ミッション VS 東波学園 ③
グリ相手に飛ばしたウインクにべべが羨ましがってうるさい。
(あいつ、よく見てんのな。)
そんな事より。
外に飛び出した俺たちは、左手で盛大にやってる戦闘を横目に本館に駆け込んだ。
ミラーレスネットでも音は防げない。
(さすがにあの爆音は誤魔化しようがないな。)
付近に民家がなくても、そろそろ警察が出動してくるか。
「それまでにボスを確保!」
"ラジャー"べべとグリが返事した。
目指すは本館4階、講堂だ。
本館に入った途端、銃弾の雨が降った。
転がって避けつつ撃ち返す。
手前の食堂からナイフを持って飛び出して来た兵士を捕まえ銃弾の盾にする。悪いな。
身体中に仲間の弾丸を受け、とっくに事切れているヤツを盾に撃ち返す。
(俺の相棒SIG P320は今日も絶好調。)
その間にべべとグリは食堂で暴れてる。がんばれー。
階段を上がろうとする俺を狙ってくるヤツらに向かって煙幕弾を投げ込んだ。
(咳き込んでる咳き込んでる。)
この煙幕弾は体育館で使った通り強力な催涙弾とのミックスした特製品。
(こればかりは訓練してようと避けられないぜ。ゴーグルがなけりゃな。)
と、階段を駆け上がり突撃した。
手には銃から持ち替えたナイフ。
接近戦はナイフだぜとばかりに斬りつける。
ザコは、出来るだけ致命傷じゃなく動けなくするのが俺の流儀。
こいつらただの兵隊だからね。早く田舎に帰んなって思う。家族、いるんだろ、な?
倒して倒して4階、講堂入口。
手前に2人、なかなかガタイの良いのが待ってた。
立ち姿からして今までのザコとは格が違う。ふたりかー。
さて、どうすっかな、と思ったところにお待たせとばかりべべが飛び込んで来た。
(お前、おもしれー。)
べべお気に入りの買ったばかりのカーゴパンツが、既にところどころ切り裂かれ血で汚れてる。あーあ。
(なのにそのテンションな。なんでそんなに嬉々としてるかな。)
俺はバタフライナイフだが、クラヴマガの他にカリもやってるべべはカランビットナイフ。
このカーブした形状が、腕の長いべべのリーチを更に延ばし、大男とも対等に闘う。
俺?俺は接近戦なんてしたくないよ、できるなら。
だって顔怪我すんの嫌じゃん?なんて言ってる暇はなく相手が突進して来た。
こいつの動き。俺を捕まえての頭突きが待ってた。
(ラウェイか!)
全力で身体をひねり、間一髪で直撃は免れたが、頭の左上部を掠った。
(やっばー、くらくらする、これヤバいやつ。)
直撃してたら死んでたね、俺。
ラウェイとはミャンマーの国技でもある「世界一、過激」とも謳われる格闘技のこと。
これ死へまっしぐらの頭突き技があるんだ。
べべを見ると、べべの相手はキックボクサー。
超接近戦。相手はキッカーだ。間合いに入らせてもれえないか。
カランビットナイフでは相手の至近距離に飛び込めないと、べべがやや不利かも。
こちらを見向きもせず集中しているが、べべも体術は俺のがヤバいと思ってそうでムカつく。
悪いが世界ランク11位は伊達じゃないんだぜ。
見てろよ。




