143 打ち明け
ミオ「今日は2月22日」
GM「猫の日ですね」
ミオ「投稿時間も2時22分だよ。にゃんにゃんにゃん」
GM「あざとい」
ダンジョンに突入する直前にジェード君が目を覚ました。わたしはジェード君とのリンクが強まったのを感じ取ったから、ジェード君が目を覚ます前に背負ったバッグの中からジェード君を出して地面に置いておいたんだよね。そうしたらジェード君の目が覚めた気配がした。もちろん、言うことは決まってる。
「あ、おはようジェード君。やっと目が覚めた? 結構心配したんだよ。もう大丈夫かな?」
「……ええ、すみません。むしろ以前より調子がいいくらいで」
問いかけにちゃんと応えてくれたジェード君に安心する。どうやら問題はなかったようだ。大丈夫っぽいとはなんとなく分かってたんだけど、それでも随分長いこと意識がなかったから心配してたんだよね。
「まぁ、とりあえず、おかえり。ジェード君」
「はい、ただいま戻りました。マスター」
と、そんなやりとりをしているとちゃらい盾使い――ヨウカ君が驚いた声を上げた。
「えっ、スライムが喋ってる!?」
見ればリー君と参謀君も驚いている。この二人は単に声が出ないほど驚いていたみたい。
そっか、普通スライムは……っていうか魔物は喋らないもんね。喋れるくらいレベルの高い魔物に会ってたら星風旅団のみんなじゃやられちゃうか。
「あー、ちょっと待ってね。ジェード君、人型になるの待っててね。説明するからとりあえずダンジョンの中はいっちゃおう。あんまり人に聞かれたくないんだ」
始まりの街でジェード君が白い目で見られたことはまだよく覚えてる。ここはダンジョンの入り口で結構周りに人がいるし、知られたら食事処に入りにくくなったりしそうだからね。
わたしはとりあえずジェード君を鞄の中に戻して、みんなを連れてダンジョンの中に入る。そして、地下1Fへの道を外れて脇にある小部屋に入る。
”神眼”で見た限りここらへんに人はいない。多分もう地上に近い階層は攻略しつくされちゃってるからだろうね。
「さて、じゃあジェード君の紹介します。黒の旋風のみんなは知ってたよね? こちらスライムのジェード君です」
「どうも、ジェードです」
ジェード君はそう言いながらスライム形態から人間形態になる。
星風旅団の3人はそれはもう驚いたようだった。ちなみに黒の旋風の皆にはジェード君もオニキスもハウ君も実は魔物だってことは以前に打ち明けている。相当驚かれたけど付き合っていった中で魔物でも人間と遜色ない付き合いができることを知ってか、関係は良好。
「はー、驚きました。え、スライムって人間になれるんですか?」
「いやリー、突っ込むのはソコじゃねーだろ! え、襲ってきたりしないよな? な?」
どこかとぼけた質問をするリー君と、若干焦って思わずと言った様子で盾を構えるヨウカ君。まぁ実際ジェード君が襲う気になったら一瞬でやられちゃうからヨウカ君のその判断は正しいんだけど。なかなかどうして状況判断がキチンとできる人みたい。多分高度な変身能力を持つジェード君を見てパッとレベルが高いことに思い至ったんだろうね。ちゃらちゃらしててアホっぽい言動も目立つけど、その実しっかりしてるのかな。
一方、この二人と違って面白い反応をしたのは参謀君だ。
「……ん、翡翠? ジェードとオニキスとハウライト。――もしかして?」
おー、名前だけでわかるんだ。まぁ宝石の名前って関連があればわかってもおかしくないよね。
「うん、それでいくとオニキスはグリフォン。ハウ君はラットだね」
わたしが目くばせするとオニキスとハウ君も元の姿に戻ってくれる。ちなみに、わたしがこんなにぽんぽんと教えるのは彼らがプレイヤーだから。グリフィンナイツのみんなや、月夜の黒猫団のみんなに教えた感じ、プレイヤーがどう反応するのかはわかっている。みんなだいたい好反応。魔物ってだけで拒否反応を示すこの世界の人みたいなことはなかった。だからプレイヤーには教えても大丈夫だと思ってる。
「で、わたしがみんなの主人のミオです。改めてよろしく。よかったらそっちもジェード君に自己紹介して?」
「あ、は、はいっ。僕は☆リィ☆リゥ☆と……」
星風旅団のみんながジェード君に自己紹介をする。うん、やっぱりジェード君や、魔物だとわかったオニキスたちにも拒否反応はないね。よかったよかった。
「それでジェード君、ジェード君が寝てる間に黒の旋風のみんなと、星風旅団のみんなと一緒にここ、クリスト大迷宮の攻略するんだって話になってね……」
「(な、なぁ、やっぱりすげーなこの人たち!)」
「(いやほんとびっくりだね。こうなると参謀の言ってたミオさん真祖の吸血鬼説もあながちありえなくもないね)」
「(でも3人が宝石の名前なのにミオさんだけ違うのが気になる)」
「(あれじゃね、上下関係がわかりやすいように、みたいな)」
「(真祖の吸血鬼なら魔物の中でも上位だろうしそうかもね)」
「(なるほど)」
「(真名は別だったりしてな!)」
「(それありそう!)」
「(実は貴族で長い名前とか希望……!)」
わたしがジェード君へと事の成り行きを説明している間、星風旅団のみんなはなんだか随分盛り上がってた。なんの話してたんだろう。
「あ、そうだ。みんなに紹介したい子がもう一人いるんだ。黒の旋風のみんなもはじめましてかな? ルビー」
呼びかけるとハウ君の服の中からぽこっとルビーが顔を出した。
「はい、おかあさん」
「「「「「「「!」」」」」」」
みんなが一斉に驚いたのを感じる。まぁ竜ってこの世界だとかなり珍しいみたいだしね。加えて黒の旋風のみんなはファスザールにパーティーを壊滅させられてるからトラウマみたいなものだし、プレイヤーの星風旅団は現実から来たわけで竜なんて見たことないだろうし。
「こちらドラゴンのルビー。まだ子供だね。はいルビー挨拶して」
「はい、ルビーはルビーです。よろしくおねがいします」
みんなは口々に挨拶をする。動揺は抜けてないけど仕方ないかな。
「今回はこのルビーの育成のためにダンジョンに来たようなものだからね。無茶はしないし、みんなもゆっくりレベルあげたらいいんじゃないかな」
お久しぶりです(1話ぶり2度目)。
特に忙しかったわけでもないのですが、なんとなく気が抜けて投稿してませんでした。申し訳ないです。セッション12まではシナリオ組んでダイスも振ってあるので、早いところ書き起こして投稿してしまいたいですね。
しかし北海道在住の私、明後日から一週間九州に行ってきます(おい)
気長にお待ちください…………
ちなみに猫の日ですが、アメリカでは10月29日、ロシアは3月1日らしいです。世界猫の日は8月8日。今日は我が家の猫と存分に戯れたい。




