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腐った世界で異世界生活(ライフ)  作者: たんぽぽ
第4章 異世界の学校
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元クラスメイトの憂鬱

「美代です。」

「優馬です。」

「麻美花です。よろしくお願いし、ます。」



簡単すぎる自己紹介。

まばらな拍手の後に、俺らは用意されていた後ろの席に座る。


何でも、この国じゃ名字は伏せるものらしい。


(まこと)の名を知る者はその者を従わせることができる為、無闇に教えてはならない、的なやつだよ!』

『簡単に言うと“個人情報が漏れる”なんだけどね?』


って、雛菊と苦笑いユアンスが言ってた。


その雛菊は、今は隣でピシッと背筋を伸ばしたままカチンコチンに固まっている。

――来るときはあんなに元気だったのに。


俺とは反対側の、雛菊の隣に座っている美代も同様の状態。

こんな状況でも、俺を避けて雛菊の隣をキープする辺り、さすがな気もする。――避けられてる理由は知らないけどな。興味も無いし。

だがこの様子だと、彼女らが少し心配になってきた。




俺らを興味あり気にチラッ、チラッと送られる視線に囲まれながら、授業は進んでいく。


今の授業は前年度の復習らしい。

元の世界じゃ新年度は4月だったが、ここは9月から新年度が始まるんだそう。

確か元の世界のどっかの外国も、新年度は9月からだったよな?それと一緒か。



『5-D』それが俺らのクラス。


1~3年が初等部、初心者レベル。

4~6年が中等部、一般並みかそれより上。

7~9年が高等部、それなりに才能が無ければここには進級できない。


8歳から入学が可能で実力があれば飛び級も可。

しかし進級するに足る実力が無いと上の学年には行けない。


そしてA、B組が主に武術専門のクラス。C、D組が主に魔術専門のクラス。E組が社会的弱者の獣人、エルフ、ドワーフ等々のクラス。

そしてA、C組は主に貴族等社会的地位の高い者。B、D組は貴族の中でも低辺の者達や平民と、余計なトラブルを避ける為にキッチリ別けられている。


しかしA、C組は賄賂等で進級している者もいる為に学年による実力は信憑性に欠けるのだ。



その、飛び込めばトラブルが多そうな貴族クラス。

不憫にも美結はその武術専門でもある『5-A』へ行った。


ちなみに、ミーリャは驚くべき事に兎人だったのでE組へ。(フードの中には真っ白く長い耳が隠されていた。)

ユアンスは臨時でE組の補助教師になっていた。







----------



授業が終わると、やはりと言うべきか。

転校生恒例歓迎行事。


机の回りには女共が集まり喧しくなる。キャピキャピ煩い。


「ねぇねぇ、好きな食べ物何?」

「どんな魔術使えるの?」

「こことは違う、他の世界ってどんなとこ?」

「ズバリ!好きな女性のタイプは?」


……etc.



雛菊らも緊張のし過ぎで背筋をピンと伸ばしたまま、それでもできる限り小さくなっていた。

雛菊のみに関して言えば、何かに耐えるようにキュッと唇を結び、俯き気味に暗い雰囲気を帯びていた。


うん、あれだ。元の世界での俺が感じていた印象そのもの。



「なー、こいつら緊張し過ぎなもんだから静かにしてやってくんねーか?」


久しぶりで上手くはいかないが、元の世界でやっていたように軽~い感じで。




「あぁ!ごめんね?気づかなくって。」

「うんうん、そだよね。ゆっくり慣れるといいよー。」

「分からないことあったら遠慮無く聞いていいからね。」



口々に心配するような暖かい言葉を残し、人だかりは()けていく。









――なんか疲れた。



ずっしりとした疲労感を感じつつ、とある気になったことを教室内で探す。




「何か気になる事?」



サラリとした焦げ茶の長髪を揺らし、小首を傾げる目の前の子。


俺の前の席の椅子に座り、体を捻ってこちらを向く彼女。

――なんか、懐かしい気がした。


“あの時”とは違い、彼女は自ら俺に話し掛けているし、何かに怯えている様でもない。

“あの時”の少女は今は隣にいるけれど、それとは違う何か別の懐かしさを感じた。



「大丈夫?」



大きな瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。吸い込まれそうな純粋な瞳。

『あっ。』と思った時には咄嗟に目を逸らしていた。



「あ、いや、うん。こ、この教室、女が多いなって思ったんだが……。」



見つめられていたせいか、出てくる言葉はしどろもどろ。

純粋に、真っ直ぐにこちらを見つめるあの視線は、どうも居心地が悪かった。――心の中まで全部見られている様な気がして。




「ふふふ。それはそうだよ?だって、男の子はみんな剣士に憧れるんだもん。魔術専門のココに、男の子が来るわけないよ。」



楽しそうに笑う彼女。焦げ茶の髪がサラサラ揺れる。


「……ってことは、さ?」


恐る恐る口を開く。


「このクラスに男は……」


「うん。君一人だよ。」




周りを見渡すと、大半の女子がこちらを見て可笑しそうに笑っていた。


既視感(デジャヴ)

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