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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ノクターンフェスタ編:第1章~悪魔の罠~
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5thステージ9:戦慄は刹那の中で

結界の中で眠る少年ーーー天野翔琉。

彼は、決して起きることはない。

悪魔によって、隙をつかれて打ち込まれた強力な睡眠薬により、彼は深い眠りについている。

天野翔琉は人間だ。

それも、ごくごく普通な人間ーーーしかしながら、魔法に関して言えば、強力なまでの耐性を有している。

そのため、彼には異常状態系の魔法は効きにくい。

だがしかし、薬などの人間が作った科学的要因ならばーーー彼には抗うすべを持てない。

何故ならば、同じ人間が作ったものだからだ。

故に天野翔琉は、今まさに無謀である。

そのため、友に守られながら眠りについているのだったーーー。



はぁはぁ……っと、息切れを起こしている神々と武器……それに対して、1歩も動かずに平然と立っているフードの少年。

戦力差はあからさまと言えよう。


「はぁはぁ……なんなんだよ、あいつ……強すぎるだろ……」

「そうだな、アマデウス……お前の神魔法さえも無効化されるだなんて……こんなこと始めてだ……」

「当然よーーーなにせ、相手は神の上の悪魔……奴を倒すには、それ以上の力を要する……だけど、私たちにはそれがない……唯一、それを可能とできる可能性を秘めている奴は今眠ってしまっているからね……」


ライトはちらりと、天野翔琉の方を見る。

しかし、翔琉はすやすやと眠っている。

こんなにも激しい音がする中でも、彼は睡眠薬で眠り続けている。


「もう、僕の親友はこんな時でも寝てるだなんて……可愛い☆」

「……それには、同感するーーー」

「うん、いい寝顔」

「愛くるしい顔だな」


いつの間にか焦点がずれているーーー。

先程まで戦闘中だったものたちが、1つの人間を見て和むだなんて……普通はあり得ないのだがな。


「ーーーんまあ、だからこそ、お前ら邪魔♪」


パチン、とフードの少年が指をならすと、アマデウスたちは、突如地面から生えた銀色の十字架に磔にされ、そして、天野翔琉を覆っていた結界が破れた。


「さあ、翔琉くん……今、君を手に入れるよ……」

「やめろ!ん?なんだ、この十字架……力が……」

「抜けて……」

「く……」


ガクッと、神々と武器は気を失った。

そして、そのまま磔にされたまんま、地上へ放り投げられた。

この場合の地上とは、彼らがいた【魔がさす楽園】のことを言う。つまりは、冥界に繋がる門より、元の世界へと弾き飛ばされたのだ。

無防備に眠り続ける天野翔琉は、そのまま少年に連れられていく……ただただ、言えるのはーーー彼らは敗北した。

それも、手も足も出せずに……無様に負けたのだ。

同じく別の場所で戦っていた、天野翔琉の息子、弟ーーーそして、友も……悪魔に敗北し、仲間共々、冥界から地上へと投げ捨てられた。

無様に、醜く敗北した彼らは弱者だ。

そして、悪魔たちは強者だった。


こうして、天野翔琉は冥界に誘拐されたのだった。

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