表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
46/106

異世界バスツアー46「悪役令嬢世界その3」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 失敗した前回ツアーについて原因を分析した結果、事前のリサーチが足りないのではないかという結論になった。

 そこで次回はカジュアルに脱獄してくるお勤め中の旧経営陣に、あらかじめ調査に行ってもらうように依頼することにして解決策とした。

 そして次回ツアーも手堅い企画をたてようと、魔王のご両親に最近の流行をリサーチしたら、悪役令嬢が流行っているという。

 さっそく該当する世界に旧経営陣が脱獄して調査に向かい、並行してバスツアーのプランを練っていた。

 悪役令嬢のクライマックスのひとつは婚約破棄だよね、ということでそのタイミングで現地を訪問できるように調整しようとするが、なかなかタイミングが合わない。

 そんな中、頭上に電球みたいなのがピコーンと光った旧経営陣が、いいこと思いついた! あとは任せろ! と走り出したのだった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 婚約破棄ぴったりのタイミングに合わせるため、あいさつひとつに100年かかる樹木知生体の世界に観光旅行ツアーに行ったら乗客の寿命的に待ちきれず失敗。

 失敗を分析してみたところ、タイミングだけ見ていて全体のことを失念していたのが原因という結果が出た。

 しかし、全体の期間を人類の尺度にあわせると婚約破棄のタイミングに合わせるのが難しく、婚約破棄のタイミングにあわせるのが容易な案件にするとイベントの期間が一般的な人類の寿命を超えてしまうという矛盾に悩まされる。

 そこへジェンガに挑戦していた魔王のご両親が、逆に考えましょう、と言いながら、棒を差し込んでジェンガを崩壊させていた。

 それっぽい言葉に影響された、なんとなく逆に考えた企画が始まる。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、半分ほど席を埋めている乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「これより当バスは悪役令嬢世界に参ります」


 バスガイドの言葉に、乗客たちは「お、おう……」とどこか冷めた反応を返す。

 最前列の乗客が「あの、今回はちゃんと人間なんですよね?」という質問をした。


「はい、前回は大変申し訳ありませんでした。今回はそのようなことがないよう留意してまいります」


 微妙にずれた返答に、最前列の乗客は「お、おう」とか言っている。

 2列目の乗客が「今回も婚約破棄を見るのですか?」と普通の質問をした。


「いえ、今回は悪役令嬢の生涯をご覧なっていただく予定です」


 よくわからない回答に、2列目の乗客は「お、おう」と言っている。

 常連の乗客が「なんか悪い予感がするのう」と呟いた。


「それでは皆様、悪役令嬢世界です!」


 テンション高めのバスガイドに対し、お、おう……という感じの乗客を乗せたバスはトンネルに入り、そして抜けた。


「皆様、ご覧ください! 悪役令嬢の最後です!」


 何言ってんのコイツ、という顔の乗客たちが窓の外を見ると、老女がベッドの上で目を閉じている。

 頭の上に「?」という文字が浮かんでいそうな乗客たち。


「続きましては孫に会う悪役令嬢です!」


 ベッドに寝ていた老女が、早戻し映像のように起き上がり、後ろ向きで歩いてドアから出ていき、後方に後ろ歩きしながら部屋に入って小さい男の子を抱き上げている。

 3列目の乗客が「あの、私たちは何を見ているんですか?」という核心的な質問をした。


「はい、ここは時間の流れが私達とは逆、かつ少し早い世界となっております」


 何言ってんのコイツ、という顔の乗客たちが窓の外からバスガイドに視線を移すと、なんかちっちゃくなっている。

 最前列の乗客が呆然としながら「あの、その姿はいったい……?」と尋ねた。


「私ですか? ……あっ、この世界の時間の流れに引っ張られているようですね」


 見る見るうちに服がぶかぶかになるバスガイド。

 慌てて乗客たちが自分の体を見ると、やっぱり服がぶかぶかになっていて大パニック。

 非常事態に慣れている常連の乗客が、だいぶ小さくなった手で苦情を入れようとスマホを出したらガラケーになっていた。


「そうはならんやろ!」


 そうは言うものの、そうなっていたので懐かしのガラケーで苦情を入れると共に、今すぐ帰るように大抗議。

 なんとか言葉が喋れるうちに帰還することに成功。

 若返っていた乗客とバスガイド、乗合馬車になっていたバスは元の世界に帰ることで元に戻るのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ