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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:第6章~帰還した希望と虚言の罠~
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4thステージ48:絶望の夢

あれから、一時間……俺はひたすら魔法を仕掛けた。攻撃系、防御系、回復系、異常状態解除系、拒否系……種類やジャンルだけで言うのならば、ほぼ全ての魔法を使用したのではないだろうか?

それでも、この闇の空間は破ることができなかった。あの、自称全世界の王の最高にして最大の罠……どうやら、俺はまんまと嵌められてしまったようだ。全くといっていいほどの不愉快、そして憤りが沸々と沸き上がるーーーが、しかし今の自分にはこの感情さえも不要とさえ思ってしまうほどに疲弊していた。

この状態ーーーつまりは、究極神魔法の状態でいるのは凄く神経を使うので、精神力とそれにともなって体力の消費も激しい。だが、この魔法を解くと、俺は周りの闇に飲まれてしまうかもしれない……そんな恐怖のせいで、俺はこの燃費が悪い魔法をずっと発動した状態なのだ。


「ぜぇ……ぜぇ……」


息切れも去ることながら、倦怠感が半端じゃないほどある。まるでインフルエンザの重症にしたやつにかかった状態が延々と続いているような気だるさがあるのだった。


「くそぉ……どうして、この空間破れねぇんだよ……アマデウス……」

「なんでだろうねぇ?レネン?」

「ふむ……この空間……真っ暗だね♪」

「「お気楽かよ!」」

「まあまあ……焦ってもなにもできないからねーーーしかし、光さえも飲み込む闇だなんて……ブラックホールみたいだね」

「じゃあ、蒸発させれば消せるのか?」

「まあ、出来ないことはないかもしれないけどーーーあまり、オススメはしないな……こんな密閉空間内で蒸発させるほどのエネルギーを放出したら、外部とのエネルギー差でビッグバンが起きてしまうかもしれないしね」

「「それだけは、やめよう」」


ビッグバンが起こる……すなわち、全世界が終わり、新たな世界を創造する。これはこれで、神様になったような気分になれるだろうが、最後に残るのは孤独感だろうな。

誰にも自慢できない虚しさ……誰もいない悲しさ……それは、どんな痛みよりも深い深い痛みだろうな。



神さえも抗えぬこの闇の空間を、どのように打ち破ればよいのだろうか。もしも、この闇の空間を破ることが出来る人物がいるのならば、是非とも御教授願いたいところだ。


「うぅ……そろそろ、魔法が切れる……」


プツッと、究極神魔法が途切れた。と、同時に俺とアマデウス、そしてレネンが分離した。と言っても、アメーバーのような分裂ではなく、一緒の肉体に入っていたアマデウスとレネンの魂が除霊された如く、身体から飛び出てしまったのだ。


「これは……‼」

「翔琉‼」


そういって、2人は闇に飲み込まれてしまったーーーって、え?


「え?アマデウス?レネン‼」


思わず言葉が出るのが遅くなってしまうほどの鮮やかな神隠しの現場に遭遇してしまった。闇の中に、2人の神は消えていった。嘘だろ……。


「あの2人……いや、神か?って、今はどうでもいい!この黒い空間は、魂さえも飲み込むのか!?まずい……あの2人がいるからこそ究極神魔法が発動できたのに……」


この状況……悪夢かよ。


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