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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ノクターンフェスタ編:第1章~悪魔の罠~
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5thステージ6:悪魔の神へ

「とりあえず、ジンライ……翔琉お兄ちゃんのところへ行こうか」

「そうだな……よし、行こう‼」


と、俺たちは急ぎ翔琉ママたちのところへと向かう。

てくてくと、通路を歩いていくと、フードを被った小さな悪魔が歩いていた。


「あのすみません」


と、俺たちが声をかけると、少年はにこりと笑って「はい、なんでしょうか?」と聞き返してきた。

見れば見るほど少年なのだが……なんだろうか。

他の悪魔に比べて、邪気というか、力が強い気がする。

戦闘漫画っぽい人物に、台詞を例えるならば「こいつ……できる‼」的な台詞を浴びせるのがいいのだろうがーーー今は、それどころじゃない。


「あの、中性的で優しそうな人間がここを通りませんでしたか?えっと……結構周りにも人や獣がいたと思うんですけど……」

「あー、翔琉くんのことかい?それなら、この先の通路を左に曲がった先にある【御神体の間】にいるはずだよ」

「あ、そうですか。ありがとうございま……」


いや、待て。

待てよ俺。

なんで、この少年は……。


「すみません、僕急いでるんで♪じゃあ、失礼します」


ペコリと、頭を下げた少年はあっという間に、通路の奥へと消えていった。


「なあ、狼牙……いまの子……」

「あぁ……翔琉お兄ちゃんの名前を口にしてたな……」

「中性的で優しそうな人間……それだけだったら、他にも当てはまるやつはいそうだよな……」

「……一応、あとを追うか?」

「……いや、やめておこう……。彼は恐らく、かなりの強者だ。策も無しに、むやみに追いかけて、逆鱗に触れてしまうと、厄介になりそうだ」

「……じゃあ、とりあえず、この先の広間に向かおう」

「そうだな」


急いで俺たちは、広間に向かう。

天野翔琉を急いで、この社からーーーこの冥界から、連れて帰らなければならないーーーそんな気がしてたまらなかった。

ここは、表面上は美しいけど、内面上は危険だ。

危険すぎるほど危険だ。

早くしないと、取り返しのつかないことになりそうだ。



広間に着くと、翔琉ママたちは御神体ーーー【ヨルヤ=ノクターン】が眠るとされる棺の前にいた。

悪魔神ヨルヤ=ノクターン。

全世界を始まりの神に、正真正銘作らせた神物(じんぶつ)

そして、冥界の悪魔たちの祖になった神だ。

悪魔たちは、彼には逆らえない。

彼に逆らうことは、1つの宇宙の終わりを意味する。

始まりの神ですら、あやすのが大変だった悪魔ーーー1度暴走したら止まらないだろう。

だからこそ、この場に眠りという形で封印されているのだからな。


「お、ジンライたち。遅かったね」


と、ボル伯父さんはにこりと笑っている。

だが、この空間の尋常ならぬ淀んだ空気に、少し苦しそうだ。


「あ、伯父さん。翔琉ママは?」

「ん?翔琉ならそこにいるじゃん、ほら」


と、指差す方向には、確かに翔琉ママはいる。

いつもと変わらない、いつもの翔琉ママが。


「あ、ジンライたち……どこにいってたの?」


と、翔琉ママは俺たちのところに歩み寄ってきた。

歩み寄ってきた……歩み寄ってきてーーー唐突に首をしめ始めた。


「ぐぅぅぅ……翔琉ママ……苦しいよ……」

「お兄ちゃん……やめ……」


こんなに苦しんでるのに、ボルやライ……他の魔導士たちは一歩も動いていない。

いや、唯一この状況をおかしいと感じ、唯一俺たちの首から翔琉ママの手をはね除けた女がいた。


「……翔琉……いえ……お前は誰だ」


そういって、苦しみから解放されて、床に倒れていた、俺たちと翔琉ママの間に立っていた人物ーーーそれは、時空間を操る魔導士ディルだった。


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