第四話、少女、名前を貰う。
三日野宿をして、進んでいった。
四日目である。
生まれ捨てられた地、気を失ってつれて行かれた王都。見たことない場所がまだまだあると思うと少しわくわくした。
「あとちょっとで町に着くわよ。」
「そっか。楽しみ。この手袋はいつ外せるの?」
気になっていたことをミリカお姉さんに聞いてみる。
「基本的に人前で外すことはないわよ。あっ見えた。冒険者と宗教の町『ホルン』よ。」
ミリカお姉さんは手袋つけていないし、基本的に自分の左手の痣はばれることもなく数年くらいは生活していけるかのか、そう考えているうちもう町に着いたらしい。
「冒険者の人とはここでお別れね。ビンスたちも護衛ありがとう。」
「おう。当たり前よ。また呼べよな。」
そう言いながら二手に別れた。
「どこに行ってるの?」
「えー、教会かな。」
「あんた名前ないんだよね。あたしがつけてもいい?」
「いいの?お願い。」
「あなたは今日から『グラ』です。分かった?グラちゃん。」
生まれてから愛情というものを受けたことがなかった、愛情とは呼べないかもしれないが少しうれしかった。
教会へ着くと、神父さんのところへつれて行かれた。
何やらミリカお姉さんが説明してくれている。
「よく来たねグラ。神は君を導いてくださったのだよ。一緒にここで暮らそうね。」
「私、強くなりたい。捨てられることがないくらい。」
強くないとくそデブとか警備兵、そいつらを同じ目に合わせてやれないもん。
「じゃあ、頑張らないとだ。そこのミリカはここの孤児の子でね。町の教会で一番強いのさ。教えて貰いなさい。」
ニコニコしながらミリカお姉さんはこちらを見ていた。
ルーン教会が経営している私が住む予定の孤児院の案内もして貰い、いよいよ一緒に暮らす子供への挨拶。
自分の名前を言う。初めてだと少し緊張する。
「グラです。」
グラにとっても長いようで短い教会ぐらしが始まったのだった。




