。


「ドマド…。ぎゃうり…」

トマトときゅうりか?これ。異世界といっても野菜は似ているところがあるんだな。


「ここのドマドは甘いんだよ」

隣に居たラミさんはそう言う。


「糖度が高いやつか…。ちょっと興味あるかも…」

ぼさっと言う。


「これ2つください!!」

勢いよく言ったラミさんだった。


「100リゼね」

リゼとはこの世界の単位だろう。1個50リゼか。ポイントで交換することできるだろうか…。


そう思い、ウインドウを開き、見る。


おおできるようだ。10ポイント、100リゼで交換できる。1万リゼ持っておくか。


100リゼだけを持ち、それ以外を収納スキルでしまう。



私は100リゼを出す。


「いいよ。私の奢りだよ」

そう言いお金を持っている手を戻させる。


「で…でも…」


「いいから」


私はこういう押しに弱い。すぐに了承してしまう。


「はい」


「まいど!!」

店員の声は大きかった。



「食べてみて」


「では…」

もぐっと食べる。


味はたしかに甘くフルーツのような味がした。また薄皮で食感が良く、食べやすいトマトだった。


「食べたことないです。この味。とても美味しいです」


「満足してもらってよかったよ!」

満面の笑みでこちらを見る。


「…」

その笑みを見て、なんだろうこのなんとも言えない気持ちは。


「ん?どうしたの?」


「え?あ…なんでもないです!!」


「?まあいいや宿紹介するよ」

ちょっと困惑しながらもそう言った。


「あ…。どうも」

歩き始める。



歩いている間も指を触っている。


やっぱ人が多いと落ち着かない。特に人の目が嫌だ。怪しく思う目とかが私の体に突き刺さる。ほとんどの人は私を犯罪者だと思っている感じがする。だから怪しく思っているのかもしれないがそういう目で見られるのが嫌だ。日本でもそうだった。見た目で判断してくる奴。私はそういう奴の一部に殴られた時がある。だから人が苦手なんだ。自分が正しいと思って自分がいいと思った行動をすぐする。その殴ってきた奴も自分が正しいと思っているのだろう。私がなにもしてないとわかっても謝ってこなかった。


それからだろう。人との繋がりを最低限にしたのは。


でもラミさんはなぜか私を見ても怪しいとは思わず、むしろ優しく接してくれた。この世界に来て思った。人を見た目で判断しない人も居るのだと。



「着いたよ。ここだよ」


とても大きいその宿は下の階層でレストランをやっていて、上の階層で宿をやっている。


「じゃあここまでありがとうございました」

同じ宿で泊まるけどとりあえずお礼しておこう。


「こちらこそ楽しかったよ。じゃ!」


「はい」

そう言って別れた。


私の部屋は25号室だ。ここから突き当りを右に行って左から2番目の部屋だ。


ガラっとドアを開けるとそこは和室だった。

「和室?」


「まあよかったじゃねぇか。慣れている和室で」

もう1人の私は呑気に言う。


「異世界にも和室あっても不思議じゃないか…。じゃあこの世界の事をまとめてみるか」

寝ころび、そう言う。



「まず、この世界はゲームのような世界だと言っていたな。でお前はそのゲームの転移者(プレイヤー)だとも言っていたな」


「そうだね。じゃあゲームだとしたらどうやったら終わるのだろうか?」


「知らね。でもゲームだったらラスボス倒せば終わる。だったらラスボス倒せば終わるんじゃね?」


「ラスボスか…。誰なんだろう…」

ぼそぼそ言う。


「知らねぇよ。最初から知っていたら攻略の醍醐味がなくなるだろうが。どんどん中ボスとか倒していって最後ら辺に近づいたらわかるってもんじゃないか」


「たしかにな…。それにオープンワールドゲームって言っていたからね。色々なところ行ってラスボスに近づくって感じか…」


「オープンワールドか…。たしかに言っていたな。じゃあよ。ここがチュートリアル終わって最初の街っていうことになるな」


「うん」

素っ気ない返事だった。


「ランキングもあるよな。オンラインもできるんだな。ランキング報酬ってのが気になるな」

1人で話を広げる。



「そういえばよ。チュートリアルがドラゴンって面白いよな。なんかのバグか?ええ?」

と1人で笑っていた。


「たしかに。チュートリアルだったらもっと簡単な奴でもいいよな。本当にバグとか…?」


「本当にバグだったら管理者にクレーム入れようぜ」


「居るのかよ。そんな奴」


「ゲームだったら管理する奴居なきゃおかしいだろ。それにランキングも管理者居なかったらチーターとか居た場合、対処できないだろう」


たしかにそれは一理あるな。だとしたら行動を監視されていてもおかしくないな。


そうすると1つの疑問が思いつく。



「なあ。BANってあるのかな?」

BANつまりアクセス禁止。それは果たしてあるのだろうか?


「たしかに!!それは考えれるな」


仮にあったとしてBANされたらどこに行くのだろうか?やっぱり日本に戻れるとか…?


考えても答えが出ない。


「BANは不安があるな…。怪しくない行動しようか」


「俺も楽しみたいし、怪しくすんなよ」

釘を刺される。だが元々、怪しいことをするつもりはない。



寝転んでいたら眠くなってきた。少し仮眠を取るか…。


目を瞑ろうとした瞬間、眩い紫色の光がこの部屋中に光る。


「は?」

眩しい。なんだこれ。


すると床に魔法陣ができる。そしてそこから誰かが出てくる。


しかし眩しすぎて直視できない。

「ッ!!」


見えないが逃げる準備をする。



しばらくして光が収まる。


1人の大柄の男だった。


「おいおい。やってくれたなぁ。おいおい…。せっかくドラゴン用意したってのによぉ」

だるそうな声で言う。


「なんですか!!あなたは!」

ビビっている声で震えていた。


「ビビっているな…。こんな奴がドラゴンをやったとは思えないな…。お前がドラゴンやったんじゃないのか?」


戦いたくない…。戦いたくない…。逃げたい…。逃げたい…。逃げたい…。逃げたい…。


そんな感情が川上を襲う。鼓動が速く、心拍数が上がっていた。ドクドクと心臓が速く鳴る。


だめだ…。だめだ…。だめだ…。


抑えきれない感情…。本能が暴走する。



「おいおい。お前、震えているな。それに汗がすごいな」


「お前は何者だ?」

急に冷静な声になる。


なんだ。こいつ。なにか不気味だ。さっきは逃げようとしているモーションだった。だが今は向かおうとしている。強大な雰囲気を感じる。だがしかしこれで確信した。本当にこいつがドラゴンをやったんだ。


「・・・」

考えているのか、何も喋らない。


「おい。俺は聞いているんだよ。お前は何者だって」


その声は獲物を捉えて吠えるライオンのような声だった。


「!?」

少しビビった様子だった。


「早く言えよ。お前は!何者だ!」


「…。我々はバグを使い世界を操る存在、バグブルースだ」

少し間が空いてから声を出した。


「なるほど。あのドラゴンがバグで出ていたって訳か。けどなんか名前ださくね?」

もう1人の俺が言う。


「で、何が目的だ?」


「我々が求めるのは支配。それのみだ」


「くだらね」

冷徹な一声だった。


「お前、興味があるんだったら来い」

話を聞いていないようだ。くだらないと言っただろうが。


「そんなの興味ない。くだらなすぎる」


「おいおい。興味ありそうだから話してやったのによぉ。それはないぜ」


「お前、会話が出来たんだな。呆れるくらい話聞かないから、鳥さんかと思った」


「お前、ぶっ倒す!!」


「やっとか。外で相手してやる」

そうして謎の男との戦いが始まるのだった。

見てくれてありがとうございます。

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