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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
パラノイアクライシス編:第6章~帰還した希望と虚言の罠~
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4thステージ45:巣穴の中の捕食者へ

話数が飛んだいまなお、あの兄妹は抱き合ってるよ。正直見てて辛いんですけど。もう、気持ち悪いなぁ……。


「あー、妹よ……」

「お兄ちゃん……」


長い長い!


「話が進まねぇ……とりあえず、行こうぜ」


と、俺はオールドアのある部屋から出ようとしたが、どんっと、なにかにぶつかった。なんだこれ?


「見えない壁?」


どんどん、と叩くが空間は壁のままだ。ここでエンの嫁であるファイが俺の後ろから思いっきり助走して、空間に向かって飛び蹴りをしたところ、なんとスポンと、空間を飛び抜け近くの柱目掛けて行ってしまった。

そして、ファイの蹴りが柱にぶつかると、見事に粉々に砕け散った。


「痛たたた……あれ?抜け出てる」


キョトンとしている彼女に、夫であるエンは空間を普通にすり抜けて彼女の元へと駆け寄る。

あれあれ?


「なんで、あの2人は抜け出せて、俺は出られないんだ?」

「変ね……あれ?私は抜けられる!」


そう言ったディルに続いて、ヒョウやフィリも普通にすり抜けてしまった。この一定の空間に取り残されたのは、俺とあのバカ兄妹のみだ。


「翔琉だけ?なんで?」

「なあ、ディル……そっちから、こっちへ来られるか?」

「一応やってみる……痛い!」


ゴツンと、彼女は空間に頭をぶつけてしまう。おや?この様子だと、ディルたちは出れるけど戻れない。俺は出られないし戻れないってことか。


「まるで、蟻地獄だな……逆バージョンの……」

「そうよ?蟻地獄よ?」


俺の独り言を返した女は、後ろに立っていた。そして、その後ろには一人の男が生気を失って倒れている。というか、死んでる?


「それはどういう意味だ、天野蘚琉……」

「だから……あなたを捕らえるための罠なんだって……すべてはね」

「はぁ?というか、イミナ……死んでない?」

「ええ……あいつは、今魔力零にかかっているからねぇ」

「魔力零?それって、さっきフルートが言っていた【パラノイア】って化物の能力だろ?」

「ええ……だから、こうして【パラノイア】は今……あなたの前に立っているでしょ?」

「‼」


そういって、天野蘚琉は俺にキスをしようとした。ぶちゅっと、軽々しいものではなく濃厚で溶けてしまいそうなくらいの……大人のキスを。

だが、そのキスの執行される直後ーーー俺の中のアマデウスが強い光を放って天野蘚琉を吹き飛ばした。そして、天野蘚琉はイミナの方へと転がっていった。そして、俺の中からアマデウスは飛び出てきた。


「アマデウス!」

「翔琉……こいつ、ヤバイ……本気でヤバイよ!」

「頭がか?」

「頭もだけど、力がこれまでの敵に比べて段違いに違う!こいつ恐らく……本気のアマギより、10倍は強い……」

「まじかよ……そりゃあ、厄介だな!」

「じゃあ、いっちょいつものやつ……」

「やりますか!」


俺は、もう1人の神を体内から放出した。俺の裏人格の代役を勤めていてくれているレネン。創造の神にして、邪神となった弟を持つ経歴の持ち主だ。

この2人を出したと言うことは、俺は本気モードだ。


「究極神魔法……発動!」


そういって、かつてアマギを倒したときの、あのチートモードへと変身した。この究極神魔法なら、あいつを倒せるかもしれない……普通の神魔法では、恐らく太刀打ちできないと、俺の頭が直感した。


「あはははははははははは♪」


と、言いながらゆらりゆらりと起き上がる彼女ーーー天野蘚琉は不気味に微笑む。そして、次の瞬間ーーー彼女は突然として、獣のように襲いかかってくるのだった。

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