第199話「北京の集合写真!? ~エアフォースワンにCEO12人と乗った大統領と、習近平の秘密の庭園と、半導体株だけ知ってる本当の話~」
サチコ:(写真を印刷したものを持って登場)マリコ!これ見て!
マリコ:(受け取ってじっくり見る)……なんやこれ。おじさんが大勢並んでる写真やんか。社員旅行か?
サチコ:社員旅行やない!これが5月14日、北京の人民大会堂で撮られた、今週一番の歴史的写真や!
マリコ:歴史的写真?でも知らない顔ばっかりやんか。真ん中の派手なネクタイしたおっさんだけ分かる。
サチコ:分かるんそこだけかい!
マリコ:まあトランプさんやんな。問題は周りの人間やねん。誰やねんこの人たちは。
サチコ:これがCEO外交や!トランプさんが中国に行く時に、アメリカのトップ企業の社長たちを12人以上連れて行ったんや。
マリコ:社長12人!社員旅行どころやない、「社長旅行」やんか!「今年の社長旅行は北京です。全員エアフォースワンで飛びます」っちゅう。
サチコ:エアフォースワンに乗っていったんやから、「社長旅行」という表現は案外正確かもしれへんな。
マリコ:でも私が一番気になるのは「誰が断ったか」やねん。「今週中に北京、どうですか」って急に呼ばれたら、「すみません予定が……」って断る社長もおったんちゃうか。
サチコ:サウジアラビアの時は30人以上のCEOが来たけど、今回は12人だったっちゅうことは、確かに予定が合わなかった人もいたかもしれへんな。
マリコ:「北京出張を断った社長」と「行った社長」で、後々扱いが変わるんちゃうかと思うてん。「あの時なんで来んかったんや」っちゅうて。
サチコ:それは現実的な心配やな。「誰が来たか」でも話題が持つくらい豪華な顔ぶれやねん。まず一人目、イーロン・マスクさん。
マリコ:マスクさん!テスラとスペースXの社長やな。中国に工場持ってるやんか。
サチコ:上海に巨大工場があって、今年の最初の4カ月だけで29万台以上の車を出荷した。中国はテスラの最大の輸出拠点やねん。
マリコ:それは行かなあかんやんか。「上海の工場がある国のトップに会いに行く」というのは、普通の会社でも大切にするやんか。
サチコ:しかも今回のマスクさんのすごいところは、アメリカで「OpenAIとの裁判」が進行中に行ったんや。
マリコ:裁判中に北京!?
サチコ:しかも裁判所から「すぐ呼び戻せるように準備しておけ」という命令が出てる中で、大統領と一緒にエアフォースワンで北京に飛んだんや。
マリコ:「裁判官より大統領の方が偉い」っちゅうことか。「判事さん、大統領に呼ばれたのでほな行ってきます」という感じで。
サチコ:大統領に「来い」と言われたら断りにくいわな。しかも会合でマスクさんは「たくさんの良いことを成し遂げたい」と言うた。
マリコ:「たくさんの良いことを」……もうちょっと具体的に言うてほしいな。
サチコ:テスラの完全自動運転機能の中国展開承認とか、具体的な課題がたくさんあるんや。
マリコ:「自動運転を中国で認可してください」っちゅうことか。なるほど。次は?
サチコ:ジェンスン・ファンさん、エヌビディアのCEO。
マリコ:エヌビディア!前の漫才で日経平均の話をした時に出てきたAI半導体の会社やな。
サチコ:このファンさん、「今回の会談は人類史上最も重要なサミットの一つ」と言うた。
マリコ:「人類史上最も重要なサミットの一つ」!言うなぁ~!でもそれは言うたら「自分も人類史に残る重要な人間として会議に参加した」っちゅうことになるやんか。すごい自己評価の高め方やな。
サチコ:まあ米中の科学技術を巡る対立の中で、半導体の最重要企業のCEOが北京入りしたことの意味は確かに大きいで。
マリコ:エヌビディアは中国に売れへんのやろ。規制で。
サチコ:せや。最先端のAI半導体は制限されとる。せやからファンさんが何を求めて北京に来たかは分かりやすい。「中国への販売制限を緩めてくれ」っちゅうことや。
マリコ:「商売させてくれ」っちゅうことやな。で、結局どうなったんや。
サチコ:結論から言うと、AIチップ株は会議終了後に下がった。
マリコ:下がった!「期待して上がってたのに、成果がなくて下がった」っちゅうことやな。
サチコ:ファンさんは会見でチップの話を聞かれても「コメントは差し控えます」と言うた。
マリコ:「コメントできへん」っちゅうことは「良い話がなかった」っちゅうことを意味するやんな。
サチコ:「良かったなら言う、良くなかったら黙る」っちゅうのが、経営者の沈黙の法則やからな。
マリコ:次は?
サチコ:ティム・クックさん、アップルのCEO。
マリコ:クックさん!アップルの社長!
サチコ:しかも今回が「最後の大型外交出張」かもしれない。9月にCEOを退任すると発表済みやねん。
マリコ:えっ!?クックさんが退任!?知らんかった!
サチコ:9月に15年間のCEO生活に幕を閉じる予定や。
マリコ:「CEOとして最後の中国訪問」になるかもしれないっちゅうことか。アップルのiPhoneは約8割が中国で作られてるんやろ。
サチコ:そう。中国なくしてアップルの製品は作れへんという依存度があるなかで、退任前に「中国との関係を安定させる」という外交的な意味があったかもしれへんな。
マリコ:「送別の北京出張」っちゅうことか。なんか感慨深い話やな。
サチコ:他にもラリー・フィンクさん(ブラックロック)、ジェーン・フレイザーさん(シティ)、スティーブン・シュワルツマンさん(ブラックストーン)、デビッド・ソロモンさん(ゴールドマン・サックス)、ケリー・オーバーグさん(ボーイング)と、まあアメリカの経済界の錚々たるメンバーやった。
マリコ:金融もエネルギーも製造業も全部揃ったというか。これは「アメリカ経済の見本市」を北京に持っていった感じやな。
サチコ:あるアナリストが「筋肉を見せびらかした」と言うた。「アメリカがどれだけ経済的に強いかをCEOたちで可視化した」という演出やな。
マリコ:「マッスルポーズ外交」や!「見てください、このCEO群を!この筋肉を!」っちゅう。
サチコ:一方で習近平さんはCEOたちに「中国のドアはさらに開く」と言うた。
マリコ:「もっと開放しますよ」っちゅうことか。中国はCEOたちに対して「うちに来てもっと投資してください」とアピールしたわけやな。
サチコ:「マッスルポーズ外交」に対して「いらっしゃいませ外交」で応じた、という感じやな。
マリコ:で、今回の会議で一番大きな成果と言われてるのは何なんや。
サチコ:三つある。一つ目は「建設的戦略安定関係」という新しいフレームワークの樹立。
マリコ:「建設的戦略安定関係」!難しい言葉やな。
サチコ:簡単に言うと「仲良くはせえへんけど、殺し合いもせえへん。ルールのある競争をします」という枠組みや。
マリコ:「喧嘩はするけど、武器は使わへんルールで喧嘩する」っちゅうことか。スポーツの試合みたいなもんやな。「ボクシングのルールで戦おう。路上で喧嘩はやめよう」みたいな。
サチコ:うん、そういう比喩が一番近い。これが「今後3年以上の枠組み」として合意された。
マリコ:3年!11月の中間選挙どころか、次の任期まで見据えた話やんな。
サチコ:二つ目の成果は貿易休戦の延長や。関税の上乗せを抑えた休戦状態を11月まで続ける、っちゅうことが確認された。
マリコ:11月まで。また「11月まで」という期限付きやんな。この漫才シリーズは「期限が出てきたら次の話がある」というパターンやな。
サチコ:「つづく」の期限が設定されとる、っちゅうことや。そして三つ目がボーイングの飛行機200機の購入合意や。
マリコ:200機!飛行機の団体購入やんか!「まとめて200機買ったら割引になりますか」っちゅうか。
サチコ:しかもトランプさんはこの数字を非常に誇らしげに発表した。「最大750機」という数字まで口にした。
マリコ:200機から750機!「200機から750機の間で買います」という、幅がありすぎる約束やんか!
サチコ:「200から750の差は550機や。その550機はどうなるんや」という疑問が残るな。
マリコ:「550機の約束をするかしないか」がトランプ外交の真価っちゅうことやな。
サチコ:ボーイングの株がこの発表の後に下がった。
マリコ:株は下がったんかーい!「200機売れるぞ」という発表で株が下がるって、どういうことやねん。
サチコ:事前の期待値が「500機以上の購入」やったから、200機という数字は「期待以下」と市場が判断した。
マリコ:「200機という巨大な数字が、期待に届かなかった数字」と見られた、っちゅうことか。
サチコ:株式市場の残酷なところやな。「200機は少ない」と言われてしまうボーイングの立場。
マリコ:「200機売れたのに少ないと言われる」というのは、なんか飲食店で「今日は100人来た」という報告に「先月は150人来てたんやから少ない」と言われるみたいな話やんか。
サチコ:まあそういうことやな。期待値の経営という。
マリコ:ところで会議の内容でもう一個聞きたいのが、台湾の話やんな。習近平さんが台湾について言うたっちゅうことやけども。
サチコ:これが今回の会議の一番「緊張した場面」やったな。習近平さんがトランプさんに向かって「台湾問題を適切に処理しなければ、米中関係全体を非常に危険な状況に陥れる」と言うた。
マリコ:会議の一発目で「これを間違えたら大変なことになる」と言ったんか。
サチコ:しかも習近平さんはその前に「トゥキディデスの罠」という概念を引用した。
マリコ:「トゥキディデスの罠」!なんやそれ。
サチコ:ハーバード大学の教授が広めた概念で、「台頭する新興国と既存の覇権国が戦争に至るリスクが高い」という歴史的なパターンや。昔のギリシャの歴史家トゥキディデスが記録した、アテネとスパルタの衝突から来てる。
マリコ:「強くなりかけた国と、今まで強かった国が戦争してしまいがち」っちゅうことやな。
サチコ:そして習近平さんが「この罠を回避できるか」という問いを会議の冒頭に置いた。
マリコ:「いきなり哲学的な質問から始まる会議」やんか!普通の会議のオープニングで「我々はトゥキディデスの罠を回避できるか」と言い始めたら、「まず自己紹介から……」という感じになるやんな。
サチコ:でも今回の会議はまさにそういう質問を最初に置くレベルの話やったわけやな。
マリコ:「戦争するんですか、しないんですか」っちゅうことやんな、要するに。
サチコ:そういう根本的な問いから始まった。で、台湾については「警告」という形で終わって、具体的な進展はなかった。
マリコ:「具体的な進展がなかった」か。台湾問題は「今回も先送り」っちゅうことやな。
サチコ:「解決はできへんけど、爆発もしないように管理する」という今月の漫才のテーマがここでも出てきたな。
マリコ:第189話から続くイランの停戦問題も、第197話のプロジェクト・フリーダムも、全部「解決せずに管理する」という構造やったもんな。台湾も同じ構図やっちゅうことか。
サチコ:「世界の問題は解決ではなく管理で対処される」という、今月の通底するテーマやな。
マリコ:ところで今回の会議で「中南海の秘密の庭園」という話があったやんか。なんやそれ。
サチコ:習近平さんがトランプさんを中南海の奥にある「秘密の庭園」に案内した。中南海というのは中国の政府中枢の施設で、外部の人間がほとんど入れない場所や。
マリコ:「見せてあげましょう、うちの秘密の庭園を」!習近平さんがトランプさんを特別扱いしたっちゅうことやな。
サチコ:「対等な大国として特別に扱ってますよ」という演出や。中国にとっては「アメリカと同等の立場」という承認を得ることが、今回の一つの大きな目標やったからな。
マリコ:「秘密の庭園に招待された」というのはどれくらいすごいことなんや。
サチコ:外国の首脳を中南海の深い場所に案内するのは異例中の異例やと言われとる。「格式を演出した最大限のホスピタリティ」という。
マリコ:「来てくれたことへの最高の歓迎」っちゅうことか。しかし秘密の庭園に招待されたトランプさんが言うたことが気になるな。どんな感想やったんや。
サチコ:「素晴らしい、素晴らしい」と言ってた、という報告しかない。
マリコ:「素晴らしい素晴らしい」!それしか言わんのかい!秘密の庭園を見て「素晴らしい素晴らしい」だけを言うトランプさんって、なんか笑えるな。「ここは何年に作られて、この木は何の木で……」という説明を受けながら「素晴らしい!素晴らしい!ビューティフル!」という感じやんな。
サチコ:天壇という有名な観光地にも案内されとる。
マリコ:観光コースも入ってたんか!「ビジネス会議+秘密の庭園+観光スポット」っちゅう盛りだくさんのスケジュールやな。
サチコ:2日間でこれだけのことをやったわけや。
マリコ:ところで全体を振り返ると、今回の会議は「成功」と評価されるんか、「失敗」と評価されるんか。
サチコ:それはな、マリコ、「どの分野で評価するか」によって全然違う答えが出てくるねん。
マリコ:「どの眼鏡をかけて見るか」によって、っちゅうことやな。第192話でTACOの時に「同じ事実でも解釈が真逆」という話があったけど、今回も似た構造やんな。
サチコ:象徴外交としては「成功」。秘密の庭園で握手して、記念写真を撮って、「建設的戦略安定関係」という言葉を作って。
マリコ:「写真映り的には成功」っちゅうことやな。
サチコ:市場心理としても一時的には「成功」。会議期間中は株が上がった。
マリコ:「雰囲気は良かった」っちゅうことか。
サチコ:でも半導体・AI・技術覇権という領域では「ほぼ成果なし」。AIチップ株が下がったのがその証拠や。
マリコ:「本当に欲しかったものは手に入らなかった」っちゅうことやな。
サチコ:そして台湾・安全保障では「解決なし」。警告と牽制は出たが、具体的な進展は生まれなかった。
マリコ:じゃあ結局何が一番変わったんや。
サチコ:「喧嘩の作法が決まった」っちゅうことかもしれへん。
マリコ:「喧嘩の作法」!どういうことや。
サチコ:以前は「関税100%かけるぞ!」「報復するぞ!」という無秩序な応酬だったのが、今回から「11月まではこのルールで喧嘩しましょう。それ以降また話し合いましょう」という枠組みが生まれた。
マリコ:「ルールのある喧嘩」になったっちゅうことか。
サチコ:しかも「喧嘩中でもビジネスはしましょう」という経済的相互依存を維持する合意も暗黙にある。
マリコ:「喧嘩中でも飯は一緒に食う」っちゅうことか。すごいな。
サチコ:それを表す言葉が「切り離せないライバル」という表現で、一部の分析家が使い始めてる。
マリコ:「切り離せないライバル」!「嫌いだけど、なしでは生きていけない」っちゅうことやな。これは前の漫才でも出てきた「切っても切れない関係」の話と一緒やんか。
サチコ:いやそれは全く別の文脈の話やけど、構造は確かに似てるな。
マリコ:で、この「切り離せないライバル」関係がこれから5年でどうなるのか、という話が一番怖いんやけど。
サチコ:分析者の間では「三つのシナリオ」がある。一番可能性が高いのが「管理された競争の継続」で、今の状態がとりあえず続く。
マリコ:「現状維持」っちゅうことやな。
サチコ:次が「局地的な危機」。台湾海峡や南シナ海での偶発的な衝突。「全面戦争にはならないけど、事故はある」っちゅう状態や。
マリコ:「間違って当たった」という。
サチコ:そして最悪のシナリオが「本格的な台湾危機」。封鎖や武力衝突。
マリコ:これが「トゥキディデスの罠」に落ちる、っちゅうことやな。
サチコ:習近平さんが最初に「この罠を回避できるか」という問いを投げかけたのは、「このシナリオになるのが最も怖い」という宣言でもある。
マリコ:「俺も怖いからお前も気をつけてくれ」というメッセージかもしれへんな。
サチコ:「覇権争いしながらも、お互い怖いから全力でぶつかりたくない」という本音が、台湾問題の「警告」という形で出てきた、という解釈もあるねん。
マリコ:「怖いから言う」っちゅうことか。なんかこれ、TACOと似た構造やな。「強く出ながら、実は引っ込むことも考えてる」という。
サチコ:「大国のTACO」という現象がここでも見えてくるかもしれへんな。米中どちらも「言いながらも、全力でぶつかりたくない」という構造がある。
マリコ:「両方がTACOり続けることで、なんとか平和が保たれている」という、なんか不思議な均衡やんな。
サチコ:「相互TACO均衡」っちゅうことやな。「どちらかが本気でTACOをやめた瞬間に危なくなる」という。
マリコ:これは第192話のまとめに出てきた「TACOが一番怖いのは逆TACOを防ぐ抑止力になっていること」という話と通底してるで。
サチコ:「TACO理論の応用が米中関係全体に適用できる」とは思わんかったけど、確かに構造は似てるな。
マリコ:ところで今回の話の中で日本への影響が気になるんやけど。
サチコ:日本にとって今回の会議は「安堵と不安が半々」やな。
マリコ:どっちも半々なん?
サチコ:安堵の部分は、米中が爆発的に対立するリスクが一時的に下がった、っちゅうこと。日本の経済はアメリカにも中国にも依存してるから、両方が平和的でいてくれる方が都合がいい。
マリコ:「仕入れ先と販売先が仲良くしてくれてる方がいい」っちゅうことか。
サチコ:不安の部分は、米中が「どちらの技術陣営に乗るか」を選ばせようとしてくる圧力が、今後も続く、っちゅうことや。半導体のサプライチェーンを米国向けと中国向けで分けるという話が現実化してくると、日本企業は両方向けに工場を作らなあかん。
マリコ:「二重帳簿」的な工場経営か。
サチコ:そしてレアアースの話でいうと、日本は中国からのレアアース依存度が非常に高いねん。今回の休戦延長でレアアースの制限が引き続き緩んでる間に、代替サプライチェーンを急いで構築する必要があるんや。
マリコ:「猶予期間に準備する」っちゅうことやな。でも11月まで猶予があるっちゅうことは、11月には休戦が終わる可能性がある、っちゅうことでもあって。
サチコ:「11月に何が起きるか」は、今月のすべての漫才が共通して問いかけてる問いやな。
マリコ:イランの話も「11月の中間選挙まで」という期限があって、米中の話も「11月まで」の休戦で、日経平均の話も「年末まで」の見通しで……。世界中が11月という締め切りに向かって走ってる感じやな。
サチコ:「2026年11月」が世界の分岐点になる可能性があるかもしれへんな。
マリコ:これ、漫才のネタが11月以降も続くっちゅうことやな。
サチコ:「つづく」が確定してるっちゅうことやな。
マリコ:最後に一個だけ笑える話をしてええか。
サチコ:ええで。
マリコ:ジェンスン・ファンさんが「人類史上最も重要なサミットの一つ」と言うたやんか。
サチコ:「一つ」というのがポイントで、「一番重要」とは言うてへんのがまた外交的表現やな。
マリコ:「歴代で一番や!」とは言えへんから「最も重要の一つ」と言うたっちゅうことか。でも考えてみたら、エヌビディアのCEOが「最も重要なサミット」と言った会議の結果として、エヌビディアの株が下がったっちゅうことは、「最も重要なサミット」が自社の株価に悪影響を与えたっちゅうことにならへんか。
サチコ:「最も重要なサミットに行った結果、株が下がった」という……。
マリコ:「行けへんほうが良かったんちゃうか」というオチが待ってたんかもしれへんな。
サチコ:そんなオチが「人類史上最も重要なサミット」に設定されるとは!
マリコ:まあでも「チップの話はコメントしない」という沈黙が全てを語っとるっちゅうことやな。
サチコ:「沈黙は成功より雄弁に失敗を語る」という格言が生まれたかもしれへんな。
マリコ:「コメント差し控えます」が最大の外交成果だったファンさんの北京出張、お疲れ様でした。
サチコ:お疲れ様言うてあげるな!あの人はあの人でちゃんと仕事してんねんから!
マリコ・サチコ:どうもありがとうございましたー!




