狂った蒼梧
「こんばんはぁ、本日はとてもお日柄もよく足元も悪い中?あれ天気いいのに足元悪いってどういう事なんだ。」
ここに来て20日間、蒼梧は拷問と言っても過言でもない修行と今置かれている状況に耐えることができず。狂ってしまった。
あれ今日は、太郎くん来てないのかな。あぁーそうか昨日俺が自分の左手と一緒に顔面踏み倒しちゃったんだ。なんで忘れてたんだろぉー。
「まいっか。おいおい、どおしたんだよ何でいっつもみたいに飛びかかってくんないんだよ。こっちはなぁー、お前ら斬る準備万端だぜ、そうだろ相棒?
うんそうだね。」
よおおーし、相棒もこう言ってることだし、俺からこいつら斬りに行くかぁ!
体勢を低くし、両手を飛行機の翼の様に真っ直ぐにして全力疾走で友達に突っ込んでいく。
「ごろ、ごろs」
「そんなに殺して欲しいなら殺してやら、あはははぁ。」
俺は、空中前転を小学校の時に先生に教えてもらった。休めの体制で綺麗に体を真っ直ぐにして、死にたがっている子に、渾身の頭突きを喰らわせた。
「いってーなぁー、くっそがー。俺は怒ったぞー。」
他のやつは怯んだのか後退りして行く。
「ハイ、ハイ、ハァイーー!」
一瞬のうちに三人位の首を斬っていく。まるで斬ってる姿は多分バレリーナさながらのダンスを踊れていて気がする。ま、知らんけど。
パスパスと首を斬っていく感じはとても手触りが良く、指に残る感じはとても気持ちが良かった。
「あ、あっちゃー俺の華麗な舞のせいでオーディエンスがこんなにも増えちまったか。」
よし、こういう時どうすればいいかは昔から相場がきまっている。どこのアニメや漫画もこんな状況になるとな、、一目散に逃げるただそれだけだーー!
「おい、つれねぇーなお前ら鬼ごっこはここから、ゴッホゴッホ、ブッハ。走り過ぎっゴッホせいで吐血しちまったよ。あ、朝日だ。」
夜になった瞬間俺の方に真先に来るって言うのに朝になった途端に急に動きを止めてただの肉塊になる、ほんと困った奴らだ。こいつら片付けるのにも時間がかかるて言うのに
まーそんなことは、今本当にどうでもいい事なのかもしれない。俺は今目の前の人っ子誰一人いないこの街の方が気になる。
「ハァー、ホント俺何やってんだか意思もなくそこら辺ほっつき回ってゴキブリばっか食って殺しを楽しんでから寝るの繰り返し俺もあいつらと一緒の何も考えれないバケモンと一緒だな。」
俺は、大きなため息と共に何となく今思っている自分の酷評を声に出してみると、何故か今まの無策で何一つ目的もなにもなくただただ無造作に歩き回っていた自分に言葉にならない嫌悪感と吐き気が襲ってくる。
「おぇぇえ。」
何故か口から今日朝食べたゴキブリたちが口から出てきた。たまにいくら狂っていても自分の心の中には冷静な自分が何処かにいて今みたいに何かのきっかけがあると、血の上りきった脳を冷たい氷で冷やして思考全てを冷静に戻してくる。こんな事が今までに何度かあったはずなんだが、少し経つと狂った俺が優ってしまい、冷静だった記憶が揺らいで無くなっていき、そしてまた冷静に戻るとこうやってほとんどの記憶が脳にフラッシュバックしてくる本当に頭が痛い。
「止まってても何も始まらんしな、そろそろ歩き始めるか。」
スタスタと小さい音で何か起きないかとアンテナを張り巡らせて歩き回る。まともな家がまだ一つもを見つけられていない、あったとしてもなんか入ってくるなって言わんばかりに、苔やツタがびっしりと、家の周りに張り付いている、まともな建物があるとするならば図書館らしきところと、スパーマーケットの様な所しかない。
「おお、ここの家鍵しまってる。」
やっといい感じのあんまし壊れてない家見つけたのに、鍵がかけられていてピクリとも動かない。
仕方ない強行突破と行くか。この手は強盗みたいで使いたくなかったが、この家の壁をパンチでぶち壊す。
「蒼梧選手深く拳を握りしめぇ〜、大きく振りかぶり全力で殴ったぁー。」
壁がもろかったのか、拳がグチャグチャになる位で住んだ。セメントの壁って案外硬いし、これ修行してなかったらすげぇ痛かったと思う。
こう言う時にたまに思うんだよな思う、ありがとな師匠てな。
「あ、窓空いてた。んんー、まーそんなことよりも部屋の探索だ探索、おじゃまし何だよこの強烈な匂い。」
失踪が起きてから約6年家の中に入った瞬間鼻がひん曲がりそうな激臭が、襲いかかってきた。
ドブと腐った卵を混ぜたみたいな、いやそれより酷い臭い。
食料品ってここまで酷い臭いになってしまうのか。
これをあと何回も繰り返すと考えるだけで、寒気がする。ただでさえこの国の冬は寒いって言うのに、これじゃ鼻水まで凍ってしまうぞ。
人の家、友達の家に行くとやってはいけないことが一つある。それをするとそこの家の家計事情と引き換えに、そこの家の奥様からあの子の頭の辞書には礼儀って言う言葉はないと思われその地域での社会的好感度が一気に下がる。その地域でのコミュニティーを切られる事間違いなしだろう。
しかし、ここでは友達や他人の家でやると、社会的に死を表す事も、平然と澄ました顔で息をするかの様にできる。
ま、食べ物の賞味期限とか見て食料を探すだけだけど。缶パンとか食べやすいお手頃の奴があると助かる。あれそういやー缶パンって冷蔵庫なんかじゃなくて食糧庫にあるんじゃないか?
てか、食糧庫にとかいく前に食料探すんだったらさっき通った道のスパーに行けばいいじゃん。馬鹿なのか、俺は本当に正真正銘のマヌケだな。
自滅して赤くなった顔を手で隠しながらさっき通ってきた道を小走りで戻っていく。
「うわー、思った以上に大きな。この街全体探してもスパーらしき物はここしかなかったからなそりゃこんな大きくなるは。」
ボソボソいいながガラスが割れた自動ドアまたいでスーパーに入っていく。
「あれ、臭くない!」
全く匂いがしない訳ではない、鼻がこの臭いに慣れてしまったのだろう、さっきの家の時みたいに、強烈な激臭は全く感じられなかった。
だが見ていてむせ返りそうになる物もある、腐っているせいか、果物や苺やスイカの様な野菜類が原型を留めずにグッチャグチャになっている事だ。別にミカンとかが腐って白くなるのはわかるが、その段階をもう一段階踏み越えて黒くなってドブの掃き溜めみたいな臭いを想像すると吐き気がする。
「早く缶パンみっけ、、ん?賞味期限とか5月28日、どういう事だ集団失踪が起きたのは確か8月だったはず。まーいっか。」




