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Kissから始まる魔法学園  作者: 栗間屋 ラヒ
第4章 Kissから始まる決闘
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第80話「暑苦しい男」

もうすでに夏休みに入った。

なので、季節は真夏真っ盛りだ。

なので、外はすごーく暑い。

ホント、溶けそうなくらいに。


だが、オレは、いや、オレたちは闘技場にきていた。

なぜなら、夏休み中に魔法学園競技大会夏の部をやるからだ。

だから、もちろん、オレたちは擬似魔法戦争の選手として呼ばれている。

なので、本当は家から出ずに、涼しい部屋でくつろいでいたいのだが、高尾さんに呼ばれてきていた。


こんなにも暑いのによくやるなぁ、と思う。






そして、全員が集合し、特訓が始まる直前、とある男が入ってきた。

和服姿で長い黒髪を後ろで束ねている男だ。

だが、なぜかどこかで見たことがあるような気がする。


「おぉい、神谷慧って野郎はどいつだぁぁぁあ!!?」


男がどういった人物かを、思い出そうとしていると、男は叫ぶ。

その叫びを聞く限り、非常に暑苦しそうな男だ。


なぜ、こんな暑苦しそうな男がウチの学校にいるんだ?

見たかんじ、教師じゃねーだろ。




だが、問題点はそこではない。


問題点はオレの名前を呼んでいたこと。

この一点に尽きる。


なぜ、オレの名を呼んでいるんだ?

こんな暑苦しい知り合いはオレの記憶にはいなかったはずだ。




まぁ、こうしていてもあの音の機嫌が悪くなっていきそうなので、とりあえず返事をして男のところへ歩いていく。

すると、


「お前が、神谷慧かぁあ?」


オレに向かって訊いてくる。

オレは、先ほどと同じような返事を返した。


「じゃあ、ついてこぉおい!」


そして、オレは手を引かれるがまま、連れて行かれる。





そして、オレが辿り着いたのは理事長室だった。

男はノックもせずに扉を開き、中へ入っていく。

そして、中へいる男に向かって話しかける。


「よぉ、爺さん!コイツがあんたの孫なんだってなぁあ?」


「あぁ、その通りだ。そいつがオレの自慢の孫、慧だ。いい男に育ったろ?」


「そうかぁあ?俺にはヒョロヒョロのモヤシにしか見えねぇぞぉお!?」


「まったく、ひどいな、君は。そして、とても暑苦しい。」


「おぉおう。ありがとよぉおう。」


「いや、褒めてねぇから。」


と、こんな感じで中にいる男、神谷宗一郎と話している。

もちろん、暑苦しい男を知らないオレは傍観者だ。


「まぁいい。本題に入ろう。」


そう言って、爺さんは切り出した。


「おぉう。コイツを鍛え上げて俺の娘に相応しい男にするって話かぁあ!?」


それに男が返事をするが、


「えっ?」


反応したのは今まで傍観者だったオレだった。

待て待て。

オレはそんな話聞いてないぞ。

鍛え上げるってなんだ!?

俺の娘に相応しい男にするってなんだ!?


そんな頭にハテナマークを浮かべているオレに爺さんが話しかけてくる。


「あれ?話してなかったっけか?お前は夏休み中、この男に鍛え上げられるから。」


「いや、聞いてねぇから。」


「そっか。でも、決まったことだから。今から支度してこい。」


「いや、でも、」


「すべては夏休みが終わってから聞いてやる。行ってこい!」


オレの言葉を遮って爺さんが話す。

そして、オレは暑苦しい男に連れていかれた。

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