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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
69/106

異世界バスツアー69「癒しの世界」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 ファンキーなツアーにやってきたクレームと真摯に真面目に向き合った結果、ストレスでダウンしてた新経営陣。

 その後、回復した新経営陣が新会社に行くと、魔王のご両親が企画した普通の旅行に対するクレームが紙飛行機になって散らばっている。

 クレームに従ってもクレームが来ているのを見て、新経営陣はクレームを気にするのをやめることにした。

 まあでも最後にクレームに書いてあることを旅行にしちゃおうかな、と思って一番離れた所にある紙飛行機を開いてみた。


「誰が旅行をしろといった」


 とりあえず、現地集合現地解散のツアーを開催してやっぱりクレームが来るのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 心機一転して元気になった新経営陣のもとに、入院していた旧経営陣が退院してきた。

 入院中の様々なアクシデントをユーモアを交えて語る旧経営陣。

 旧経営陣の「回復魔法があればいいのなー」という発言に、それだ! と閃く新経営陣。

 ここに始まるのは疲れた人々に捧げる癒しの観光旅行。刮目せよ。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、ほぼ満席の乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「これより当バスは癒しの世界に参ります」


 バスガイドの言葉に、大半の乗客たちはぐったりとした様子で力なく「お~」とか言っている。

 座席の背もたれに体をあずけている2列目の乗客が、どろりと濁った眼をしばしばさせながら「そこに行ったら……疲れとか……取れます……?」とかなり疲れてそうな様子で尋ねた。


「はい、癒しの世界は回復魔法が高度に発達した世界で、大抵の状態異常は治癒させることができます」


 2列目の乗客は「ぐー」と安心した声を出している。

 目の下にうっすらとクマができている5列目の乗客が「最近よく眠れないんだけど、どうにかなる?」とけだるげに尋ねた。


「はい、癒しの世界では睡眠も治療することができます」


 5列目の乗客は「それなら助かる~」と間延びした声で言っている。

 常連の乗客が「なんかよくわからんが、猛烈に悪い予感がするのう」と呟いた。

 冷たい目をした最前列の乗客は「その世界では睡眠も状態異常あつかいなのですか」と抑揚のない声で質問している。


「えーと、資料によるとそうです」


 最前列の乗客が「その世界においての状態異常をいくつか教えてください」と質問した。

 バスガイドは、冊子になっている資料をめくりながら答える。


「はい、ええと、当地における状態異常として代表的なのは、睡眠、食事、発情、生命、あと」


 常連の乗客が「はい中止」と言いながら、敬語を詠唱破棄したクレームと中止要請を直電。

 大半の乗客が安らかに眠る中、バスは出発地点に向かって転進するのであった。

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