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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
44/106

異世界バスツアー44「ファンタジーMMO世界」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 いつものように捕まって刑務所にUターンした旧経営陣。

 納得している新経営陣と、陣中見舞いをどうするか考えている魔王のご両親。

 陣中見舞い代わりに、バスツアーを成功させて会社が発展した姿を見せようということになった。

 さっそく情熱的な企画会議が始まり、熟睡的な進行ののち、邪悪なアイデアがご両親の脳にフラッシュ。

 刑務所に観光旅行しましょう、というアイデアが匠の手により流刑世界にグレードアップ。

 とりあえず、流刑世界で強制労働体験ツアーを実行しようとして即終了するのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 獄中の旧経営陣に送るエールは案の定失敗した。

 くじけない、あきらめない、さらにしぶとい新経営陣は次のツアーについて早くも考えている。

 最近は失敗続きなのもあり、やはりここは手堅いプランで行こうという方向性になった。

 参考にと魔王のご両親に最近の流行を聞いてみたら、俺Tueeeとかチートスキルとか言っている。

 とりあえずそういう方向性でプランを考えるのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、満席の乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「これより当バスはファンタジーMMO世界に参ります」


 乗客たちが「おおー」と楽しそうな声を上げる。

 最前列の乗客が「あの、私、タンクをやりたいんですが」と遠慮がちに質問していた。


「はい、スキルと装備はこちらで準備してあります。詳しくはパンフレットをお読みください」


 最前列の乗客がうれしそうな顔でパンフレットを手に取った。

 2列目の乗客が「僕は魔法アタッカーやりたい!」と元気よく話している。


「魔法の簡易契約についてもパンフレットにありますので、よくお読みになって契約をお願いします」


 2列目の乗客はワクワクしながらパンフレットをめくりだした。

 常連の乗客は「いつの間にこんなに成長して……」とか言いながらハンカチで目元を拭っている。

 バスガイドは、ふわふわした雰囲気の乗客たちを見回したあと、マイクに向かって声を出した。


「それでは皆様、ファンタジーMMO世界に参ります!」


 乗客たちの期待を乗せてトンネルに入ったバスは、乗客たちの希望と共にトンネルを抜けた。


「皆様、到着いたしました。まずはラストダンジョン近くの村で休憩の後、装備を配布いたします」


 キラキラした目の乗客たちが窓の外を見ると真っ暗だった。

 夜かな? と思って空を見ても月も星もない真っ暗。

 あれ? と思って地面を見ても何もない真っ暗。

 常連の乗客が「しまった、フラグたててしもうたか……?」とか言っている。


「はい、はい……着いたら何もなくて……はい」


 バスガイドは無線機に向かって何かを話している。

 乗客たちが固唾を飲んで見守る中、バスガイドの通信が終わった。


「えーと、モンスターを某ゲームから丸パクリしてたのがバレて、ついさっきサービス終了したそうです」


 乗客大がっかり。

 失意の乗客を乗せたバスは、元の世界に戻ろうとしたが地面が無いのでタイヤが空回り。

 しょうがないので、バスに繋いでいたLANケーブルを引っ張ってもらって元の世界に帰還するのであった。

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