表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/51

第二幕 夢と現実の差異


エドムーラ2世はザイスタン自由国の統治者として

「自由国主」という称号を使用し、国民に国主様と呼ばせました。


-------------------------------------------------------------------------------

セリフ : ザイスタン自由国 開国式典 公式挨拶 & 多数派の噂

-------------------------------------------------------------------------------


2世は、国家全体を統括する総督、副総督を任命


その配下に内政、外交、財政の 3省庁を設置して

それぞれのトップとして行政長官を任命


行政長官の下には、帝国と同じ組織構造な担当官僚を配置


財政部門は、国内財政収支管理と国際債務調整を担当


外交部門は、海運、教育、宗教、通商などを担当


内政部門は、国防、警察、公衆衛生、公共事業を担当

および、天然資源とプランテーション開発の

監督責任も担当する事となりました。


・・・


任命された行政長官、官僚ともに

ザイスタン現地へと赴く事は、ありません

現地駐在員に指示をして統治行政を運営させます


ほとんどの上級行政官が

帝国首都で同じ行政職務を兼務しているため


現地で作業をする人間に、行政制度、制度運営

および、年次業務、月次業務、日次業務と

作業項目および作業手順を指示するだけでした


なので、定型作業では無い現地調整職務を

職務必須事項を把握できる能力のある人間も

職務遂行をできる人間も現地には少なく


問題が発生するたびに本国へ報告して

能力のある人間からの指示を待ってから

対応していたので

何をするにも凄く時間がかかりました。


スムーズに職務が進んだのは

帝国式の行政組織構造に偶然マッチしていた地域での

たまたま、状況が味方した職務だけでした。


当然、現地と本国での意識のズレにより問題発生

それは、こんな堂々巡りが発生させます


 現地と本国での意識のズレにより問題発生

 ↓

 本国にいる上層部が軽視

 ↓

 放置されて深刻な社会問題に発展

 ↓

 帝国では保守支配層に成れない

 貴族の跡継ぎ長男以外の人間に

 現地で保守支配層に成れるかもしれないよ

 と言いくるめて現地へ行かせ対応要請

 ↓

 現地へ行った人に責任も対応も全てを押し付けて

 対処できたら出世、失敗したら閑職へ左遷

 ↓

 問題を先送りして根本的対処せず

 不都合な事実は隠蔽して本国に報告

 ↓

 現地と本国での意識のズレが広がり問題発生


というようなループが発生します


------------------------------------------------------------------

セリフ : 帝国貴族会議 公式議事録 & 裏駆け引き

------------------------------------------------------------------


3部門の行政長官を統括監督するのは

任命された総督の手に委ねられていましたが


この役職は実際は帝国上級貴族にとっては

あまり名誉と言えるものでは、ありませんでした

国内の派閥争いに有利な事は何ひとつ無いからでした


総督は帝国首都にいる帝国最上級公務員なので

ザイスタン現地へ行く事などは

内心は、島流しのように感じていたので

現地へと足を運ぶ事は無く


副総督が実際には現地へと行って

代理で行政執行するのが慣例となっていきます


そして、本国総督派と現地副総督派での認識ズレが広がり

現地では汚職や不祥事隠蔽、本国では黙殺に放置が発生

統治構造自体が混沌としたものになっていきます。


--------------------------------------------------------------------------

セリフ : ザイスタン協議委員会議 公式議事録 & 裏駆け引き

--------------------------------------------------------------------------


たとえば総督を補佐するために、公務員で構成された

協議委員会(協議委員会)が設置されていましたが

総督は協議委員長としての義務や責任を事実上は負わず


現場の副総督の配下にいる国務長官が実務担当者との協議を通じて

地区役員と統治行政を運営していました。


ザイスタン自由国では、帝国制度に習って


 法務大臣(副総督と同等の階級)が率いる独立した司法機関


 上訴を審理する 3 人の裁判官からなる最高裁判所


 1 人の裁判官からなる高等裁判所


 地方裁判所と検察官


を制定しました。


しかし、性善説に基づいた帝国の近代国家法律


刑法にしても民法にしても商法にしても


人を見たら人食い人種と見るべきで

力による武力制圧と縄張り争いだけが繰り返されている

フロンティア社会に適合したものとは言えませんでした。


広大なザイスタン盆地は、10ほどの行政地区に分割され、

各地区はゾーンに、各ゾーンはセクターに、各セクターはポストに分けられ

地区委員からポストレベルまで、任命された全ての行政首長は帝国国民


一応、その内、現地部族から採用するという覚書が

書かれ公表されては、いたものの

実現するのは、どう考えても遠い未来のようにしか思えません


ですがザイスタンにいる帝国行政職員は、わずか 3,000 人

統治するための人材が絶対的に不足している状態でした。


なので実務を遂行する手段として

行政首長は有力な地元部族の部族長に依存します


広大で手の届きにくいザイスタン内陸部を支配し

住民税や所得税などの税金を徴収するだけにしても

結構な人手が必要だったからです。


・・・


エドムーラ2世は統治をするにあたって

国際社会に公約を発布します


 人道政策推進


 ザイスタン内の自由貿易保証


 貿易商人への輸入関税は20年間、非課税


 慈善事業や科学事業を奨励により近代化


 ゴム取引による商業活動で経済活性化


といった公約です。


しかし、その後の数年間で、4 つの問題が発生します


 国土の大部分は熱帯雨林ジャングルとサバンナであり

 国家財政収益および商業的利益が、ほとんど無いままでした


 ザイスタン内陸部は、奴隷商人、人喰い部族酋長

 好戦的で排他的な部族などによって支配される紛争地帯のまま


 アフリコ奴隷ギャングが、ザイスタン東部地域は自治州と主張


 上記の他にも様々な問題が未解決な事もあって

 エドムーラ2世は植民地運営資金を調達するため

 帝国銀行から巨額の借金を抱え

 借金の担保であるザイスタン統治権を

 銀行に渡さざるを得なくなる

 という不名誉な事態を招く可能性が高くなりました


2世はザイスタン自由国の近代化システムを

構築させようと国家事業を建てますが

計画通りに事業成績が挙がりません


ザイスタン行政担当者は、帝国行政担当者に比べると


 保守支配層になりたいという願望と夢はあるものの

 未来への夢を抱えるだけで

 職務把握能力も、職務遂行能力も、状況判断能力も

 レベルが低い人が多いのが実情でした


それは、若い行政官がザイスタンで修行させられ

一人前になったら帝国首都へ凱旋する

というのが、慣例となっていたため


近代化も経済発展も国家財政安定も

優秀な人材が不足して進捗は芳しくなく


エドムーラ2世の統治構造は、財政赤字を膨らませていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ