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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
38/106

異世界バスツアー38「サプライズ企画」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 しばらく休眠状態でもしかたないと思った執行猶予中の新経営陣だったが、脱獄してきた旧経営陣に活を入れられてうっかり目覚めてしまう。

 しかし、いろいろとやりたくても両経営陣ともに表立っては動きづらい。

 そこで自分たちの思うままに動いてくれる傀儡を立てることにした。

 そういう要望に合致する人物を探した結果、この世界に転生してきた魔王のご両親に白羽の矢が命中。

 軽く勧誘してみたら即快諾されて経営陣少し困惑。

 とりあえず表向き代表者が決定したので、新会社が始動するのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 新会社の新体制で最初のツアーということで、魔王のご両親こと新社長の意向を取り入れてみたらピンク色の幻想になってツアー中止。

 やはり我々じゃないとダメだな、とこれまでほとんどのツアーが中止だった実績を棚に上げて、ドヤ顔で言ってる新旧経営陣。

 ならば新人にお手本を見せなければ、という想いを胸に企画会議に没頭する新旧経営陣。

 そんな間にも、また思いつき企画を生産するフリーダムご両親。

 新会社の明日はどちらだ。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、虚ろな目で歩いている客に向けて拡声器で喋っている。

 客たちはどこか納得しがたい表情をしながら二列で歩いたり、代り映えのしない風景をぼんやり眺めながら歩いたりしていた。


「皆様、右手をご覧ください。花壇です。綺麗です」


 知らない家の花壇を見ながらトボトボとあるく客たち。

 前方を歩いている客が「あの、バスツアーって書いてあったのですが……」というもっともな質問をバスガイドにぶつけた。


「はい、今回はサプライズバスツアーとなっております」


 笑顔のバスガイドの返答に、前方の客は「は、はあ……」と力なく呟いた。

 常連の客が疲れた声で「意味わからんけどサプライズって言ったらダメじゃろ……」と指摘している。


「皆様、左手をご覧ください。散歩中の犬です。かわいいです」


 道路の反対側で、すれ違うように知らない人が犬の散歩をしながら歩いている。

 客たちが次々と会釈をするので、知らない人は何事かという感じで隊列を見ていた。

 歩き続ける客たちの顔に疲労の色が濃くなっている。

 その様子を見ていたバスガイドは、小さくうなずくと客たちの背後を指さした。


「皆様、ご覧ください! 皆様を徒歩から救うサプライズです!」


 客たちがだるそうに振り返って背後を見ると、いつものバスが加速しながらこちらに近づいているのが見えた。

 サプライズバスは客たちの横で停止して、プシューという音と共に扉が開く。

 バスガイドが拡声器に向かって声を上げた。


「皆様、お疲れさまでした! バスにたどり着くまでのツアー、略してバスツアー終了です!」


 疲れた顔をした客たちは「ああ、そう……」みたいに薄く呟いている。

 そのあと来たクレームも「勘弁してくれない?」と弱々しかった。



 一方その頃、新旧経営陣の企画会議は盛り上がっていた。


「バス5台が変形合体して巨大ロボになるとかどうですか!」

「イイね! 採用!」

「巨大ゴーレムと戦わせましょう!」

「それも採用!」


 会社倒産まであと5日前後。

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