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閑話「大好きな兄さんと結婚するためには――兄さん観察日記」

ふぉおおお!!

お気に入り100超え!ありがとうございます!

感謝のしるしといってはなんですが、折角なので前回登場エルヴィス君の日記を公開したいとおもいます。


楽しんでいただければ幸いですv



某月某日

 ははうえにおしえてもらった「にっき」というものをはじめようとおもう。

 ははうえは「エルのひみつやエルのすきなもののことをかいたりすればいいのよ」といっていたので、ぼくはこれから、だいすきなアルヴィンにいさんのことをかくことにする。




某月某日

 きょうはぼくの7さいのたんじょうびだ。ははうえとちちうえからはあたらしいほんをいくつかもらった。ぼくはにばんめだけど、このくにのためになるはたらきをするために、たくさんべんきょうしなければいけないのだという。

 にいさんからはきれいなたんけんをもらった。あかいきれいないしがうめこまれていて、とてもすてきなものだ。にいさんは「おまもり」だといっていた。うれしい。にいさんからもらったものはぜんぶぼくの「たからもの」だ。この「おまもり」も、あとでちゃんとたからばこにいれておかなきゃ。

 やっぱりにいさんはやさしいなとおもった。



 

某月某日

 にいさんは「がくいん」にかよっているらしい。

 ぼくももうすぐいくことになるそうだけど、さいきんにいさんといっしょにいられなくてさびしい。にいさんはレナードとかいうやつといっしょに「がくいん」にいってるときいて、ちょっとかなしくなった。にいさんはぼくのこときらいなのかな。レナードとかいうやつのほうがすきなのかな。レナードずるい。ぼくもはやく「がくいん」にいきたい。






某月某日

 今日でぼくも「がくいん」のせいとのなかまいり。ようやく8さいだ。

 兄さんはにゅうがくいわいにと、あかのネクタイをくれた。うれしい。まい日でもつけていきたい。けど、まんがいちよごれでもつけてしまってはいけないので(ぼくにかぎってそんなことはぜったいにないけど)、しけんの日とかたいせつな日につけていくようにしよう。

 そういえばはじめてレナードを見たけど、そこまで兄さんとなかがよさそうにも見えなかった。なんでも、レナードは兄さんのごえいのやくめがあるらしく、それをとったらただの「ゆうじん」だという。兄さんにひつよういじょうにちかづかないところはひょうかできる。あんしんした。




某月某日

 先日レナードのことを安心とかいていたけど、これは本当だった。

 兄さんは「学いん」で主せきをとっており(ぼくの兄さんならあたりまえだろう)、女子せいとに人気がある。きぞくのむすめたちは兄さんにこびをうってくるのでうっとおしく、ぼくがきってやろうかと思ったところで、レナードがていよくあしらっていた。あいつはできる。しょうらい、兄さんの良い「こま」になってくれそうだ。



某月某日

 兄さんとレナードが学院を卒業した。兄さんは当然のごとく主席、レナードは兄さんに比べれば全くだけど、平均で見ればなかなか良かったと思う。まあ兄さんには遠く及ばない。雲泥の差だ。

 兄さんが学院からさってしまうのはさみしいが、王宮でいつでもあえるからよしとしよう。あと貴族の女がうっとおしい。おどしてもすりよってくるなら、いっそ斬ってやろうか。



某月某日

 「魔王」が現れた。場所は王宮からも王都からも遠い田舎らしいが、父上はなにやら難しい顔をしていた。諸説によれば「魔王」には意思がなく、それゆえに次はいつ、どこに出現するのか分からない。今は世界でも魔術師が減り、しかも魔力はそれ以上に急減しているのだから、一昔前までは消滅できたものも今では衰退させることすら難しい。全く、魔術師達は軟弱だ。

 必死に止めたけど兄さんは視察にいってしまった。「魔王」に触れれば徐々に肉体が腐敗してしまう。兄さんが無事でいることを願う。兄さん、絶対帰ってきて。



某月某日

 父上が「勇者召喚」をすると宣言した。

 簡単に言えば異世界から魔力の高い人間を拉致してくるというものだ。「魔王」が消滅できるなど夢のような話だが、果たして勇者はそんなに聖者なのか?

 兄さんは瘴気に当てられてしまい、視察から帰ってきてからずっとベッドの中だ。毎日お見舞いは欠かさず行っているけど、顔色が良くなる様子はない。心配だ。このままの状態が進んだら、僕は医者を斬ってしまいそうだ…兄さん、早く目を覚まして…!




某月某日

 兄さんが目を覚ましたらしい。

 お見舞いに行くにあたって、どうせならインパクトのあるお見舞いを…。小さい頃、兄さんが女の子の格好した僕を「可愛い」といってくれたことを思い出し、着てみた。

 元々母上似の女顔だったこともあって、自分でも結構似合っている気がした。そのまま兄さんに会いに行ってみたら、兄さんがとてつもなく引いた顔をした。やめようかと思ったけど、そんな兄さんの顔がとてもおもしろかったので続けようと思う。




某月某日

 ふと思ったのだが、女装を女装でなくすれば…つまり僕が女になれば、兄さんの傍にずっといられるのではないか。

 魔術師に性転換の術を研究させよう。そうしよう!




(二冊目に続く)


こうしてエルヴィスは女装少年になったのであった。


(学院は8歳から16歳までです)

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