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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:第7章~逆転への道と狼の弟子~
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4thステージ54:図書館での検索

神立時空図書館。

全世界で唯一無二の場所に建てられている、この施設。目的は、時を保管することーーーすなわち、記録を残すことだ。

過去の英知を……過ちを……幸福も不幸もなにもかも全てを残し、記録をとっている場所。それが、この場所なのだ。

兼用ではあるが、ここには1つの世界だけならば、全員を収容できる巨大なシェルターが存在する。それは、例え最強の魔法でも、降り注ぐ核ミサイルでさえも、反物質との接触でも、ブラックホールに飲まれようとも、無傷であり続けられることが可能な、全世界最強の施設。

そして、現在ーーー全世界で唯一無二の安全地帯だ。


「ふう……どうにか、着いたわね」

「そうだね、リュウ……」


俺たちは先程の戦闘から抜け出した後、真っ先にこの場所へと来た。そして、正面扉から急ぎ図書館内部へ入り、急いで錠をかけ、この場所に他のものが侵入できないように処置を行った。

そうしなければ、天野蘚琉の下僕と成り果てた俺の仲間たちが、俺たちを殺しにこの場へ来てしまうからだ。

幸いな事に、先程ディルとの戦闘の内に、彼女からあるものを奪っておいた。

それは、この図書館へと入るために必要なマスターキーだ。それさえなければ、ここを管理する彼女でさえもこの場所へは容易に入ることはできないーーーというか、絶対に侵入できない。

そういう場所なのだ、ここは。


「あ、翔琉ママだ!」

「おお!翔琉!無事だったか!」


そういって、出迎えてくれた2匹の虎ーーージンライとライは、どうやらこの図書館内部で戦いの準備をしていたようで、手や身体には武器が装備されている。

戦争でもする気かよ……。


「翔琉ママ♪あー、ママの匂いがする~」


ぎゅっと、俺に抱きついて鼻を身体に押し付けるジンライを見て、リュウやライも、抑えが利かなくなり、俺に抱きついてきた。


「痛い!痛い、お前ら!」


と、愚痴をこぼす俺だったが、なんやかんかでホッとしていた。

あー、いつもの光景だな……と。この平和が大切なんだと、改めて思ったのだった。



時空図書館内には、おびただしいほどの本があった。とても普通の人間じゃあ、読み終えるのに1年とか、下手したらもっとかかってしまうほどに。


「天野蘚琉が不老不死に至ったプロセス……そして、根底から全ての歴史を読みとき直せば、答えは見つかる……」


と、俺はこの本たちを全て読むことにした。図書館に来たら、やっぱり本を読まなきゃ。


「もう、翔琉ちゃん!こんな時に本読んでどうするのよ!」

「落ち着いてよ、リュウ……今の俺じゃあ天野蘚琉には勝てない……だから、あいつを倒すためーーーいいや、説教してやるために、今は知識と力が必要なんだ」

「ふーん……まあ、アマデウスもレネンも奪われてるんだし、辛うじて使える神魔法も、残りカスみたいで、使い物にならない……これじゃあ、神じゃなくて、紙ねーーー」

「んー、よし……リュウ、俺に1時間だけ時間をくれーーーここにある全ての本を読む」

「んー、分かったって、ええ!!!無理よ!流石の翔琉ちゃんでも、兆に達する量の本を1時間で読み終えるなんて……」

「安心してくれ、読書は得意なんだ♪」

「……分かった、じゃあ頑張ってね……あたしは、ジンライたちと共に、道具とかの準備とか色々やっておくからーーー‼」


リュウは驚愕した光景を目の当たりにしていた。俺が宙に浮かばせてある本を一斉に読み始めたからだ。俺は最大で1度に100冊までなら読むことができる。これは、速読術(そくどくじゅつ)ってやつと、多読術(たどくじゅつ)ってやつの応用で、よく勉強するときの時間を短縮するために使っていたやつだ。書くのは遅いけど、読むだけなら早い自信がある。

リュウが驚愕していたほんの10秒の間に、もはや、1000冊読み終えていた。

魔法が使える分、早く終わりそうだーーーなんてったって、読み終えた本をきちんと整理整頓するところまでが、読書なのだから。

パラパラ……と、文献を当たっていく内に、大まかだが、天野蘚琉の打たれた試作のワクチンの成分が理解できた。

なるほどなるほど……。


「この成分とあの成分だと、幻覚作用とかでるし……それに……ブツブツ」


読書するときに、考え事を全て口に出してしまう癖がある俺は、着々と本を読み進めていった。

打倒パラノイア……打倒天野蘚琉……。

そして、必ず助けるよ、仲間たちーーー。



「ふう……読み終わった……」


俺は少しぐったりしていた。流石に1度に兆レベルの量を読むと、脳がパンクするんじゃないかってくらい、疲れるわ。


「翔琉ママ、どう?どのくらいまで読み終わった?」


と、ぐったりしているところにジンライが紅茶を持ってきてくれた。

俺はジンライに、にこりと笑って。


「全部読み終わったよ♪」


と言った。

その言葉を聞いたジンライはというとーーー。


「えーーーー‼‼まだ、30分しか経ってないよ‼ママ、どんだけ早く読めるんだよ……超人じゃん」

「まあ、超人じゃないけど、天才ではあるよーーー」

「ははっ、流石俺の親だね♪」


俺はジンライが注いでくれた紅茶に、砂糖をガバガバと入れて一気に飲み干した。

もう、ほぼ砂糖を飲んでるくらい甘いのだが、糖質が脳に運ばれるとつかれが和らぐんだよな。

ブドウ糖のお菓子とか、勉強中によく食べてたな……。

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