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ひだまりの国  作者: 白波
第1章 始まり
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第10話 魔法が使えました

 基本魔術の練習と時空魔術のイメージトレーニングを日替わりで繰り返すこと1ヶ月…ついにこの日が来たのです。


「『基本魔術 簡易物体移動』」


 私が唱えてから数秒後、箱がゆっくりと浮き上がって右へよろよろと移動し始めました。

 なんだか頼りない動きですが、箱はゆっくりと確実に私が移動させたい場所へ向かっていきます。

 ここまでは、大体2週間ぐらい前にできたのですが、動き始めてから止まらなかったり、逆に動き出したりとなかなか指定の場所につかないというのを繰り返していたのですが、今日はなんだか調子がよさそうです…


 そして…3分ほど経って、ついに私が移動先にと考えていた場所に来て下へ動き、地面につきました。


「やった!」


 私は喜びを隠せませんでした。

 初めて魔法が使えたのです。

 こんなものは大した魔法じゃないのかもしれませんが、私にとっては大きな一歩でした。


「よくやったな…。」


 ヴァーテルが拍手をしながらやって来ました。


「ヴァーテル…見てたの?」

「あぁ…これだけとはいえ魔法が使えれば旅に出ることもできるだろう…。」


 その言葉に私は喜びを隠せず小躍りしてしまいました…

 この1ヶ月の努力が報われた気がします。


「だが、まだまだ道のりは遠いぞ! 徐々にレベルを上げて行かないとな…今度はランクCの魔法を目指すぞ!」

「もちろん!」


 今日は、魔法が使えたので時空魔術のイメージトレーニングをします。

 一回つかえただけなのに問題ないのかと心配になりましたが、ヴァーテルが言うには一度使えれば後は使えなくなることはないとのことです。


「俺はこの周辺の情報を集めてくるからしばらくここでイメージトレーニングをしていてくれ…。」


 そう言ってヴァーテルは立ち去りました。






 日が暮れるまでイメージトレーニングを続けていた私は宿に戻りヴァーテルにあいさつした後、本をめくります。

 もうすぐこのような日々ももうすぐに終わり、旅立つんだなと考えると何だが考えさせられます。


「この世界に来て1ヶ月半か…。」


 流氷の上で目覚めて、ヴァーテルと出会って、魔法の練習とかして…ただ一つどうしようもなく気になることがあります…


「空って何者なんだろう…。」


 2週間前に出会った不思議な女性が気になって仕方がありません…私は、時空魔術の基本と一緒にもらった「魔法学」と言う題名の本の「連続唱和」のページを開きました。


 連続唱和

 連続唱和とは、その名の通り二つ以上の魔法を同時に使うことである。たとえば、「『(トラップ)魔術 落とし穴 雪魔術 光る雪(ライトスノー)』」と唱える。この場合は、落とし穴が発動してから光る雪(ライトスノー)が発動しより落とし穴が分かりにくくなるという作戦をより速く遂行できるのである。なお、連続歌唱は2つでも難しいが、3つ以上は難易度がかなり高いため連続歌唱を行う際は2つずつに分けて使うことをお勧めする。


 この内容から考えてみると空のように3つ以上の魔法を同時に使うのは、かなりの高度なことらしい…しかも、彼女の使っていた創造魔術はランクSSS(トリプルエス)で私の時空魔術よりも上です…


「ほんとに空って何者?」


 あの時に名乗ったのも本名っぽくないし…とは、言ったものの選択肢はかなり限られていたりします。

 ヴァーテルが言うにはランクSSS(トリプルエス)の魔法が使えるのは現在3人しかいないらしく、そのうちの1人はこの本の作者でもあるルミナさんだそうです。

 ただ、ルミナさんの魔法属性は、海の力を根源とする海洋魔術だそうで、さらに探査魔術のような中級魔法では唱和破棄ができるそうですからおそらく空とは別人だと思います…


 そんなことを考えているうちにずいぶんと夜更けになってしまったようです。


「そろそろ寝ないと…。」


 私は、ベットに寝転がりました。

 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします

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