11話 決心する星々
「これでよしっと、いいわよ、ユキ」
「ありがとう、お姉ちゃん」
ハルの部屋でルナールはユキの傷の手当をしていた。ベットは怪我人ということもあって彼女に貸しているので自分は3階に毛布を敷いて寝ている。今日も寝違えて首が痛い。首を撫でながら仲が良さそうに笑い合う二人を眺めていた。
それにしても、
「あいつら本当の姉妹みたいだな」
なあハル?と同意を求めてくる。
ユキを見つけてから二日が経った。傷も大体が治り食欲も戻ってきて、体調は良さそうだ。健康な体を取り戻すのも時間の問題だろう。
「確かに、仲いいよね」
少しでも疑われないために姉妹を演じている。だがルナールは彼女のことを本物の妹のように愛情を注いでいるし、また、ユキはルナールに感謝と尊敬の念を向けている。とても演じているとは思えない、仲むつまじい姉妹に見える。
1度目をつぶり、ゆっくりと開く。そしてアランの方に体を向ける。
「ねぇ、ちょっと良いかな?」
話があるんだ。そう告げた。
4階の1つ下の階は家具も何も置いてなく、無造作に敷かれた毛布があるのみだ。
「で、話って?決まったって事か?」
こくり、と頷く。
「俺は、学院で戦闘学を学びたい」
「決まったか、で、理由はあるのか?」
「うん、俺は1度は全てを失ってしまったけど...でもさ、」
背負うものができたから、戦う意味ができたからーー
そうか、とアランは腕を組む。
「なら俺は何も言わんでいいな、大船に乗った気持ちでいろ。船の上で散々暴れてくれよ」
「で、ユキはどうするの?」
「うん、学院には行く」
いくらか前から決めてた様子で、キッパリと答える。
「そう、それで悩んでた戦闘学か救護学かは決まったの?」
「やっぱり救護学にする」
はっきりとした顔で答えた。その顔を試すようにルナールが質問をする。
「そうなんだ、どうして?」
「私は1度全て死んだも同然だもん。他の人に尽くしたい、そう思うの」
そう、と言い息をふうと吐く。
「ならもう大丈夫そうね。泥船には乗せないわよ。豪華な船に乗せてあげるわ」
来月、あと20日も経てばアルトから来た彼らはようやく動き始めるだろう。
First chapter, all there ―第一章、完―
To be continued. ―続く―




