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BABY BOMB!!  作者: 未芹


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15/22

現在 理由

「それって、バブは日本にいられるの?アメリカに戻んなきゃならないの?」

思わず話に食いついた。

 食後のガンがガムを口に放り込む。何年も前に禁煙してからの習慣だ。

「それは今回のミッション次第、かな。」

なんだか歯切れが悪い。

「まずべべが聞きたいのは、大吾のレクチャーの件よね。」

シノブさんがガンの隣に座りながら話を修正した。

 これは、この話は終わりだという事。きっと今聞いても、これ以上の話は出来ないんだろう。

 一応、承知した振りをするけど、気持ちはざわざわしたままだ。

バブが帰国できるかできないかは、私にとって大問題だから。

 でも仕方ない。私も軌道修正。

「その件はバブが戻ってから話そう。」ガンがべべの気持ちを見透かしたように言い添えてくれた。


 今度こそ納得する。

「それでどうしてバブが大吾の?」

まず、とガンが話し始めた。

「バブはべべの野外での技術を買ってたよ。」

それなら、と言うのを我慢して次の言葉を待つ。

 レクチャーは、言葉が悪いが洗脳のような側面あるから。

自分が今までしてきた事を、こんな風に伝えるのは辛いと思う。

 でもそれは。

「でもそれは、私達みんなわかってるから。」

話を遮ってしまう。ガンに後悔して欲しくない。


 5歳の子供が。

自分は戦うための兵器になるなどと、受け入れるべきじゃない。そんな事はわかっている。

でも、私達はそういう風に生まれついたのだ。

そういう、子供を売るような実の親を持ってしまったのだから、仕方ない。

 そして、同じように戦う子供は世界中にいる。

そういう世界に生きている。

 だけど、不幸じゃないよ。ここには家族がいるから。

べべはそう言って、ガンの目を見た。5歳の自分が生き延びる為に、命と、技術と、希望を与えてくれたガンに、感謝していると伝える。

 だから、今、生きてるんだよ、お父さん。


「そう言ってくれて、ありがとう。」ガンが吸い込んだ息を静かに吐く。テーブルの上に乗せた手を見ていた。

 代わりに大きく深呼吸したシノブさんが言った。

「でも、バブはべべにはさせたくなかったの。べべが負い目を持って生きていくなんてダメだって。自分がやるって言ったのよ、あの子。」

 そして、必ず大吾が生きて戻って来れるように、生きる力を伝えるってアメリカから電話してきたの。

 いつの間にか親代わりみたいになっちゃってねぇ、と笑う。

ホントはシノブさんも複雑なんだろうなと思いながら、バブの気持ちを推し量った。


 去年、初動訓練で命を落とした子供がいた。

出発までの7ヶ月を一緒に過ごした。まだ仮の名だった。

「ちゃんと名前も呼んであげられない。」握った拳を震わせたガンの心の中はもっと震えていたんだと思う。

 その連絡が来た日。みんな言葉を交わす事もなく、各自の部屋に戻りその子の魂の為に静かに祈った。


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