第204話「イランに首相はいません!~最高指導者と大統領と革命防衛隊っちゅう三つの権力が重なる国と、高市首相が3回電話した話~」
マリコ:(フラッシュカードを手に登場、一枚一枚めくりながら)大統領……最高指導者……革命防衛隊……
サチコ:なんや、一人でぶつぶつ言いながら登場してきて。試験勉強か。
マリコ:試験やない。ニュースを読んでたら知らない言葉が出てきすぎてわからんようになったから、整理してんねん。
サチコ:何のニュースや。
マリコ:高市首相がイランの大統領に電話したっちゅうニュースや。今年に入って3回目らしい。
サチコ:ああ、それは本当のことで、今日の朝にもニュースが出てたで。
マリコ:高市首相がペゼシュキアン大統領に「できるだけ早く合意してほしい」「ホルムズ海峡を開けてほしい」っちゅう電話をした、っちゅうことは分かった。でも何を聞いてるのかが分からへん。
サチコ:「ホルムズ海峡を開けてほしい」は分かったんやな。
マリコ:分かった。でも「電話した相手のペゼシュキアン大統領っちゅうのは、本当にホルムズ海峡を開ける権限がある人間なのか」っちゅうことが分からへんのや。
サチコ:それは今日の話のど真ん中やな。
マリコ:「権限がある人に電話してんのかどうか」を確認してからでないと、今日の漫才に集中でけへんで。
サチコ:珍しく本質的な疑問を持ってきたな。では順番に整理しよか。まずイランには首相がおるかおらんか、知ってるか。
マリコ:首相か……日本でいう総理大臣みたいな役職やんな。大統領とは別に。
サチコ:そうや。ほな、おるかおらんか言うてみい。
マリコ:えっと……お、おる?
サチコ:おらん。
マリコ:おらんのかーい!
サチコ:1989年にイランの憲法が改正されて、首相っちゅう役職が廃止された。
マリコ:廃止!制度ごとなくなったんか。じゃあ大統領だけがトップっちゅうことか。
サチコ:いや、大統領の上にいる人間がいる。
マリコ:大統領の上!?誰や!?
サチコ:最高指導者。
マリコ:最高指導者!なんか漫画の悪役みたいな名前やんか。
サチコ:正式にはラフバルっちゅうペルシャ語で「指導者」っちゅう意味やな。1979年のイラン革命で成立した体制の核心部分で、「イスラム法を理解した宗教指導者が国家を監督すべきだ」っちゅう思想に基づいとんねん。
マリコ:「宗教指導者が国家のトップ」っちゅうことか。じゃあ最高指導者は選挙で選ばれるんやな。
サチコ:選挙では選ばれない。
マリコ:え!選挙で選ばれへんのか!
サチコ:86人の宗教的な専門家からなる「専門家会議」っちゅう組織が選出すんねん。
マリコ:86人の専門家が選ぶのか。さすがにその86人は選挙で選ばれるんやろ。
サチコ:選挙で選ばれる。ただし立候補できる人は監督者評議会っちゅう別の機関が事前に審査する。
マリコ:審査!「選挙の前に審査がある」っちゅうことか。だれが審査するんや。
サチコ:監督者評議会は12人のメンバーで、そのうち6人を最高指導者が任命する。
マリコ:最高指導者が審査機関のメンバーを選ぶんか!「最高指導者が候補者を選ぶ機関のメンバーを選ぶ、その機関が専門家会議の候補者を審査する、その専門家会議が最高指導者を選ぶ」っちゅう……これなんか輪になってへんか。
サチコ:鋭いな。なってるで。
マリコ:「最高指導者が自分の後継者選考に影響する機関を実質的にコントロールしてる」っちゅうことか。
サチコ:そういう構造やな。
マリコ:ほな大統領はどうやって選ばれるんや。
サチコ:大統領は国民が直接選挙で選ぶ。
マリコ:それは民主主義やんか。
サチコ:ただし立候補できる人は、やっぱり監督者評議会が事前に審査して許可した人だけや。
マリコ:出た!また審査や!「国民が投票するけど、選べる候補者はあらかじめ決まってる」っちゅうことか。
サチコ:「民主主義的な手続きと、宗教的な監督が同時に存在する体制」っちゅう言い方が近いな。
マリコ:「自由選挙だけど選択肢が選ばれている」っちゅうのは、なんか……「メニューがあるレストランやけど、食べていいのはシェフが選んだものだけ」みたいな話やんな。
サチコ:その例えは案外的確やな。ほな現在の大統領、ペゼシュキアンさんについて話すで。
マリコ:ペゼシュキアン大統領は「改革派」と言われてるんやな。
サチコ:そうや。心臓外科の医師出身で、2024年7月に大統領に就任した。イラン国内では「改革派」「穏健派」に分類される。
マリコ:「心臓外科医が大統領になった」っちゅうのはすごいな。
サチコ:そして今年の6月1日、つまり今日の朝に3回目の電話が高市首相からかかってきた。
マリコ:3回目!どんな内容やったんや。
サチコ:高市首相が「イランに最大限の柔軟性を発揮してほしい」「できるだけ早く合意してほしい」「ホルムズ海峡を全ての国の船舶が自由に安全に通れるようにしてほしい」と伝えた。
マリコ:3回の電話、全部同じことを頼んでるやんか。
サチコ:そうやな。「お願い」の内容は大体同じで、「ホルムズを開けてください」っちゅうのが基本や。
マリコ:「同じことを3回頼む」っちゅうのは、「1回では効果がなかった」っちゅうことか。
サチコ:そこが日本外交の苦しいところで、「何度でも言い続けることに意味がある」っちゅう姿勢で動いてる。
マリコ:ペゼシュキアン大統領は何と答えたんや。
サチコ:「日本の船舶が通れるよう、スムーズに通行できるよう努力する」って言わはった。
マリコ:「努力する」か。「開ける」ではなく「努力する」っちゅうのが微妙なニュアンスやな。
サチコ:しかも今日の電話でイラン側から別の要求も出てきた。
マリコ:どんな要求や。
サチコ:「日本の銀行に凍結されているイランの資産を解放してほしい。医薬品や医療機器を買うために使いたい」っちゅう話が出た。
マリコ:えっ、日本の銀行にイランのお金が凍結されてんのん!?
サチコ:国際制裁の影響で、イランが持ってる外貨が様々な国の銀行で動かせない状態になっとる。日本にもその一部がある。イランからすると「そのお金を薬の購入に使わせてくれ」っちゅうことや。
マリコ:「ホルムズを開けてあげるから、凍結しているお金を使わせてくれ」っちゅう交換条件が生まれとるわけか。
サチコ:「お互いに何かを持ってる」っちゅう状況が外交の基盤になってる、っちゅうことや。
マリコ:「日本はホルムズが開いてほしい、イランは凍結資産を動かしたい」っちゅう利害の一致か。これは交渉が成立しやすそうな構造やな。
サチコ:ただし本当に難しい問題がここから出てくるんや。
マリコ:何が難しいんや。
サチコ:ペゼシュキアン大統領は「努力する」と言った。でも本当にホルムズ海峡を開けられるのは大統領なのか、っちゅう問題がある。
マリコ:ああ、さっきの「最高指導者が上にいる」っちゅう話に戻ってくるわけやな。
サチコ:しかも2026年に入って、最高指導者の状況が大きく変わった。
マリコ:どう変わったんや。
サチコ:これまでの最高指導者はアリー・ハメネイっちゅう人物やったんやけど、2026年2月28日の米国とイスラエルによる大規模空爆で亡くなった。
マリコ:亡くなった!最高指導者が空爆で!
サチコ:それを受けて後継者選びが行われた。
マリコ:それで誰が選ばれたんや。
サチコ:ハメネイの息子さんや、モジタバ・ハメネイさん。
マリコ:息子!「最高指導者が息子に引き継いだ」っちゅうことか!
サチコ:そうや。イスラム共和国史上初めての、父から息子への「世襲的継承」や。
マリコ:「イスラム共和国で世襲継承」っちゅうのは……なんか矛盾した言葉やんな。「共和国」っちゅうのは王様がいない体制のことやろ。
サチコ:そこが今のイランの複雑さで、「革命によって王制を倒した国が、最高指導者の世襲に近い継承を行った」っちゅう事態が起きとる。
マリコ:「王を倒した革命が、王的な世襲を生んだ」っちゅう皮肉やな。
サチコ:しかもモジタバ・ハメネイはほとんど公の場に出てきたことがなく、「どんな人物か分からない」と言われてんねん。
マリコ:公の場に出てへん人物が最高指導者になってるのか!
サチコ:負傷説や病気説も出てる。実務はイスラム革命防衛隊の将軍たちに委任してると見られている、っちゅう分析が専門家から出とる。
マリコ:「最高指導者がいるけど実務は革命防衛隊」っちゅうことか。ここで革命防衛隊っちゅうのが出てきた。これは何や。
サチコ:ここが今日の話の三層目やな。イランの権力構造を理解するには「最高指導者と大統領」だけじゃ不十分で、「イスラム革命防衛隊」っちゅう組織を加えて三層で考える必要がある。
マリコ:「最高指導者」「大統領」「革命防衛隊」の三つか。
サチコ:革命防衛隊は1979年の革命で生まれた特別な軍事組織で、通常の軍隊とは別に存在すんねん。軍事だけじゃなくて、情報機関、ミサイル開発、地域の代理勢力への支援、さらに巨大な経済利権まで持ってんねん。
マリコ:「軍隊が経済まで持ってる」のか!それは普通の国の軍隊とは全然違うな。
サチコ:研究者の中には「革命防衛隊は国の中の国だ」っちゅう表現をする人がおる。経済、情報、軍事、外交の全分野に影響力がある組織やからな。
マリコ:「国の中にもう一つの国がある」っちゅうことか。ってことは実際のホルムズ海峡の管理は誰がしてるんや。
サチコ:現場を実際に管理してるのはやっぱり革命防衛隊海軍の部隊や。
マリコ:っちゅうことは、高市首相が「ホルムズを開けてほしい」と頼んだ相手のペゼシュキアン大統領は、実際にホルムズを管理してる革命防衛隊にどこまで指示できるのか、っちゅう問題になるわけか。
サチコ:そこが「大統領との対話は重要だが、それがイランの最終意思決定そのものではない」っちゅう限界や。
マリコ:「電話した相手が窓口ではあるけど、実際の決定権者ではない可能性がある」っちゅうことやな。
サチコ:かつての分析では「大統領は運転手、最高指導者は目的地を決める人」っちゅう比喩があったけど、今は「運転手(大統領)と車の所有者(最高指導者)がいて、その車庫を管理してる別の勢力(革命防衛隊)がいる」っちゅう三層構造っちゅう言い方が近い。
マリコ:「車庫を管理してる人が、最終的に車が動くかどうかを決める」っちゅうことか!これは……「宅配業者に荷物を頼んだら、実際に届けるのは下請けの別の業者だった」みたいな話やな。
サチコ:外交っちゅう意味では、「正規の窓口(大統領)と話しても、現場を動かす組織(革命防衛隊)が必ずしも連動するわけではない」っちゅう複雑さが常にある。
マリコ:では「3回電話した」っちゅうのは、「3回電話しても効果がない」っちゅうことになるんか。
サチコ:そうとは言い切れへんねん。4月30日の2回目の電話の後、実際に出光興産の子会社が管理するタンカー1隻がホルムズ海峡を通過することに成功しとる。日本人乗組員3名が乗ってた船や。
マリコ:通過できた!っちゅうことは「電話した甲斐があった」っちゅうことやんな。
サチコ:高市首相が「この船の通過に私が個人的に関与した」っちゅうコメントをしてる。「外交努力の成果」っちゅう位置づけや。
マリコ:「3回電話して1隻通れた」っちゅう成果があったわけか。でもまだペルシャ湾には日本関係の船がたくさん残ってるんやろ。
サチコ:まだぎょうさん残っとる。日本人乗組員がいる船も複数ある。せやから外交努力を続けてるっちゅう状況や。
マリコ:では「イランと長年友好関係がある日本」っちゅう立場を活かして動いてる、っちゅうことやけど、そもそもなんで日本とイランは友好関係があるんや。
サチコ:いくつかの理由があって、一番大きいのは「日本はイランを植民地にしたことがない」っちゅう歴史やな。
マリコ:植民地にしてへんのか。それは当たり前のことやんか。
サチコ:それが当たり前じゃないねん。イランは19世紀から20世紀にかけてイギリス、ロシア、後にアメリカから強い干渉を受けてきた歴史があるんや。日本はそういう介入をしてへんから、イラン人の感覚では「欧米列強とは少し違う」っちゅう見方がある。
マリコ:「干渉しなかった事実」が信頼の基盤になってるんやな。
サチコ:もう一つは石油や。1960年代から70年代にかけて、日本は急速な経済成長でとにかく石油が必要やった。ほんでイランはその主要供給国の一つやった。「石油を売る側と買う側」っちゅう経済的な相互依存が長年あったんや。
マリコ:「商売の相手」として長い付き合いがある、っちゅうことか。
サチコ:そして1979年のイラン革命後、多くの西側諸国はイランとの関係を大幅に縮小した。でも日本はアメリカとの同盟を維持しながらも、イランとの外交関係の窓口は閉じひんかったんや。
マリコ:「関係を完全には切らなかった」っちゅうことか。それはなんでや。
サチコ:「エネルギー安全保障」っちゅう理由が大きい。日本は石油の9割以上を中東に依存してる。ホルムズ海峡は日本にとって「命綱」だから、イランと完全に関係を断つことができない。
マリコ:「敵に回せない相手」っちゅうことか。
サチコ:そして2019年には当時の安倍首相がイランを訪問した。日本の首相として約40年ぶりの訪問だった。
マリコ:40年ぶり!それはほとんどの今の外務省職員が生まれる前の話やんな。
サチコ:安倍首相はその時に大統領だけじゃなくて、最高指導者のアリー・ハメネイとも直接会談した。
マリコ:最高指導者と直接会ったんか!それは外交的には大きな意味があるな。
サチコ:「日本は大統領だけでなく最高指導者とも話せる国」っちゅう実績が生まれた。これがイランの政治構造を理解した上での外交だっちゅう証拠でもある。
マリコ:「権力の本当の中心にいる人間と話した経験がある」っちゅうことか。
サチコ:それが今年の高市首相による電話外交の背景にある歴史や。
マリコ:なるほど。では高市首相はペゼシュキアン大統領に3回電話したけど、「本当に重要なのは革命防衛隊や新しい最高指導者にどう働きかけるか」っちゅう問題が残るわけやな。
サチコ:そこが今の日本外交の限界で、「大統領とのパイプは維持できてるが、革命防衛隊に直接アクセスする手段は非常に限られてる」っちゅう現実がある。
マリコ:「電話できる相手がおるけど、その相手の言葉がどこまで通るか分からへん」か。
サチコ:しかも今日の電話でイランは「日本に凍結されてる資産を医薬品購入に使わせてくれ」っちゅう要求を出してる。これはある意味「交渉のカードを持ってきた」っちゅうことでもある。
マリコ:「日本の銀行に眠ってるイランのお金」と「ホルムズ海峡の日本船通過」をバーターしようとしてるわけか。これは外交上の取引として成立するんかな。
サチコ:原則としてはアメリカの制裁があるから、日本が簡単に「はい、返します」と言えない複雑さがある。でも「医薬品購入に限定する」っちゅう条件をつけて交渉する余地はある。
マリコ:「アメリカの制裁の枠内でどこまでできるか」っちゅう制約の中で動いてるわけやな。これは難しいな。
サチコ:しかも今イランの議会が「ホルムズ海峡の管理を法律として正式化する」っちゅう立法を準備してるっちゅう話がある。
マリコ:立法!「海峡を閉めることを法律にする」っちゅうことか!
サチコ:現在は「戦時の緊急措置」っちゅう建前で封鎖してるけど、それを「正式なイランの権利」として法制化しようとしてるっちゅうことや。
マリコ:「法律にしてしまえば、もっと堂々と閉められる」っちゅうことか。これは……困った話やな。
サチコ:だからこそ日本は「今のうちに外交的な解決の方向を確保する」っちゅう動きを続けてる。
マリコ:「法律になる前に決着をつけたい」っちゅうことやな。タイムリミットがある外交っちゅうことか。
サチコ:そして最後に、「ホルムズ海峡は国際公共財だ」っちゅう高市首相の表現の話をしよか。
マリコ:「国際公共財」か。外交的な言葉やんな。「みんなのものだ」っちゅう意味か。
サチコ:「特定の国が一方的に管理する場所ではなく、世界共通の資産だ」っちゅう主張や。つまり「イランが封鎖するのは不当だ」っちゅう批判を、非常に礼儀正しい言い方で表現してる。
マリコ:「封鎖するな」を「国際公共財」っちゅう言葉で包んで伝えてるわけか。外交語っちゅうのは美しいな。「シンナー代3倍やんか」を「資源調達環境の不安定化による生産コストの上昇」みたいに言い換えるみたいな。
サチコ:そのたとえはよう分かれへんけど……確かに外交には「婉曲表現」が多い。
マリコ:「ホルムズを開けてください」を「ホルムズ海峡は国際公共財です」と言う高市首相と、「日本の船を通してあげます、努力します」と言うペゼシュキアン大統領、「でも実際に動かすのはうちですが何か」っちゅう革命防衛隊、っちゅう三者が絡んでる話か。
サチコ:そしてその上に「何者か分からない新しい最高指導者」がいる、っちゅう構造やな。
マリコ:「誰が本当に決めるのかが外からは見えにくい国家」と「その国の海峡に命を預けてる日本」っちゅう対比が、今の外交の緊張の核心やな。
サチコ:「日本にとってのホルムズは命綱で、命綱の管理者が誰か分かりにくい」っちゅう、これ以上ない不安定な状況やな。
マリコ:でもサチコ、最後に一個だけ確認させてくれ。
サチコ:ええで。
マリコ:この複雑な構造を理解した上で聞くんやけど、高市首相が「電話してよかった」と思える理由が一個あったやんな。
サチコ:それはタンカーが1隻通れたことやな。
マリコ:「外交努力の成果として、1隻のタンカーが海峡を通った」っちゅうことが今年の大きな成果の一つっちゅうことか。
サチコ:まあ「小さく見えるけど、命がけの外交の積み重ねで獲得した成果」っちゅう見方もできる。
マリコ:1隻のタンカーが通れるかどうかに、3回の首脳電話会談と、最高指導者の世代交代と、革命防衛隊との緊張と、1979年から続く歴史が全部絡まってるっちゅうことか。
サチコ:「世界は複雑なほど、一つの動きに全部が詰まってる」っちゅう話やな。
マリコ:タンカーが1隻ホルムズ海峡を通り抜けた瞬間に、そういう全部の重みがあったっちゅうことやな。
サチコ:「何気ない船の通貨が、複雑な地政学の産物だ」っちゅう話や。
マリコ:それはかっこいい話やけど、でも乗ってた船員さん3人は普通にほっとしたと思うで。「やっと通れた」っちゅう。
サチコ:まあそれが全ての外交の出発点やな。「現場の人間が安全でいられるために、こんなに複雑なことが必要なのか」っちゅう。
マリコ:「3人の船員のために、最高指導者と革命防衛隊と大統領っちゅう三層構造を理解して電話した」っちゅうことか。
サチコ:そういう外交や。地味で目立たへんけど、一番現実的な仕事やな。大事なことやで。
マリコ・サチコ:どうもありがとうございましたー!




