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幻想のグリモアール  作者: ふたばみつき
第8話 学園編~school Life~
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第九十四頁 アイライン

 彼女、アイラインは類い希なる魔術の才を持つ女性であった。魔術の自在に操る腕は随一であった。しかし、彼女の最も特質すべき能力は召喚術であった。


 その時代、界変戦争と呼ばれる大きな争いがあった。   

 勢力は、魔界に潜む魔物と、人間界に住む人間。その間で大きな大きな争いがあったらしい。。


 世界が目茶苦茶と言うより、世界が歪んだらしい。

 ここ、いまいち意味がわからない。


 魔物の中でも、超常的な強さと魔力を持つ六竜と呼ばれる存在がおり。この六竜がその力で自然も、空間も、時空も、目茶苦茶にしてしまったらしい。


 初めは、魔界と人間界。両者の領土? と言うか、世界の奪い合いだったらしいが。六竜の所為で世界は歪み、異界成るものが産まれてしまったとのこと……


 異界はその存在事態が異質で、魔界も人間界もまとめて呑み込み異界へと変質させてしまった。


 この際に双方に大きな被害があり、壊滅状態に陥った。


 アイラインは自らの召喚術を行使し。六竜の全てを配下とし。その力を使い異界を閉じた。

 しかし、その際に変質した世界は戻ることなく、魔界と人間界の掛けた世界同士は崩壊の兆しを見せた。

 魔術師達はこれを防ぐ為、二つの世界を合わせ、掛けた部分を補い、一つの世界に変えた。


 それが、現在の世界。

 

 やがて、六竜を失った魔界は急速に力を失い。影へと消えていった。現在の魔物、魔獣達の祖先である。


 そして、世界を一つに纏めたのが我々人間である。


「と言うのが、ざっと三千年前の話だ」

「さ、さ・ん・ぜ・ん・ね・ん!!」


 昔話の様に語っていた、オーク先生の言葉に私は驚愕の声を挙げてしまった。


 ビックリする程、昔の話だ。

 そして、アイラインさん。ほぼ女神の立ち回り。


 そんで、私は一体何者ですか!?


「まあ、アイラインはそんな役割を果たしたらしい。他にも沢山の魔術師がそれに関わり、その流派を今に続けていると言うのが我ら学園と言う訳だ」

「は、はぁ……」


 凄いお話だこと……

 そんで、この本にはその召喚術の基礎が記されていると……


「ま、まあ…… 取り敢えず、読んでみます」

「うむ、しっかり読むといい……」


☆★☆


 かなりこの本は古い。素材はぶっちゃけ和紙的な物だと思う。羊皮とかではない。所々に繊維のような物が見える。

 まあ、これが本当に繊維なのか、和紙なのかもわからないけど……


 でも、和紙って保存できて精々千年とかでしょ。

 確か、羊皮紙とかはもっと短い……


 となると、これが三千年前の情報を丸っと正確に残してるとは考えずらいな。少なくも、三度程の写本を経ていると考えた方がいい。

 その間に、政治的な理由等で内容が書き換えられたりしている、と言う懸念は持っておいた方がいいだろう。

 責めて、魔術の手解きについての改編や誤写が無いことを祈るばかりだ。まあ、そこは天下の学園だ、抜かりないだろう。


 先ずは初めは、オーク先生が話していた歴史について。そして、次が召喚術の応用技術。


 これは、普通に有用な情報が沢山書き込まれている。


 例えば、自分…… この場合は術者と行った方が良いだろう。術者よりも魔力が多い魔物を召喚獣とする場合。事前に魔力を消耗させることにより、契約の成功率が上がるとか……


 これはポ○モンと同じ理論。


 ただ、この場合。召喚獣の全ての能力を使うことは難しく。一部だけを召喚することで支配下に置く必要があるらしい。


 下手に召喚してしまうと、暴走してしまうとのこと。


 こちらから魔力の供給を絞る方法だと、相手の能力次第では魔力を吸い取られてしまう恐れがあるらしい。


 最悪、死に至るとのこと……


 私は今まで、余程運が良かったんだろうな。皆、私のことをある程度認めて召喚獣になってくれたから、そうはならなかったが、下手したら死んでたかもしれなかったんだ。


 本当に皆、今まで私に力を貸してくれてありがとう。未熟なバカ女だけど、これからもよろしくね。

 

 あのユニコーンも呼ぶ時が来たら、気を付けなくちゃ。


 他にも、色々書かれてる。例えば、契約の方法について。

 私がよくやっていたのが魔物と心を通わせて、契約する方法。これはしっかり心を通わせ、契約を結べば一番安全だけど、一番難しい方法となってる。


 基本、魔物と心を通わせるのが無理みたい。

 そうなのか? と感じけど、どうやらそうらしい。


 普通は自分の魔力を“何か”相手に縛る物に変換して、相手の魔力を根こそぎ奪って封印するのが普通らしい。この“何か”とは拘束能力の有る物なら何でも良いらしい。


 鎖とか、糸とか、檻とか何でも良いらしい。

 それで魔物を封印する。私だと本に封印する様になっている。

 しかし、普通は自分の魔力の中、と言うか身体の中、と言うか。何かそう言う感じらしい。ここよくわからん。

 ううむ、基本は理解できるけど、よくわからん所もあったりするな。


「どうだアイラ?」

「うわぁぁ!! ビックリしたぁ!!」


 見るとオークが私の顔を覗いてきた

 あぁ、ああぁぁ…… オークかと思ったら、オーク先生だった。ビックリしたぁ……

 

 え、え? て、て言うか。

 オーク先生、ずっといたの? 

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