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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ラストストーリー編:第1章~虎の巻~
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Lastステージ9:虎ノ国【タイガーランド】⑧

夜になった。

というわけで、俺は白虎殿へと向かう。

勿論イミナの姿でだ。


「翔琉……まじで、その姿で一生居てくれたら、俺ーーーもうなんでも言うこと聞いちゃうぜ。そんで、茂みに……」

「お前は茂み茂みって、怖いことばかり言うんじゃないよライ‼」

「いや……えへへ……その姿で怒られても、照れるだけだな」

「はぁ……」


ため息も出ますよ。

本当に……。


「いや、でも翔琉……その姿他の人にも見せたらどんな反応するのか気になるから、しばらくそのままで居てよ」

「ディルまでなにいってるんだよ!」

「そうだな、トルネとかあたりがガチで口説いてきたら笑っちゃうな……」

「こら、ジンライ‼」

「翔琉が嫌なら、やめた方がいいぞ」

「ボルぅ……」


あー、本当にこういう時にボルは優しいな。

流石は、親友♪

でも、なんかやたらベタベタ触ってくるのは、親友だからなのかな?


「いや、天野翔琉様に出会えるなんて、夢のようです……」


ベルクーサスは、満面の笑みでにこにこと笑っている。

ん?

っていうか……。


「ベルクーサスくん。そういえば、あなたなんで俺たちに付いてきてるんだ?」

「え?あーーー実はですね、俺……天野翔琉様の弟子になりたくて、それであの大会に出てたくらいですから……弟子にしていただけないかと思ってーーー」


弟子志願者だったのか……。

どうしよう。

俺って、弟子を取らないようにしてるんだよな。

どうせ、あと数ヵ月後には、元の世界へ帰るわけだし。

でも……。


「……そうなんだ。いいよ。弟子にしてもーーー」

「え!本当ですか!」

「うん。いいよ」

「うわ、どうしようどうしようどうしよう‼夢みたいだ……」


ベルクーサスは、見事に男泣きを決め込んでいる。

そんなにまで、そこまでして嬉しいことなのかな?


「翔琉、翔琉……」


ヒソヒソっとディルは俺に耳打ちをする。


「あんた、あんまり弟子とか簡単にとらない方がいいよ。口コミで広がったら、私みたいに見掛けられるだけで弟子志願してくる奴とかも出てきちゃうんだし……ただでさえ、あんた有名人になっちゃったんだからーーー」

「ん、分かった。じゃあ、ベルクーサスくん以外は、弟子取るのやめるわ」


まあ、一人目というか、最初にして最後の弟子ってところで。


「ベルクーサスくん、1つだけ君に聞きたいことがあるんだ」

「はい!なんでしょうか♪」

「君はなんで俺の弟子になりたいんだい?」

「そりゃあ、強くなりたいからです。愛するものを守るためにーーー」


そう言ってベルクーサスは、ぎゅっと拳を握りしめた。

彼にも彼なりな過去があって、今を生きているーーーと言うのだけは伝わってきた。


「分かったよ……でも、最初に言っておくけど、俺は身内に厳しいからね?家族のように扱うけど、家族並みに優しくも厳しくも接するからね?」

「は、はい!」


そう言ってベルクーサスは仲間になり、そして弟子になったのだった。



白虎殿。

それは、純白の美しい装飾に守られた城だった。

いや、この大きさだと、お屋敷と言った方がいいかもしれないな。


「すみません、招待状貰って来たんですけどぉ?」


っと、俺は女装姿で、女口調で入り口付近のガードマンに言う。

ガードマンは、俺の姿を見るなり、ドキッとした表情でいた。


「あ、あなたは、イミナさんじゃないですか。本日の試合興奮しましたーーーそして、あなたの姿にも……もしよければ、このパーティ後に飲みにでも行きませんか?」


とか、言ってきたのだが、すかさずボルが間に入って「ガードマン‼俺の嫁口説いてないで、仕事しろ仕事!」と叱る。

ガードマンは、その発言を聞き焦っていた。

そりゃそうだ。

夫の前で、妻を口説くなんてそんなことなかなかないぞ。

ベルクーサスみたいなのが、珍しいんだよーーー夫の前で寝とるとか発言するしな。


「も、申し訳ございませんでした……では、イミナ様……と、御一行でーーーあ、あとジンライ様もおいででしたか。族長が中でお待ちですので、お急ぎください……」


そう言って、正門を開けて貰った。

ガードマンは仕切りに俺の方を見ているのだけど、なに、いや、まじでーーー女装姿モテすぎだろ、虎獣人に。

ビックリだわ。

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