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小さな天災(死傷者1名)、大きなうねり  作者: G-20
第二次世界大戦末期
11/15

第十一話 ポツダムの跡地にて

 1945年7月8日に始まったソ連による宣戦布告無き侵略、それが圧力となって史実通りの期日にポツダム会談が始まります。


 とは言え史実と異なる状況なので既にバチバチしていて、まるで米ソ冷戦の前哨戦を見ているかのようです。

1945年7月17日、ドイツ跡地、ポツダム跡地。

 ベルリン南西にあるかつてポツダムと呼ばれたこの町の残骸は、かつての静けさを失っていた。赤茶けた瓦礫が地面を覆い、焼け残った壁面が不規則に並ぶ。夏の光は強かったが、その光は荒廃を隠すことはできない。風が吹くたびに、崩れた石灰と煤がわずかに舞い上がった。

 その一角、辛うじて原形を留めた建物の内部に、連合国首脳が集っていた。


 アメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマン

 イギリス首相クレメント・アトリー

 ソビエト連邦書記長ヨシフ・スターリン


 長机の上には地図と文書が整然と並べられている。議題はまず、ドイツの後処理であった。

 占領区域の分割。賠償の枠組み。非軍事化の手順。ナチ党の解体と戦犯処理。いずれも既に大筋は固まりつつあり、残るのは文言の調整と細部の確認に過ぎない。議論は淡々と進み、対立はあっても致命的ではなかった。

 アトリー首相が資料に目を落としたまま言う。

「この線引きであれば、行政の引き継ぎは現実的に可能だろう。輸送網の維持も見込める。」


 トルーマン大統領が応じる。

「占領軍の補給についても問題はない。既存の鉄道網を段階的に再開させる。」


 スターリンは短く頷いた。

「ソ連側も同意する。東部の工業施設については、必要な範囲での移設を行う。」


1945年7月20日

 賠償に関する言い回しでいくつかの修正が入ったが、やがて文書は一応の合意に達した。ペンが置かれると同時に、室内の空気がわずかに変わる。


 主題は終わった。しかし本題はこれからだった。

 沈黙を破ったのはスターリンである。

「ドイツの問題は、これで概ね片付いた。」

 低く抑えた声が、机の上を這うように広がる。

「ならば次に進むべきだ。戦後秩序は欧州だけで完結するものではない。極東を含め、全体として決める必要がある。」

 彼はゆっくりと視線を上げた。

「ヤルタではそれができなかった。今ここで決めるべきだ。」


 トルーマン大統領は一瞬だけ目を細める。ヤルタ会談が不発に終わったことは、この場の全員が理解している。決められなかった項目が、そのまま現在の空白になっている。


 そしてその空白は、既に埋められ始めていた。

 スターリンの言葉は、その現実を前提にしている。


 アトリー首相が静かに口を開いた。

「戦後秩序を定めること自体には異論はない。しかし順序の問題がある。」


 トルーマン大統領がそれに続く。

「現在、極東では戦争が継続している。まずはそれを終わらせることが先決だ。」


 スターリンは表情を変えない。

「終戦と戦後秩序は切り離せない。どのように終わらせるかは、その後の構造に直結する。」


「それでも優先順位はある。」

 トルーマン大統領の声は平板だったが、言葉は明確だった。

「戦闘を終結させなければ、いかなる秩序も機能しない。」


 短い沈黙。


 窓の外で、遠く瓦礫を片付ける音がした。乾いた石が擦れる規則的な響きが、かえって室内の静けさを強調する。


 スターリンは机上の地図に視線を落とした。そこには欧州の区分線のほかに、極東の図も重ねられている。満洲、朝鮮半島、日本列島。紙の上の線は簡素だが、現実はすでに動いている。

「現地の状況は刻々と変化している。」

 彼はゆっくりと言う。

「その現実を踏まえなければ、空論に終わる。」


 トルーマン大統領はその言い回しを正確に受け取った。“現地の状況”とは、ソ連軍の進出を指す。言葉は抽象的だが、含意は具体的だった。


「現実を無視するつもりはない。」

 トルーマン大統領は応じる。

「だが、現実に引きずられて方針を決めるわけにもいかない。」


 アトリー首相が静かに頷いた。

「我々にとって最も重要なのは、これ以上の消耗を避けることだ。戦争は既に十分長引いた。」

 その声には、疲労が滲んでいる。勝利国でありながら、余力は乏しい。財政、輸送、人的資源――いずれも限界に近い。


 スターリンはそれを観察するように見た。

「ソ連も消耗していないわけではない。」

 淡々とした口調。

「だが、だからこそ秩序を急ぐ必要がある。空白は混乱を生む。」


 トルーマン大統領はわずかに間を置いた。

「空白を埋める方法について、我々はまだ一致していない。」


「だから議論するのだ。」

 スターリンは即座に返す。

「ここで決めるべきだ。」


 視線が交錯する。いずれも譲る気配はない。

 議題は形式上は同じでも、見ている時間軸が異なっていた。

 スターリンは既に進行している現実を起点にしている。

 トルーマン大統領とアトリー首相は、これ以上の拡大を止めることを優先している。

 同じ地図を見ながら、三者は異なる線を思い描いていた。


 やがてトルーマン大統領が口を開く。

「議論を前に進めるために、まずは対日戦の終結方法について協議すべきだ。」


 アトリー首相が短く同意する。

「それが順当だろう。」


 スターリンはわずかに肩をすくめた。

「順序の問題に過ぎん。だが構わない。」

 許容の形を取りながら、主導権を手放してはいない。議題の転換を認めつつ、その先で巻き返す意図が透けて見える。


 トルーマン大統領はそれを承知の上で続けた。

「日本に対して、いかなる条件で降伏を求めるか。その枠組みを定める必要がある。」

 その一言で対独戦の後処理は終わり、会談は次の段階へと移行した。


 議題が転じると、室内の空気はわずかに引き締まる。

 ドイツの後処理は終わった。残るのは、まだ火が消えていない戦争――極東である。


 トルーマン大統領は資料を一枚めくり、視線を落としたまま言った。

「日本に対して、我々は降伏を促す声明を出すべきだ。」

 簡潔な提案だった。


 アトリー首相はすぐに反応する。

「異論はない。その内容が問題だ。」


 スターリンは腕を組み、沈黙したまま二人を見ている。


 トルーマン大統領は続けた。

「降伏条件について、ここで一定の枠組みを定める必要がある。」


「無条件降伏だろう。」

 スターリンが短く言った。

 言葉は単純だが、その重みは明確だった。議論の出発点をそこに固定しようとする意図がある。


 トルーマン大統領はわずかに視線を上げる。

「原則としてはそうだ。」

 肯定。しかし即座に付け加える。

「ただし、実際にそれで戦争が終わるかどうかは別問題だ。」


 スターリンの眉がわずかに動く。


 アトリー首相が口を挟んだ。

「我々は結果を求めている。理念の純粋さではなく、終結の確実性だ。」


 短い沈黙が落ちる。


 トルーマン大統領は机上の資料に指を置いた。

中国(国民党)の立場について触れておく必要がある。」

 その一言で、室内の視線がわずかに変わった。

「蒋介石は無条件降伏を強く求めている。」


 スターリンが鼻で笑うように言う。

「当然だろう。戦争を正当化するための最も分かりやすい形だ。」


「しかし、それが現実的かどうかは別だ。」

 トルーマン大統領は淡々と返した。

「戦争を終わらせるためには、相手が受け入れ可能な条件を提示する必要がある。」


「妥協か。」

「現実だ。」

 言葉は短く、ぶつかり合う。


 アトリー首相がゆっくりと頷いた。

「我々にとって重要なのは、これ以上の消耗を避けることだ。長引けば、それだけ(かわ)償が増える。」


 トルーマン大統領はそれに続けた。

「時間は我々の味方ではない。」

 その一文には、明確な重みがあった。


 スターリンは無言でそれを受け止める。だが、その意味するところは理解している。


 時間が経てば、前線は動く。

 そして、その動きを誰が主導するかは、すでに決まりつつある。


「では、どのような条件を考えている?」

 スターリンが問いかけた。


 トルーマン大統領は一瞬だけ間を置く。ここから先は、踏み込み過ぎれば国内政治に影響する領域だ。

 だが、曖昧なままでは議論は進まない。


「詳細は詰める必要がある。」

 前置きの上で続ける。

「しかし、無条件降伏という言葉に拘泥するべきではない。重要なのは、迅速な武装解除と戦闘停止だ。」


 スターリンは目を細めた。

「言葉を変えれば、本質も変わるというのか。」


「変えるべきは結果だ。」

 トルーマン大統領は言い切る。

「戦争が終わること。それが最優先だ。」


 アトリー首相が静かに補足する。

「そして、その後の秩序を我々が管理できる形で終わらせることだ。」


 スターリンはその一言にわずかに反応した。

「管理、か。」


 その言葉には含みがある。


 トルーマン大統領はそれを無視するように続けた。

中国(国民党)の意向については、我々が責任を持って調整する。」


 その言い回しは慎重だった。“説得する”とは言わない、だがその意味は明確である。


 スターリンは短く言った。

「中国が同意するとは思えんな。」


「それはこちらで対処する。」

 トルーマン大統領は即答した。


1945年7月22日、会談室の外――別室

 そこでは別の交渉が進められていた。

 アメリカ(かわ)表団の一角に、ひとりの男がいた。

 ジョセフ・グルー国務次官。

 国務次官として長く対日外交に関わってきた彼は、今回の会談において特異な役割を与えられていた。名目上は補佐役だが、実質的には調整役である。

 その彼の前に、中国(国民党)国民政府主席、蒋介石が座っていた。

 正式な会談の席ではない。だが、この場の結論が、外の会談に影響を与えることは明らかだった。


「蒋主席。」

 グルー国務次官は静かに切り出した。

「無条件降伏の原則については理解しています。しかし、現実的にそれが達成可能かどうかは、別の問題です。」


 蒋介石は表情を変えない。

「原則を崩せば、日本に誤ったメッセージを与えることになる。」


「それは承知しています。」

 グルー国務次官は頷く。

「ですが、戦争が長引けば、その間に状況はさらに変化します。」


 蒋介石の視線がわずかに鋭くなる。

「何を言いたい。」


 グルー国務次官は言葉を選んだ。

「現在、北方では大規模な軍事行動(ソ連による侵略)が進行しています。」


 具体的な地名は出さない。しかし、意味は明白だった。


 満洲。


 蒋介石は沈黙した。


「このまま時間が経過すれば、その影響はさらに南へ広が(中国の地がソ連領とな)る可能性があります。」

 グルー国務次官の声は変わらない。

「戦争を早期に終結させることは、日本だけでなく、中国(国民党)にとっても重要です。」


 蒋介石はゆっくりと息を吐いた。

「……条件を緩めろと言うのか。」


「受け入れ可能な形に調整する、と申し上げています。」

 言葉は慎重だが、意図は明確だった。


 蒋介石は机に視線を落としたまま言う。

「それで本当に終わる保証はあるのか。」


「保証はありません。」

 グルー国務次官は即答した。

「しかし、現状を放置すれば、より不利な結果(中国がソ連領)になる可能性は高い。」


 沈黙。


 室内の空気が重く沈む。

 蒋介石は長く目を閉じ、やがてゆっくりと開いた。

「……我々は、既に多くを失っている。」

 低い声だった。

これ以上失う(中国をソ連に引き渡す)わけにはいかない。」


 グルー国務次官は何も言わない。


 蒋介石は顔を上げた。

「条件の調整について、検討する。」

 それは明確な同意ではない。だが拒否でもなかった。


 グルー国務次官は静かに頷いた。

「ありがとうございます。」


 その言葉は短く、しかし重かった。

 別室での交渉は、ひとつの方向に傾きつつあった。

 そしてその結果は、まもなく主会談の場に持ち込まれることになる。



 別室での交渉が一区切りを迎えた頃、主会談の場では沈黙が長く続いていた。


 議題は明確である。

 いかなる条件で日本に降伏を求めるか。

 しかし、その一点において三者の視線は交わらない。


 扉が静かに開き、アメリカ(かわ)表団の一員がトルーマン大統領に短い報告を伝えた。耳打ちのような小さな声だったが、その内容は十分だった。

 トルーマン大統領はわずかに頷く。

 方向は定まった。

「では、具体的な提案に移る。」

 彼はそう切り出した。


 アトリー首相とスターリンが視線を向ける。


「日本に対する降伏条件として、統治機構の一部存置を認める。」

 言葉は簡潔だったが、その意味は重大だった。


 スターリンの目が細くなる。

「具体的には?」


 トルーマン大統領は一拍置いた。

「天皇の地位について、即時の廃止を条件としない。」


 室内の空気が変わる。

 それは事実上、無条件降伏の枠組みからの逸脱だった。


 アトリー首相がわずかに身を乗り出す。

「それで日本が降伏するという保証はあるのか。」

 率直な疑念だった。


 トルーマン大統領は首を横に振る。

「保証はない。

しかし、可能性は高まる。」


 スターリンが低く言う。

「曖昧な条件だ。」


「現実的な条件だ。」

 トルーマン大統領は即座に返す。

「戦争を終わらせるための条件としては、これが最も合理的だと考える。」


 スターリンは机上の地図に視線を落とした。

 満洲から朝鮮へ、そしてさらに南へと伸びる線。

 時間が経てば、それはさらに広がる。

「なぜそこまで急ぐ。」

 静かな問い。


 トルーマン大統領は一瞬だけ言葉を選ぶ。

「これ以上の消耗を避けるためだ。」

 表向きの理由。


 しかしそれだけではないことは、スターリンにも分かっている。


 アトリー首相が口を開いた。

「天皇を残すことが、日本の抵抗を止める鍵になるという見立てか。」


「そうだ。」

 トルーマン大統領は短く答える。

「統治機構を完全に破壊すれば、無秩序が生じる。その結果、戦闘は長引く。」


 アトリー首相は腕を組み、考え込む。

「理屈としては理解できる。」

 だが納得には至っていない。


 そこへ、再び扉が開いた。

 入ってきたのはジョセフ・グルー国務次官だった。

 彼は一礼し、トルーマン大統領の傍に立つ。

「補足を許可願います。」


 トルーマン大統領が軽く頷く。


 グルー国務次官は室内を見渡し、静かに話し始めた。

「日本の政治構造を考えれば、天皇の地位は象徴以上の意味を持っています。」

 その言葉は落ち着いていたが、明確だった。

「これを一挙に排除すれば、統制は崩壊します。結果として、局地的な抵抗が長期化する可能性が高い。」


 アトリー首相が視線を向ける。

「つまり、残した方が早く終わると。」


「その可能性が高いと判断しています。」

 グルー国務次官は答える。


「また――。」

 彼はわずかに言葉を区切った。

中国(国民党)側も、条件の調整について一定の理解を示しました。」


 スターリンの視線が鋭くなる。

「中国が?」


「はい。戦争の早期終結を優先する方向で。」

 それは間接的な同意の提示だった。


 アトリー首相はゆっくりと息を吐いた。

「……なるほど。」

 彼は椅子にもたれ、天井を見上げる。

 イギリス(帝国)にとって重要なのは、戦争を終わらせることだ。条件の厳格さではない。

 やがて視線を戻し、言った。

「完全に納得したわけではないが……」


 一拍置く。


「この案に乗ろう。」

 決断は簡潔だった。


 トルーマン大統領はわずかに頷く。

 これで二対一。

 だが、それで決まる問題ではない。


 スターリンは沈黙していた。

 やがてゆっくりと顔を上げる。

「無条件降伏の原則はどうなる。」

 その問いは根本的だった。


 トルーマン大統領が答える。

「原則は維持する。ただし、解釈に柔軟性を持たせる。」


「言葉遊びだな。」

 スターリンは切り捨てるように言った。

「天皇の存置を認めれば、本質が変わる。」


「本質は結果だ。」

 トルーマン大統領は繰り返す。

「戦争を終わらせること。それが最優先だ。」


 スターリンはしばらく何も言わなかった。


 室内には、わずかな物音すら響く。


 やがて彼は口を開いた。

「ソ連は無条件降伏の原則に従う。」

 短い宣言。

「いかなる例外も認めない。」

 その声に揺らぎはなかった。


 アトリー首相がわずかに眉をひそめる。

「それでは、合意は難しい。」


「合意のために原則を曲げるつもりはない。」

 スターリンは言い切る。


 トルーマン大統領は静かに息を吐いた。

 予想された反応だった。

 スターリンにとって、戦争の長期化は不利益ではない。むしろ、進出の余地を広げる。

 ここで譲る理由はない。


「では、それぞれの立場を踏まえた形で声明を作成する。」

 トルーマン大統領はスターリンの余計な一言を丁重に無視しながらそう結論づけた。


 完全な一致はない。

 だが、前に進める必要がある。


 アトリー首相が頷く。

「現実的な対応だ。」


 スターリンは何も言わない。

 ただ、地図の上に視線を落としたままだった。

 そこに描かれた線は、まだ確定していない。

 しかし、その外側で現実は動き続けている。


 会談は続く。

 文言の調整、表現の選択、含意の操作。

 同じ言葉に、異なる意味が込められていく。


 終戦。


 その二文字の背後で、各国の思惑は最後まで交わらなかった。


 そんな中1945年7月26日、一つの声明(ポツダム宣言)がアメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマン、イギリス首相クレメント・アトリー及び中国(国民党)国民政府主席蒋介石の名前で発表される。


 だがそれは、合意の産物であると同時に、不一致の記録でもあった。

 そしてその曖昧さこそが、次の局面を決定づけることになる。



ポツダム宣言(本作作中版)

 (1) We, the President of the United States, the President of the National Government of the Republic of China and the Prime Minister of Great Britain, representing the hundreds of millions of our countrymen, have conferred and agree that Japan shall be given an opportunity to end this war.


 (2) The prodigious land, sea and air forces of the United States, the British Empire and of China, many times reinforced by their armies and air fleets from the west are poised to strike the final blows upon Japan. This military power is sustained and inspired by the determination of all the Allied nations to prosecute the war against Japan until she ceases to resist.


 (3) The result of the futile and senseless German resistance to the might of the aroused free peoples of the world stands forth in awful clarity as an example to the people of Japan. The might that now converges on Japan is immeasurably greater than that which, when applied to the resisting Nazis, necessarily laid waste to the lands, the industry and the method of life of the whole German people. The full application of our military power, backed by our resolve, will mean the inevitable and complete destruction of the Japanese armed forces and just as inevitably the utter devastation of the Japanese homeland.


 (4) The time has come for Japan to decide whether she will continue to be controlled by those self-willed militaristic advisers whose unintelligent calculations have brought the Empire of Japan to the threshold of annihilation, or whether she will follow the path of reason.


 (5) Following are our terms. We will not deviate from them. There are no alternatives. We shall brook no delay.


 (6) There must be eliminated for all time the authority and influence of those who have deceived and misled the people of Japan into embarking on world conquest, for we insist that a new order of peace, security and justice will be impossible until irresponsible militarism is driven from the world.


 (7) Until such a new order is established and until there is convincing proof that Japan’s war-making power is destroyed, points in Japanese territory to be designated by the Allies shall be occupied to secure the achievement of the basic objectives we are here setting forth.


 (8) The terms of the Cairo Declaration shall be carried out and Japanese sovereignty shall be limited to the islands of Honshu, Hokkaido, Kyushu, Shikoku and such minor islands as we determine.


 (9) The Japanese military forces, after being completely disarmed, shall be permitted to return to their homes with the opportunity to lead peaceful and productive lives.


 (10) We do not intend that the Japanese shall be enslaved as a race or destroyed as a nation, but stern justice shall be meted out to all war criminals, including those who have visited cruelties upon our prisoners. The Japanese government shall remove all obstacles to the revival and strengthening of democratic tendencies among the Japanese people. Freedom of speech, of religion, and of thought, as well as respect for the fundamental human rights shall be established.


 (11) Japan shall be permitted to maintain such industries as will sustain her economy and permit the exaction of just reparations in kind, but not those industries which would enable her to re-arm for war. To this end, access to, as distinguished from control of raw materials shall be permitted. Eventual Japanese participation in world trade relations shall be permitted.


 (12) The occupying forces of the Allies shall be withdrawn from Japan as soon as these objectives have been accomplished and there has been established in accordance with the freely expressed will of the Japanese people a peacefully inclined and responsible government. This may include a constitutional monarchy under the present dynasty if it be shown to the complete satisfaction of the world that such a government will never again aspire to aggression.


 (13) We call upon the Government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all the Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction.

 第十一話になって漸くポツダム宣言発表です。

 これで漸く第二次世界大戦の終わりが見えてきましたね。


 ちなみに、本作におけるポツダム宣言はたった一箇所を除いて、殆ど史実通りの文面で発出されました。

 という訳で、史実での文面を掲示しておきますので違いを探してみてください(パブリックドメインですが、一応URLを載せておきます。)。

参考(史実原文。URL:https://en.wikisource.org/wiki/Potsdam_Declaration)

(1) We, the President of the United States, the President of the National Government of the Republic of China and the Prime Minister of Great Britain, representing the hundreds of millions of our countrymen, have conferred and agree that Japan shall be given an opportunity to end this war.


(2) The prodigious land, sea and air forces of the United States, the British Empire and of China, many times reinforced by their armies and air fleets from the west are poised to strike the final blows upon Japan. This military power is sustained and inspired by the determination of all the Allied nations to prosecute the war against Japan until she ceases to resist.


(3) The result of the futile and senseless German resistance to the might of the aroused free peoples of the world stands forth in awful clarity as an example to the people of Japan. The might that now converges on Japan is immeasurably greater than that which, when applied to the resisting Nazis, necessarily laid waste to the lands, the industry and the method of life of the whole German people. The full application of our military power, backed by our resolve, will mean the inevitable and complete destruction of the Japanese armed forces and just as inevitably the utter devastation of the Japanese homeland.


(4) The time has come for Japan to decide whether she will continue to be controlled by those self-willed militaristic advisers whose unintelligent calculations have brought the Empire of Japan to the threshold of annihilation, or whether she will follow the path of reason.


(5) Following are our terms. We will not deviate from them. There are no alternatives. We shall brook no delay.


(6) There must be eliminated for all time the authority and influence of those who have deceived and misled the people of Japan into embarking on world conquest, for we insist that a new order of peace, security and justice will be impossible until irresponsible militarism is driven from the world.


(7) Until such a new order is established and until there is convincing proof that Japan’s war-making power is destroyed, points in Japanese territory to be designated by the Allies shall be occupied to secure the achievement of the basic objectives we are here setting forth.


(8) The terms of the Cairo Declaration shall be carried out and Japanese sovereignty shall be limited to the islands of Honshu, Hokkaido, Kyushu, Shikoku and such minor islands as we determine.


(9) The Japanese military forces, after being completely disarmed, shall be permitted to return to their homes with the opportunity to lead peaceful and productive lives.


(10) We do not intend that the Japanese shall be enslaved as a race or destroyed as a nation, but stern justice shall be meted out to all war criminals, including those who have visited cruelties upon our prisoners. The Japanese government shall remove all obstacles to the revival and strengthening of democratic tendencies among the Japanese people. Freedom of speech, of religion, and of thought, as well as respect for the fundamental human rights shall be established.


(11) Japan shall be permitted to maintain such industries as will sustain her economy and permit the exaction of just reparations in kind, but not those industries which would enable her to re-arm for war. To this end, access to, as distinguished from control of raw materials shall be permitted. Eventual Japanese participation in world trade relations shall be permitted.


(12) The occupying forces of the Allies shall be withdrawn from Japan as soon as these objectives have been accomplished and there has been established in accordance with the freely expressed will of the Japanese people a peacefully inclined and responsible government.


(13) We call upon the Government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all the Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction.


参考(外務省訳。URL:https://ja.wikisource.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%A0%E5%AE%A3%E8%A8%80)

一 吾等合衆國大統領、中華民國政府主席及「グレート、ブリテン」國總理大臣ハ吾等ノ數億ノ國民ヲ代表シ協議ノ上日本國ニ對シ今次ノ戰爭ヲ終結スルノ機會ヲ與フルコトニ意見一致セリ


二 合衆國、英帝國及中華民國ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自國ノ陸軍及空軍ニ依ル數倍ノ増強ヲ受ケ日本國ニ對シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本國ガ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同國ニ對シ戰爭ヲ遂行スル一切ノ聯合國ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ


三 蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ對スル「ドイツ」國ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本國國民ニ對スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本國ニ對シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ對シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」國人民ノ土地産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廢ニ歸セシメタル力ニ比シ測リ知レザル程度ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本國軍隊ノ不可避且完全ナル壞滅ヲ意味スベク又同様必然的ニ日本國本土ノ完全ナル破滅ヲ意味スベシ


四 無分別ナル打算ニ依リ日本帝國ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍國主義的助言者ニ依リ日本國ガ引續キ統御セラルベキカ又ハ理性ノ經路ヲ日本國ガ履ムベキカヲ日本國ガ決定スベキ時期ハ到來セリ


五 吾等ノ條件ハ左ノ如シ 吾等ハ右條件ヨリ離脱スルコトナカルベシ右ニ代ル條件存在セズ吾等ハ遲延ヲ認ムルヲ得ズ


六 吾等ハ無責任ナル軍國主義ガ世界ヨリ驅逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序ガ生ジ得ザルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本國國民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ擧ニ出ヅルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ權力及勢力ハ永久ニ除去セラレザルベカラズ


七 右ノ如キ新秩序ガ建設セラレ且日本國ノ戰爭遂行能力ガ破砕セラレタルコトノ確證アルニ至ル迄ハ聯合國ノ指定スベキ日本國領域内ノ諸地點ハ吾等ノ玆ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スル爲占領セラルベシ


八 「カイロ」宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ


九 日本國軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復歸シ平和的且生産的ノ生活ヲ營ムノ機會ヲ得シメラルベシ


十 吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ國民トシテ滅亡セシメントスルノ意圖ヲ有スルモノニ非ザルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戰爭犯罪人ニ對シテハ嚴重ナル処罰ヲ加ヘラルベシ日本國政府ハ日本國國民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ對スル一切ノ障礙ヲ除去スベシ言論、宗敎及思想ノ自由竝ニ基本的人權ノ尊重ハ確立セラルベシ


十一 日本國ハ其ノ經濟ヲ支持シ且公正ナル實物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルガ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルベシ但シ日本國ヲシテ戰爭ノ爲再軍備ヲ爲スコトヲ得シムルガ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラズ右目的ノ爲原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ區別ス)ヲ許可サルベシ日本國ハ將來世界貿易関係ヘノ參加ヲ許サルベシ


十二 前記諸目的ガ達成セラレ且日本國國民ノ自由ニ表明セル意思ニ從ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府ガ樹立セラルルニ於テハ聯合國ノ占領軍ハ直ニ日本國ヨリ撤収セラルベシ


十三 吾等ハ日本國政府ガ直ニ全日本國軍隊ノ無條件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適當且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ對シ要求ス 右以外ノ日本國ノ選擇ハ迅速且完全ナル壞滅アルノミトス

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