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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:最終章~真価を問われるこの世へ~
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4thステージ79:結末を与える一撃へ

長い長いこの戦い……俺がこの世界へと戻ってくるまでの間、リュウが場を繋げててくれてたんだっけ?

ありがとうな。

俺を助けに来てくれたみんなも、俺を心配してくれたみんなも……本当にありがとう。

すべてにおいて俺にか変わってくれた、この【魔がさす楽園】の住人たち……ありがとう。


「閃光矛【第五戦闘状態】……発動!」


その掛け声と共に、俺の腕にはまっていたブレスレットが輝き、弓矢の形状になった。

もはや、矛じゃねーだろ、飛び道具だろってツッコミはさておき、俺はゆっくりと弓の弦を引き、矢を矢枕にのせ天野蘚琉目掛けて構える。

ギリギリと引き絞る矢に、光の渦が纏わりつく。

そして、いっそう輝きを増したところで、天野蘚琉は闇を俺に放つ。

小さい光は飲み込まれそうになり、闇に染まりかけたが、ディルとイミナの時間と空間魔法で、どうにか押し留めている。


「くそくそくそくそ‼死ね死ね死ね‼みんな、死んじゃぇぇぇえええええええええ‼」


闇の勢いは強まっていく。

そして、俺はその闇に向かって矢を放つ。


「いけぇぇぇぇぇぇ‼」


光に溢れたその矢は、闇を切り裂き、空間を埋め合わせ、次第に天野蘚琉に接近する。


「甘いよ、天野翔琉‼」


そう言って、矢があと少しのところで、空間を矢ごと喰いとられた。

そんなのありかよ‼


「あははは♪所詮私に勝とうだなんて、100億年早いはな……し?」


サクッと、彼女の胸には光輝く矢が刺さっていた。

閃光矛は空間ごと喰い尽くされたはず……だと彼女も、俺も思っていた。

だが、違った。

そうだった……。

もしも、俺がここに1人ならば、先程の攻撃は予想通りーーー空間ごと天野蘚琉によって喰い尽くされていたに違いない。

でも、今……俺は1人じゃない。

俺には仲間がいる。

今、ここにーーー頼りになる、仲間が。

時空間を操る魔導士ディル……。

彼女がいるのだ。


「時空間魔法:異動返(いどのかわず)ーーー相手の攻撃を移動させ、任意の場所に出現させる魔法……翔琉の矢をあんたの後ろに移動させたのよ……天野蘚琉……」

「お……の……れ……ぐぐぐ……」


苦しみ、そして悲痛で悲劇な顔をした彼女に刺さった閃光矛が、光輝くと、彼女はいっそう苦しむ。

そして、身体からは黒い靄が次々と排出され、それら全てが、閃光矛の光でかき消されていく……。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああああああああアアアアアアアアアアアア‼」


光は、いっそう輝きを増して、そしてーーー輝きが絶頂の時、天野蘚琉は完全に意識を失っていた。

そして、彼女の【捕食】という能力も、彼女の【不老不死の身体】も、彼女の【精神異常】も、黒い塊となって体外に放出され、光によって打ち消された。

光が落ち着き、閃光矛が俺の手元に戻ってくる頃には、天野蘚琉は実験される前の姿に戻って、穏やかに眠っていた。

純白の白衣を身に纏う研究者ーーーその姿に、彼女の兄イミナは「かわいいだろ?あれ、妹なんだぜ」と、涙しながら、笑って言っていたのだった。

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