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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:最終章~真価を問われるこの世へ~
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4thステージ65:世界決戦②

魔法を使う者同士の戦闘と言うものは、何度も何度も……この世界に来てからというもの経験している。

7人の大魔導士……暗黒魔法教団……偽りの犯罪者たち…そして、邪神。

毎回毎回死闘を繰り広げ、幾度ともなく圧勝してきた。

だが、それはあくまでも【神魔法ありし頃の俺】だったからこそ、勝てたのだ。

決して自分の力で、力に溺れて、暴力的に勝ってきた訳ではない。

いつでも、どんな時でも、俺には支えてくれていた仲間たちが居たからこそ、困難にも不可能にも打ち勝ってきたのだ。

だからこそ……今この状況と言うのは圧倒的に不利なのだ。

何故ならば、これまで不可能を可能にするために支えてくれていた仲間たちが、俺に牙を向いているのだから……。


「天野翔琉……死ね」


そう言ってディルたちは、俺に向かって強力な魔法を放つ。

己の持てる最高の魔法……それらは、俺たちに向かって飛来する。

時空間を操る女、炎を操る半龍、闇を操る老獪、氷を操る眷族、風を操る王様、地を操る武人、植物を操る学者、負を操る少女、悪に染まっていた教団の教祖と賢者、真実を求めた元英雄、龍族の長、精霊族の姫君、心惑わす人形、野心に手を染めた5人の老害ーーーそして、神魔法の化身と創造を司る兄の神。

そのすべての全力が、今ーーー俺を殺すための魔法となって、1つの塊となって、襲いかかるのだ。

普通ならばーーーいや、神魔法を持っていた以前の俺ですら、この攻撃は跳ね返すことも、拒否することも出来ない。

エネルギーの規模が違いすぎる。

こんなのは、太陽数10個分の熱エネルギーと等しい量だ。

この攻撃には、もはや笑う気力さえも失われ、絶望に冴えなまれ死んでいくことだろうーーー普通はな。


「閃光矛、防御状態(ディフェンスモード)


俺の腕に輝くブレスレットは俺の言葉に呼応して、俺達の周りに光の壁を発生させる。

そして、その光の壁は、先程の攻撃を全て吸収してしまったのだった。

美しく儚く消える、世界最高クラスの者たちによる総攻撃ーーー。

「‼」


敵陣営(てきじんえい)……いや、本来ならば仲間なのだし、今は操るられているだけの存在ーーーだから、彼らは傀儡陣営(かいらいじんえい)と表記しておこう。

傀儡陣営は、唖然としていた。

自らが放った、自らの最高の力が、あっさりと破られてしまったのだ。

そりゃあ、そうだろうに。


「閃光矛……」


と、フルートが俺の腕のブレスレットを睨み付ける。やはり、彼女は知っていたようだーーーこの神の作りし20個の宝具の1つである、この閃光矛のことを。


「全く、天野翔琉ってのは、厄介なものばかり所有してやがるわね……よりにもよって、閃光矛とは……」

「なあ、閃光矛ってなんだ?」


と、トルネがフルートに問う。

やれやれと、彼女は俺たちにも聞こえるほどの大声で、優越に語った。

この閃光矛という、道具についてーーーその力について。


「閃光矛……神の作りし20個の宝具の1つにして、神すら扱いに困った矛……。とある一説、ある業者が自身の売る矛に貫けぬものはない、自身の売る盾を貫けるものはないーーーと言ったそうだ。その話を聞いた客は、ではあなたの矛であなたの盾を突けばどうなるのかと尋ねると、業者は黙ってしまいそこから矛盾という言葉が生まれた。だが、あの矛はその矛盾すら、指摘し考える暇を与えないほどの能力を持つーーー得たいの知れない能力、得たいの分からない力、全ては謎に包まれ、神の眠る墓にて埋葬されたとされる逸品だったのに……まさか、このタイミングで、天野翔琉の手に落ちるとは……」

「なあ、フルート。結局のところ、お前も知らねーってことでいいのか?あの矛の能力」

「うん、そう」

「「はじめからそういえ!」」


傀儡陣営全員からフルートにツッコミ入りました。

あの状態でも、フルートはフルートなんだな……。



「さて、俺たちも反撃しようか‼」

「そうね、翔琉ちゃん。あたしの力で、彼らを戻して見せる……」

「俺の嫁に手を出す世界なら、雷を落としてやるよ……怒りのな」

「翔琉ママは殺させないよ……」


そして、俺達は進軍を開始した。

戦況的に、複数を相手に、という事をしなければならないので、どうにかジンライによって空間を区切って貰ったわけだけど……。


【第1空間ーーーライ・リュウvsエン・トルネ・ホルブ・グラン・ディル・ヒョウ・フルート・アニオン】

【第2空間ーーージンライ・天野狼牙vsフィリ・ファイ・ボル】

【第3空間ーーー天野翔琉vsアマデウス・レネン・ロギウス・ブラッド・ルーン・ヴィル・シバ・ダイアリー・ソル・ファイバー・ジャッジ・ドッペルゲンガー】


「俺の敵の数だけ、多すぎるだろ!ジンライ!」


と、俺は彼らに囲まれながら空に向かって叫ぶのだった。

神様が3人に、暗黒魔法教団の最高戦力、そして5人の儀長と他者を真似る人形……俺はこれら全てを倒さねばならないようだ。

だが、安堵している……この場に天野蘚琉が居なかったことに。


「あの女の能力【捕食】……それは、何においても驚異だ」


捕食という能力ーーーそれは、エネルギーを吸収するだけではなく、その者の記憶すら喰い尽くし、空になったところに偽りを植え付け捏造できる……。

この【魔がさす楽園】の住民は、身体の中に【精神の器】というものが存在する。

それは、魔法を扱う上で重要なエネルギーを溜め込む場所でもあるが、同時に生命として活動するためのエネルギーもそこに溜め込んでしまう。

即ち、そのエネルギーを全て消費したら、死んでしまうのだ。


「偉大なる王に牙を向く、愚かなる男……天野翔琉よ……潔く死ね」

「おいおい、ロギウス。そんな言い方されると、流石の俺でも傷つくぜ」

「気安く名を呼ぶな!神魔法(ゴッドマジック)真実神(アンジャスト)】」


神々しく、威厳のある……まるで、百獣の王のような姿に変わったロギウス。

その様子は、俺により緊張感と威圧感を与えた。

頬を汗が伝う……。

喉がからからだ。

唇も乾燥する……。


「だけど、やらなきゃねーーー閃光矛【第一戦闘状態(ファーストモード)】」


俺の腕にキラリと輝くブレスレットは、その形をまるでブーメランのような形に変化させ、俺の手元に装備された。

一見普通に見えるV字型のこのブーメラン……だが、それは必ずしも見た目通りの結果しか生まれないと思っているのならば大間違いだーーー。

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