求めるもの1
俺の前を歩るく彼女に誤った認識をしていたのかもしれない。朝はあれほど俺や誠二さんに敵意を剥き出しにしていたのに、この子は、ただ家族思いなだけだったのだ。深くはまだ聞くことができないが龍二や誠二さん、母親のことを深く愛していることが話しているだけでよくわかる。先ほどからずっといじられている気もするが、悪くはないな。男として何か大事なものを失っているかもしれないが。
「あんたの事ちょっとだけわかったわ。記憶がなくなてるせいで抜けてるところがあるけど。いいやつね。」
美羽は、足を止めこちらを振り返りニコッとこちらに笑みを送る。
「ありがとう、俺もここまでいじられても動じないとは思わなかったよ。」
俺もその笑顔に不器用なりに答えると、美羽は笑った口を右手で少し隠すようにしながら、前を向き歩き始める。
「そうね、私も得体の知れないやつとこんなに話すこたができると思わなかったわ。」
得体の知れないものか、朝から訳のわからない奴が居るとそうなるだろうな。しかも記憶がない、これほどおかしなやつはいないだろうな。
「ついたわよここ、多分これからお使いとか頼まれると思うからここらで一番おっきなスーパーにしといたわ。」
美羽は指を刺しこちらに顔だけを向ける。
「ちょっと遠かったな2、30分は、かかったんじゃないか?」
俺がそういうと、うんうんと頷き店の入り口の方へ向かっていく。
「そうね、でもなんでも揃ってるから仕方がないのよ。普段は自転車で来てるから気にならないけどね。」
そういうことなら仕方ないな、いくあてが俺はこれから家にいることが多くなるだろう。ということは家事を頼まれることがあるだろう。だからここまで来たとういうことか。だが彼女は、ひとつ忘れていることがある。美羽の前へスッと出て腕を組み仁王立ちをする。
「でも俺、自転車に多分乗れねえぞ。というより乗っていた記憶がないから。」
美羽は、虚をつかれたような顔をしてフリーズをする。そうだろうともこの子はここまで俺が、ポンコツだとは思わなかっただろうな。だが何かを思い出したかのように不敵な笑みを浮かべ歩き出し、それについていく。
「そうね、失念していたわ。でも私が教える。面白そうだし。」
ありがたい、これはこの子の優しさからきているものだと信じよう。新しいおもちゃを見つけたような雰囲気を出しているが気にしないでおこう。
入り口が目の前になり心配そうにこちらを振り返る。
「とりあえず中に入るわよ。自動ドア知らないとか言わないでよね。」
ドアの目の前に立ち開いたことを確認して中へ入っていく。この子は、少し俺のことを舐めている。流石にみた記憶はないが、本で読んだことくらいは流石にあるぞ。
「流石に知ってるから安心してくれ。」
美羽はクスリと笑い、右手前のドリンクコーナーと書いてある看板に目掛け進んでいく。真新しい景色に目を奪われそうになるが、気にも留めない美羽に置いていかれないようについていき、目的の物に辿り着く。
「なんだか今日は、人が多いわねねこれ買ったらすぐかえ
ドーン
店の左奥から大きな爆発音が聞こえた瞬間、俺はとっさに美羽の頭を手でおおいながら優しくを抱きしめ、しゃがみ込む。彼女を見ると不安と恐怖が混じったような表情をしていた。
「なに今の、」
美羽は震えたか細い声で呟く、肩は震え恐怖で体を小さく丸め辺りを見渡す。周りを見渡すと老若男女問わず皆恐怖で体を縮こませていた
「わからない、だが早く立ち去ったほうがいいことはわかる。」
震えた手で胸の辺りの服を強く握りながら、美羽は深く頷く。
「あなたたちは、選ばれました、そう選ばれたのです!!」
左奥から女のような大きな声が店中に響き渡る。何が起きているんだ次から次へと、この女はなんなんだ?
俺の横にいた大型な男が震える足を押さえながら立ち上がる。それに構わずに美羽の恐怖が柔らぐように優しく背中を撫でる。
「なんなんだ。なにが目的なんだお、 ビチュ」
肉が飛び散ったような音そして背中の方から錆びた鉄のような嗅ぎ慣れたような匂いを感じ、美羽の目を残った手でかくし、男を見ると顔がくしゃくしゃになった紙のようになりそこらじゅうに、舌や目、おそらく脳みその破片のようなものが散らばっていた。それをみた他の人たちが叫び出す、中には泣いてる小さな子供の声や誰かが吐いている音が聞こえた。なぜか他のところから悲鳴が聞こえだす。他も同じようなことが起きているのか。
「ねぇ、なにが、、あったの。」
皆が美羽何も見えないように、ゆっくりと姿勢を低くしたまま抱き抱え入口の方へ体をむける。
「見なくていい、聞かなくていい、必ず俺が君をあの家へ送り返す。」
俺の言葉を信じるように強く頷き、美羽は強い力で目を閉じ、俺に体を預ける。




