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「あ、しまった。私、帰るところがないんだった!」
伯爵家からねこのてに帰った後。メイカの帰りを待っていたエン社とねこのてのみんなはメイカの離婚を祝福してパーティーを開いてくれた。ひとしきり盛り上がった後、酔いを冷ましに外に出たところでメイカははたと自分の状況を思い出して真っ青になった。
私物はいつ離婚されても良いようにとユウの好意でエン社に置かせてもらっているが、さすがに寝泊りするわけにはいかない。1年間貯めた貯金があるし、意外と義理堅い(?)ヘンドリックから慰謝料ももらっているので今夜は宿に泊まろう。慌てて電話をかけようとするとユウと会う。
「おや、メイカさん。どうしたんですか、そんなに慌てて」
「あ、ユウさん。実はその、今夜行くところがなくて……。どこかおすすめの宿とかあります?」
「ああ、それなら家が経営しているアパートに荷物を運んでありますので、後でカレンに案内させましょう。家賃は無料なので、安心してください」
「えええっ、いつの間に!? というか、無料なんて良いんですかっ!?」
「ええ、メイカさんはエン社の社員ですから福利厚生です。ナツメとカレンも一緒に住んでいますよ。そうそう、ちょっとしたプレゼントを置いておいたので落ちついた時に見てくださいね」
「ありがとうございます! 大事に使います!!」
「喜んでもらえて何よりです。ああ、そうだ」
ユウは微笑んで手を差し出した。
「エン社にお帰りなさい、メイカさん。これからもよろしくお願いしますね」
「はいっ!! ただいま、ユウさん。これからもよろしくお願いします!!」
ユウのお祝いの言葉にメイカは元気よくうなずいて握手をした。
その後、女子3人でアパートに帰り自分の部屋に入るとメイカは歓声を上げた。
「わああ、これっ、欲しかったねこのての手ぬぐい!! ユウさん、ありがとうございます!!」
部屋にはいつかユウが約束してくれた猫の絵が描かれた手ぬぐいが壁に飾られていた。好きな物に囲まれた自分だけの空間に1人立ちしたのだと喜びが湧いてくる。
「えへへ、ただいま。明日からもよろしくね」
メイカは手ぬぐいたちに声をかけるとふかふかのベッドで幸せな眠りについた。明日からもエン社の皆との楽しい日々を過ごせることを喜びながら。
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