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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ノクターンフェスタ編:第3章~悪魔の執行~
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5thステージ21:■■の存在

"もう思い出せない俺のママへ


あなたは今どこでなにをしているんですか?

というか、そもそも存在しているのですか?

俺たちはといえば、あなたの記憶を失って数日……ようやく、混乱も落ち着いてきました。

最初は、またライパパとボル伯父さんが死闘を始めたり、ブラッドが怪しい教団を復活させかけてしまったり、ロギウスが自身の役割を忘れてしまって、世界が混沌に誘われかけたりと、とても大変でした。

でも、みんな根本ではあなたの存在の影があるみたいで、すぐに止めました。

あなたの存在は、記憶を失ってもなお……どうやら、みんなには影響を及ぼしているようです。

流石ですね……。

ですが、何故突然あなたの記憶が失われたのでしょうか?

これも、以前どこかで襲ってきた悪魔のせいなのでしょうか?

あなたが居なくなってしまった、思い出せない現場で戦ったあの悪魔……確か、冥界四大鬼族マクスウェルでしたか。

ママ……俺は、悪魔に勝てますかね?

あなたを助けるために……あなたを探すために……きっと、悪魔と戦うかもしれません。

ですが、俺は今【戒めの呪い】で、全能力を封じられています。

もしも、ママなら……どうやって、この状況を乗り切りますか?

教えて下さい……俺の大好きなママ……。


ジンライ

"


俺は書き終えた手紙を、机の上に置くと、監禁されている部屋のベッドの上に寝転んだ。

あれから数日……結果としてずっとここに閉じ込められてしまっている。

戒めの呪いの影響……そして、失われてしまった母親の記憶。

世界は混沌へと向かっている気がするんだ。

俺の母親は、この世界で様々なことを行っていた……はずだ。

ディルの時空図書館での調査も虚しく空振りとなってしまったし、始まりの神に至っては、行方不明になってしまったし。

事態はどんどん悪くなってきている。

ママ……あなたが居たときが本当に平和だったんだね。

俺はあなたに会いたいです。

会って、この失われた心の穴を埋めて欲しいです。


「ママ……どこにいったんだよ……」


俺は涙を流す。

もう思い出せない人物を思ってーーー。



【ー冥界ー】


「ありえない、ありえない、ありえない‼」


冥界四大鬼族ルシファーは、自身の目を覆い隠したくなる現実と今まさに向き合っていた。

彼女の魔法である繰返魔法(メビウスマジック)∞は、これまで彼女が戦闘を行った666ものの生物全てを永遠に迷わせ、自らの魂を差し出させてきた悪魔の悪魔による魔法だった。

つまるところ、全666戦の内、666勝0敗だったわけだ。

それも、相手の敗北宣言による完全な勝利で。

だが、この彼女の無敗伝説も、今終わりを告げた。


「なんで、あの女がここに……というか、何故生きている!」


と、ルシファーは攻略され破壊された建物の上空で、少年を抱えたまま、ルシファーの主人ヨルヤ=ノクターンと対峙する女を見ていた。

その女とは、始まりの神と呼ばれる女……ヨルヤ=ノクターンの唯一の親友だった女ーーーファーストだ。


「ファースト……お前、生きていたんだな?」

「勝手に殺さないでくれる?ヨルヤ……」

「ふふん……その強気な言い方……懐かしいな……」

「いや、懐かしまなくていいわよ?私は翔琉くんを連れて地上に帰るから……」

「いんや、それはダメだね……俺の親友を勝手に連れ出すのは許さないよ……例え、元親友でもね……」


ビリビリと大気が振動するくらい、ヨルヤの殺気は凄まじいものだった。

だが、始まりの神……いや、ファーストはそれに動じること無く、笑みを溢す。

その笑みの先にいるのは、自身の抱き抱えてる少年……天野翔琉だった。

天野翔琉……地上では忘れられた存在となってしまっているが、この冥界では記憶は健在している。

そして、その異端とも呼ぶべき天性の力も……。

そう、ルシファーの迷宮を破ったのは、なにを隠そう天野翔琉だ。

迷宮からの脱出直後、彼はヨルヤに再び拐われかけたが、その一瞬をついてファーストが翔琉を拐い返した。

そして、現在ーーーこの緊迫した状況が生み出されているのだ。

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