1-5. 5番の呪い(小学5年)
(*景虎視点)
桜が美しく咲く春。
俺は小学5年生になった。
今日はバレーの試合がある。
6年生がメインだけど、
5年生の俺と瑠飛も
試合に出してもらえることになった。
6年生のサポートができるよう、
必死にプレーした。
俺たちのチームは、無事に勝利を収めた。
「我ながら活躍できたんじゃないか?」
そう、自分が誇らしくなった。
やっぱり、バレーボールは楽しい。
もっと上手くなりたい。
ますますやる気に満ち溢れていた。
けれど。
最後、相手チームのメンバーと
タッチをしながらすれ違った時。
あまりにも鋭い言葉が、
俺の耳を貫いた。
「5番のやつ、あんな顔だから、バレーとったら何も残らねーよな」
「バレーくらいできてないと、取り柄ないよな」
相手選手が二人、
負け惜しみを言っていた。
その言葉を聞いた瞬間。
俺は呼吸ができなくなって、
その場に固まってしまった。
まるで、勝利の熱が
急激に冷めていくみたいだった。
5番のやつって……俺のことだ。
鏡を見るたび、
自分でもパッとしないなと思っていた。
瑠飛みたいに整っているわけじゃない自分の顔を、
正面から否定された気がした。
すると、後ろにいた瑠飛も聞いていたらしく、
大激怒してネットを潜り、
相手選手二人に殴りにかかった。
めったに怒らない瑠飛が、
マジになっている。
止めないと……。
「瑠飛、いいから!」
俺は瑠飛に心配をかけないように言った。
それでも殴りかかろうとする瑠飛を後ろから掴む。
ケンカをやめさせるのに必死だった。
「俺は良くない! 許せない!」
俺を振り飛ばして、
それでも相手に向かおうとする瑠飛。
駆け寄ってきた大人たちが、
彼を抑え込んだ。
後から瑠飛が怒った理由を説明して、
その場はおさまった。
でも。
その日以来、俺の心には
その言葉が重くのしかかった。
まるで、解けない呪いを
受けたかのように。




