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未来日記  作者: 秋華(秋山 華道)
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4/22

ゆずの契約者と住まい

今日は朝っぱらから騒がしい。

昨日友達ができたからって、みかん、騒ぎすぎ。

この声も別に近所に聞こえているわけではないから、近所迷惑にはならないけど、俺迷惑だ。

ゆずも、みかんほどではないにしても、かなりはしゃいでいる。

まあ、話を聞いたところによると、みかんよりも早い時期から、地球にいたらしい。

どこから来たのかは、全くわからないけど。

まだ、あの萌え系芸能人が言ってるコリン星の方が信じられる。

みかん達の話によれば、宇宙は無限にあって、それは宇宙の中に存在する。

俺の体の細胞の一つ一つにも宇宙があるとか。

でまあ、地球に住む誰かの中の宇宙から来たらしいんだけど、理解もできないのに、信じられるかっての。

それでもこの二人の存在を、普通に受け入れてるんだけどね。

 みかん「へぇー!犬の中の宇宙から来たんだ。」

 ゆず「そうなんだ。結構田舎の宇宙だけど、気楽で良いよ。」

意味がわからない。

つーか五月蠅い。

 宗司「はぁ~」

俺はため息がでた。

朝から幸せが一つ逃げてしまっただろが。

俺は仕方なく布団からでた。

今日はもう、これ以上眠れないだろう。

 みかん「あれ?宗司今日は起きるのが早いのさ。」

 ゆず「宗司さん、おはようです。もしかして起こしちゃった?」

うーん。

やっぱりみかんを捨てて、ゆずに乗り換えた方が、俺の為ではなかろうか。

 みかん「あー!また宗司がひどいこと考えてるー!うわーん!」

 宗司「あっ!大丈夫だって。考えてるだけで実行しないから。」

 みかん「わーん!やっぱり考えてるんだぁー!」

てか、この可愛いのを捨てられるわけないだろが。

全く・・・

 みかん「あ・・・可愛い?てへへ・・・」

てか、本当に心読まれてるな。

しかも100%だ。

まあ別に読まれて困る思考はないけど。

 宗司「よし、それじゃ、せっかく早起きしたし、朝飯食いにいくぞ!」

俺は自室を出て、居間に向かった。

居間に入ると、両親が朝の食事をしていた。

 母上「どうしたの宗司、こんなに早く起きて。飯なんか用意してないよ。」

 父上「かあさん、それは可哀相だろう。パンの耳くらいやったらどうだ?」

 母上「甘やかしたらダメなの。息子がニートだなんて、私恥ずかしくて言えない・・・」

 父上「確かにな。よし、自立してもらうために、今日から小遣いも無しだ!」

 母上「良い考えね。じゃあそのお金で、私に何か買って。」

 父上「よしよし、うまい棒か、チロルチョコか、それともチュッパチャップスか?」

 母上「ああん。うれしいーーー!!」

俺は、無言で居間から出た。

もうこの家には、俺の居場所はないのだと悟った。

自室に戻った俺は、ひとまず空腹は我慢して、今日もノートを使う事にした。

 みかん「ねね、今日は何書くのさ?」

 ゆず「いいなぁー。私も早くご主人様を見つけたい。」

 宗司「うん。それだ!なあみかん、1ページに二つ同時に書く事は可能か?」

俺は今日かなえたい事が二つある。

無理なら一つは明日でも良いのだけれど、善意と欲望を同時に書いた方が、叶いやすそうだから。

 みかん「書けるよ。でも、話の流れに無理があったりしたら、うまくいかないよ。」

 宗司「そっか。」

俺はみかんの返事を聞いて、ノートに未来日記を書き始めた。

まずはページの真ん中に、「ゆずのご主人様が見つかった。良かった。」と。

 ゆず「うわぁ。あ、ありがとう。」

ゆずの目に少し光るものがあった。

俺は続けてページの最後に未来を記す。

「ココが俺の新たな生活の場所だ。両親の元を離れて生活するのははじめてだけど、頑張って生きてゆこう。」

そう書いた。

 みかん「ココから出たいの?」

みかんがあどけない顔で聞いてきた。

 宗司「別にココが嫌なわけじゃないけど、両親にずっと迷惑かけられないからな。」

 ゆず「おお、えらいです!自立するわけだね。」

 みかん「朝飯食わせてもらえなかったから、すねてるだけだけどね。」

心読むのやめてよね。

ノートを見ると、今日の日記が書き上がってゆく。

果たして、うまくいきそうな物が書かれるのだろうか。

書き上がった。

「俺は家に戻るつもりはなかった。だからなるべく遠くに行こう、そう思って駅を目指す。名残惜しむように街を見て歩く。歩いていて気がついた。

 俺は働かないと独り立ちできないのではと。なら、住み込みで働ける所を探そう。キョロキョロとしながら歩いていると、死の交差点に来た。

 ココは、見通しが悪くてよく事故がおきる交差点だ。そんな事を考えていたら、うしろから何かがぶつかってきた。俺は前方、道路へと飛ばされた。

 ココは道路の真ん中で、車がすぐ近くまで来ていた。気がついたら、俺はどこかの部屋で寝ていた。横には心配そうに俺をみる女の子。

 ゆずがその女の子の肩に座っていた。ああ、ゆずのご主人様が見つかった。良かった。」

ふむ。

なかなか凄い展開だな。

俺はこれからあの交差点に行って、何かにぶつけられて道路に放り出され、車にひかれると。

おいおい、そんな事知ってて、そのとうりにするのって、メチャクチャ怖くないか?

死なないとわかっていても、ジェットコースターが怖いような感じ?

いや、それ以上にこわいだろう。

つーか、絶対痛いだろうし。

とりあえず続きを読もう。

「安心して、再び俺は眠りにつく。目が覚めた時、既に外は暗くなっているようだった。部屋の明かりがまぶしい。つーかシャンデリア?やたら高そうなやつ。

 俺が体を起こすと、みかんが俺の胸の辺りから、膝の上に落ちた。良かったーなんていって泣いていた。どうやら心配してくれていたようだ。ちょっと嬉しい。

 少し落ち着き、部屋を見渡した。なんだかやけに豪華な部屋だ。部屋にさっき見た女の子が入ってきた。話を聞くと、どうやら俺は、車にはねられたらしい。

 この子がぶつかって来たのが原因だ。女の子は、俺の事を命の恩人だといった。俺にぶつからなかったら、死んでたと。そして是非お礼がしたいと。

 ココにおいてほしいって言ったら、あっさり了解された。ココが俺の新たな生活の場所だ。両親の元を離れて生活するのははじめてだけど、頑張って生きてゆこう。」

ほう。

二つがつながる形でうまく達成されている。

いや、かなり強引だけど。

割と簡単な感じがするけど、こんなんで本当に住まわせてもらえるのだろうか?

辛いのはやはり車にひかれる事か。

怖いよー!

まあそうも言ってられないので、俺は必要な物を持って家を出た。

車にひかれるから、壊れそうな物はもたない。

ためていた少しのお金とか財布とか。

携帯電話は置いていくか。

親に、解約するように書いて、机の上に置いておいた。

さて、家をでるのだから、なるべく遠くに行こう。

だからまあとりあえず駅だな。

持ってる金で、何処までいけるか・・・

って、俺なんでこんな事考えているんだ?

死の交差点に行けば良いだけなのに。

とにかく向かう。

 みかん「大丈夫か?ギリギリで怖くなって逃げると予想するのだ。」

 ゆず「うー、でも頑張ってひかれてほしいです。」

なんだ?

なんか車にひかれて欲しいって、微妙にやな感じがするんですけど。

しかし、ホントにこの景色を見る事はもうないのだろうか?

なんだか名残惜しい。

つーか、住まわしてくれるってなってるけど、やっぱ働かないとな。

日記で見たところ金持ちそうだったから、お手伝いとかでやとってくれねぇかな。

さてそろそろなのかな?

俺はキョロキョロと周りを見る。

なんか微妙に日記と違うけど、誤差内なのだろうか。

さあいよいよ、死の交差点だ。

 誰か女の声「遅刻、遅刻ですぅ~!」

ん?

誰か後ろから・・・

ドン!

 宗司「うわぁ!!」

俺はゴロゴロ転がって、道路に体を横たえた。

キーーーーーーーっ!!!ドン!

死ぬほどいてぇ・・・意識がとぎれた。


夢なのだろうか。

少しだけ目が覚めた。

まだ意識はもうろうとしている。

しかし、俺の目には確かに見えた。

俺より少し歳下だろうか、高校の制服を着た女の子と、その肩に座るゆず。

良かった。

見つかったんだ。

ココまでは順調だな。

俺は再び眠りについた。


俺は目が覚めた。

どこだかわからない部屋。

シャンデリアがやたらまぶしい。

どうやらもう夜のようだ。

俺は目を半分だけ開けて、体を起こした。

 宗司「ん?」

みかんが布団の上で寝ていたようで、コロコロところがって、俺の股間の辺りで止まった。

んー、微妙。

 みかん「あー!宗司ー!生きてたーー!!良かったよ~!」

みかんが涙を流しながら、俺の股間の上で飛び跳ねる。

布団の上からとはいえ、ちょっと痛いって言うか、気持ちが良いんですが。

 宗司「まあまあ、落ち着けみかん。これは日記どおりじゃないか。」

俺はこのまま飛び跳ねられるのもやばいので、みかんを捕まえた。

 みかん「そだけど、やっぱり怖かったのさ。」

ホントに心配してくれてたんだな。

嬉しい。

しかし、それよりもココは何処だろう。

部屋はやけに豪華な部屋だな。

入り口を見た時、さっきみた女の子が、部屋に入ってきた。

肩にはゆずが乗っている。

服はさっき見た制服ではなく、既に私服に着替えていた。

 女の子「あっ!目がさめましたかぁ~?良かったですぅ~」

そういって駆け寄ってきた女の子。

あっ!

 女の子「ぴあ!」

転けた・・・

ドジッ子?

この子に突き飛ばされたのか。

 宗司「大丈夫?」

俺はベットから降りて、手を差し出す。

 宗司「って、いててて」

頭がやたら痛い。

頭を触ると、包帯と包帯ネットで固められていた。

・・・

 女の子「ああ、だめですぅ~!さっき、さっき、車にはねられた時、血が噴水のように噴き出してたんだからぁ~!ひっく・・・」

女の子が泣いていた。

どうやら相当やばい状態だったんじゃないだろうか?

いくらこのノートの力といえど、車にはねられたら普通やばいもんな。

 宗司「ああ、大丈夫だから泣かないで。えっと・・・」

名前知らなかった。

 宗司「俺、尾北宗司って言うんだ。君の名前は?」

女の子が俯いていた顔を上げて俺を見る。

泣いた後の上目遣い。

これはやばいだろ。

反則って言うか可愛い。

この子、ちゃんとみたら、メチャクチャ可愛い子じゃないか。

 女の子「宗司さんですよね。知ってますぅ~!屋上の尾北ですぅ~!わーん!」

また泣き出した。

ってか、屋上の尾北って何?

あっ!そう言えば、さっきちょっとだけ見た制服、あれ、俺の卒業した高校の制服じゃん。

て事は、知っててもおかしくないけど、俺はしらんぞ?

とりあえず、泣きやむのを待った。

 華「河崎華です。命を助けてくれてありがとうですぅ~。もしあそこに宗司さんがいなかったら、私死んでました。」

 宗司「ああ、華ちゃんって言うんだ。でも、俺は別に何もしてないし、命助けた訳じゃなから。」

あれ?

ココはそうだと言って、見返りを求めなくちゃいけないんだっけ?

 華「そんな事ありません。それに、少なくとも私のせいで、怪我させてしまったのですぅ~。」

 宗司「まあ、そうだけど。」

 華「だから、お礼とお詫びになにかしたいのですがぁ~?」

 宗司「えっ?いや、そんな、大丈夫だよ。」

やべ。

つい普通に対応しちまった。

本当はココで、ココに住まわせてくれって言わないといけないのに。

 華「では、何かできるまで、ココにいてほしいですぅ~。」

・・・

 宗司「ココに住んで良いって事?」

 華「そうなるんじゃないかなぁ~?」

何で疑問系やねん。

でもこれで、二つの望みが叶ったって事だよな。

 宗司「あれ?ゆずはどうなったんだ?」

華の肩にすわるゆずに話しかけた。

 ゆず「ええ?私がみえるの?もう華と契約成立したのに?」

 華「契約して、ノート頂いちゃいましたぁ~」

華は嬉しそうに、名前入りのショボイノートを俺に見せた。

 みかん「先に出会ったから、干渉制限がかからなかったのかも。」

俺の手の中にいたみかんが、顔を出した。

 華「あら可愛い。宗司さんが車にひかれた時にいた、魔女ッ子さんですねぇ~」

 宗司「えっ?華ちゃん、これが見えるのか?」

俺はみかんをつまんで、華ちゃんの目の前にかざした。

 みかん「われぇー!なんたる扱いしてくさるんじゃあ!」

 華「そんな言葉使いは、女の子がしちゃ駄目だよぉ~」

どうやら、見えているし、聞こえているようだ。

出会いと契約のタイミング。

それによっては、ノートを持つ者同士の干渉が可能らしい。

まあ全てはうまくいって良かった。

痛くて大怪我したけどな。

俺はこの後、とにかく腹が減ったので、飯を食わせて貰った。

部屋に運ばれてくる、超豪華料理を。

華ちゃんて、メッチャお嬢様みたいね。

食事の後、俺は別室へと案内された。

どうやらさっき寝ていたのは、華ちゃんのベットだったらしい。

そう考えると、少し名残惜しい。

 宗司「もう少し寝ておくんだった。」

 みかん「どうしてさ?さっきのベットのが良かったのだ?」

・・・

考えるな。

考えたら読まれる。

りんぴょうとうしゃかいちんれつざいぜんりんぴょうとうしゃかいちんれつざいぜんりんぴょうとうしゃかいちんれつざいぜん・・・

 みかん「ブーブー」

案内された部屋は、至れり尽くせりの部屋だった。

今日から、俺の新たな生活が始まるんだ。

頑張ろう。

俺は思った。

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