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ヘンタイ・アニメ



 学園祭シーズン、軍需産業 第三高校でも文化祭が行われ

 その実行委員会に、私、清水寺は何故か参加させられています。


 去年、第三高校で仕事はしましたが、今年は第二高校に在籍しているのに

 何故でしょう? 実行委員長であるベテランの先生に聞いてみます。



「とにかく、人手が足りないんです。


 毎年、毎年、やっちゃいけないと言われるような事を

 面白半分にやる馬鹿な生徒が必ず発生するので


 それを事前に防止したり、当日になってゲリラ的に実行するのを阻止したり

 いっぱい、やる事がありすぎて、応援を頼める所には全部、頼んでいるんです」



『で・・あのぉ。私が担当になった、この動画監査委員というのは?』



「公序良俗上、けしからんと言われるような映像作品ありますよね

 それを、わざと公開する愚か者が何故か発生するんですよ


 去年は、アメカのダバネで開催された

 アダルト・エンタ・エキスポでの最優秀作品を上映


 我が国の法律では公開どころか所有さえ違法な作品を

 映画研究会の作品とすりかえて上映してくれましてね


 毎年、ヘンタイ・アニメ、フェミニスト・ポルノ、ゴンゾポルノやらと


 エロティック・アート作品の違法取引をするマフィアの回し者になった

 卒業生が後輩を言いくるめ、あの手、この手で宣伝のためなのか


 必ず何か事件を発生さえてくれるんですよ。全く、けしからん


 というワケで、そういう作品を持ち込ませない

 上映させないための対策委員です


 わかって、いただけましたか?」




『しかし、どうやってチェックするんですか?

 結構な人が入場しますし・・』



「清水寺先生に担当してもらうのはですね

 コンテンツ上映会場の見張りです

 入場時の持ち込みチェックは他の先生がやるので

 もしも、上映されたら3分以内に上映装置を停止して下さい」



『はい、わかりました』


 何故に3分以内なのかは、ツッコミません

 疑問には想いましたが・・


 指示された通りに指定された場所で見張ります。


 が、しかし、結局は阻止できませんでした。


 国民的スター格闘家の伝記映画が上映され

 観ている格闘ファンが熱狂している時に

 突然、映像が切り替わり



 人間打楽器、というタイトルが映し出され、会場に音が鳴り響きます


 ぱんぱんぱん ぱんぱんぱん ぱんぱんぱん ぱんぱんぱん 


 そしてスクリーンには・・・


 桃のような形状をした太鼓な人間打楽器と


 太鼓を叩くスティックが大写し・・・


 一瞬、ナニカナ? と思いますが

 太鼓を叩くスティックは見慣れたモノでした

 私のより大きなサイズです。


「誰だぁああああああああッ!」


 部屋から怒号が上がります。


 そうそう、そんなスティックの大きさや

 桃のような形状をした太鼓の張りに

 感心している場合じゃありません


 仕事、仕事っと。



 明智です。職員室に呼び出されています。

 文化祭で必ず問題が発生する映画研究会の上映会場

 そこの学生側担当者として配置されていました。


「エロ アンド ピース」と、エロティック・アートを語る男 小早川


 奴が学生生活と引き替えに、表現の自由を追求することを選んだようです


 誰もヤンキー村のガキの作品なんか、まともに扱ってくれません


 ですが文化祭で強行ゲリラ上映して騒ぎを起こせば

 問題が表沙汰になり、ネットでも拡散されるに違いありません


 なんとかして誰かに自分の作品を観て欲しかった

 その願望が、他の全てを押し流したようです


 一部の先進国じゃエロアートとか言って芸術なんでしょうが

 どう考えても、我が国では公共の場で公開してはいけない猥褻映像です

 違法行為なので、ただじゃすみません



「大人しくしてると思ったら大間違いだからな!!!


 愚か者? いくらでも言うが良い!!!

 表現の自由を追い詰めたものを恨むが良い!!!


 ふははははははは!!!」


 混乱する上映会場で小早川は高笑いしながら

 自分が上映した作品についてなどを語っています。



・・・・



「あー、全部揉み消したから」


 担任が小早川に君は何もしなかった事になったと言いました


「え?」


「没収した映像を入れた箱を間違えて上映したことにしたから」


「え?」


 小早川が不満そうな顔をします


「ふふふ。あんな事で世間の注目を浴びる事ができると思うな

 やるなら、公開▲●○でも、やってみろ」


「それって▲●○を大勢の前で、やってみろって意味ですか」


「おう、▲●○までなら揉み消してやるからな」


 もちろん担任の言葉は半分は冗談でしょう。


”▲●○をスクリーンに公開上映しても目をつぶってやる。

 お前らに、そんな度胸があるとは思えない

 どうせ、口で言うだけだろうけどな”


 という意味です。完全に足下を見られてました。

 さすがに小早川も▲●○に人生をかける気は無いでしょう。


 その一瞬の快楽のために払うコストが高くつきすぎます

 その数分のために数十年を苦しんで生きなくちゃならなくなります

 自分が素晴らしいと想う▲●○イメージを移したフィルムを

 上映する事に人生を賭けられるか?


 そんな事が、できる奴は、いません。少なくとも第三高校には。


 それに▲●○は、人前で見せるものでは、ありません

 もし見せるのを楽しめる人間がいるとしたら変態と呼ばれる人種でしょう


 私とかは、そんな価値が▲●○にあるとはどうしても思えないのですが

 小早川は価値があると想っているんでしょうか?



 結局、小早川は色んな意味で自分を心にあったポリシーを

 曲げて、変えざるを得なくなったようです。

 そもそも、誰に?何故? そんなポリシーを植え付けられたのか?


 そう誰もが思うようなポリシーだったのです。


 結局、小早川が今回の文化祭の活動で手にしたものは


「他の人が、やらない事を、やってやったぜッ!」という


 小早川と仲間、その内輪の数人の心に

 馬鹿げた想い出が残る程度のものでした


 そんなもんでしか、なかったのです。


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