4thステージ63:一匹狼の弟子入り
俺達は、ピラミッド内部から一先ず退散することにした。こんな辛気臭く、怪しい場所に居たら、いずれ何か良くないイベントが発生してしまいそうで、正直なところ怖かったのだ。
それに、リュウが外からディルたちの生命反応を探知したらしく、今夥しい程の軍勢がこちらに接近しているとの事。
「流石に、全員と戦うなんて、そんな非効率的な事は出来ないわね」
と、彼女は現在安定して空間魔法が使えるジンライに頼んで、時空図書館へと転位できるようにしてもらっているところだ。
ライに関しては、壁画の調査のため、壁画の一部を写し取っているところだ。
ヨルヤ=ノクターンの描いた、天野翔琉の人生録……。何故これが描かれたのか……そして、その目的をさぐれば、この先の物語はどうなるのかーーーあらかた判明することだろう。
「……天野狼牙くん……どうだろうか?一緒に来るかい?」
「……行きたいけど、おいらは1度そこのリュウに瀕死の重症を負わせ、封印されていた身……今さら我が物顔で、仲間になんかなれるわけ……」
「じゃあ、あたしの弟子になりなさいな、天野狼牙くん」
と、最大の被害者にして、最大級のダメージを与えられ、あまつさえも殺されかけたというのに、リュウは飄々と笑ってそう言った。
天野狼牙は、非常に驚いた表情だった。
唖然と、その場で立ち尽くしていたのだが、俺やライ、ジンライは彼女ならそう言うと、予想していたところもあり、あまり驚いてはいなかった。
むしろ、さも当然のように聞いていた。
「いいのか……リュウ……おいらは、あの時君を……」
「それいっちゃったら、あたし、始めて会った時、翔琉ちゃんに殺されかけてるけど、今はほら、全然仲間になってるじゃん♪」
「いやまて!それだと俺が狂暴な奴にしか聞こえないぞ!初対面で殺しかけるとか、単に危険なやつじゃんか!それに、あの時はリュウがいきなり攻撃してきたからーーー」
「ほらね?今じゃ、すっかり恋人同士よ♪」
「こらこらー、嘘つくなー。俺のマイスイートハニーを汚すな!」
お前も嘘ついてんじゃねーよ、ライ。
だがまあ、天野狼牙は俺達の会話を聞いて、笑っていた。楽しそうに、嬉しそうにーーー純粋な子供のように。
無邪気に、あどけなく笑っていた。
こうして、天野狼牙は俺達のパーティーに参加した。
彼自身が何ができるのかーーーそれは、この先の戦闘をお楽しみにしていてくれ。
続きはCMの後でーーーではなく、続きは次の章へ……。
さあ、反撃の時だ‼




