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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:最終章~真価を問われるこの世へ~
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4thステージ70:世界決戦⑦

【~第2空間~】


ジンライと天野狼牙……この2人は未だに喧嘩を続けている。この光景には、流石の傀儡陣営の3人も唖然としていた。

馬鹿なのかこいつら……と、操られながらもそう思ってしまうのだった。


「だいたい、翔琉ママに抱き付いて……いい気になるなよ?」

「はぁ?お兄ちゃんに抱きついちゃダメな弟なんて、この世に存在しないだろ?何をいってるんだ?たかだか息子の分際で偉そうなこと言わないでくれるかな?」

「息子の分際でって、お前バカなの?子供を愛さない親なんて居ないんだぜ?時にはキツいこと言ったりするけど、なんやかんやで子供を愛してるのが、親なんだ」

「は!さてさて、お兄ちゃんはそんな世間体で言う【優しい親】であるのかね?」

「なんだとぉ?!」

「なんだよ!」


再び胸ぐらを掴み合う彼らは、実は現在絶体絶命なのだ。

ボルの空間魔法に閉じ込められ、そしてフィリとファイの異種各族の固有魔法を融合させた攻撃を仕掛けようとしているからだ。

それなのに関わらず、未だに喧嘩を続けている。

まったく、どうしようもないやつらだな。


「いい加減、喧嘩やめろ!」


ゴツン!っと、彼らの頭を叩く人物がいた。

その人物の登場は、ボル、フィリ、ファイの3人には予想外だった。

何故ならば、その人物は確かに死んだ人物だったからだ。

しかも、それを発言したのは自身が信じてやまない全世界の王である天野蘚琉だった。

だが、残念ながら彼女の台詞は、むざむざと彼の登場によって打ち砕かれたのだった。


「ダメだろ2人とも……戦闘中によそ見して……君らがやられるということは、君らが慕っている天野翔琉をみすみす殺してしまうような事だぜーーー」

「うるせーな!偽物!」

「お前!おいらのお兄ちゃんになんて口聞くんだ!」

「喧嘩するな!」


ゴツン、と再び鉄拳が降り下ろされる。

この人物の正体ーーーそれは、イミナ=ファルコンだ。

彼は、幾度もなく殺害された不運な男だ。

だが、彼自身は死にたくても死ねない運命にあるのだった。

最初の死は、不慮の事故。

しかしながら、実妹【天野蘚琉】と親友【斬神夜弥】によって死から蘇ることに成功する。

これが、1度目の蘇生。

2度目の死は、義理の弟【天野狼牙】によって殺害された。

親友【斬神夜弥】によって、狂わされた妹から義理の弟を逃れさせるために、そして実妹を元に戻すために自ら死を選んだ。

だが、始まりの神によって、この世界へと呼び寄せられ生き返る。

これが、2度目の蘇生。

そして、3度目の死……それは、実妹【天野蘚琉】によって、追い詰められ殺害された事だ。

水の大魔導士リュウを逃がすため、自らが囮となって犠牲となった。

だが、まあーーー彼は、オールドアに魂を固定さている身……この世界でどんなに殺されようとも、オールドアが無事ならば彼は死なない。

いくら操られようとも、死ねば元に戻るだけーーーこれが、本当の不死者なのだ。


「さあて、お前たち……天野蘚琉を治すため、そして最後の天野翔琉を救うために、今こそ、力を合わせてーーー」

「うるせーな!偽物!さっきからゴツゴツ頭たたいてんじゃねーよ!」

「流石にお兄ちゃんでも、許さねーよ!頭殴ると脳細胞が死滅するんだぞ!」


そうイミナを責める2人は、ボルの合図で破裂した空間の爆発に巻き込まれ、地に叩きつけられた。

ボロボロの2人、そして巻き込まれたイミナに対してボルは冷淡に見下すのだった。

だが、イミナは笑っていた。

何故ならば、この2人の特徴をよく知っていたからだ。

彼らは、見下されるのが最も嫌いだーーー能力が優れている分、彼らは他者から見下される事を極端に嫌う。

彼らが慕う天野翔琉は、彼らの事を見下すことを1度もしたことがなく、狼牙に至ってもこの1週間の間、平等に接していた。

故に、彼らは今どうしているのかと言えばーーー。


「おい、ジンライよ……ここは協力してあいつらを倒してしまおうじゃないか……おいらとの話の続きは、事が終わったあとに、じっくりと、たっぷり語らおうではないか」

「お前と語らうのは嫌だけど……協力してあいつらを倒すって意見については賛成するぜ……いっちょ、やってやるか」


と、闘争心を燃やしているのだったーーー。



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