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第五話 朝

朝起きてスマホを開いてももうおはようは来ない。


そのことが僕に一番現実を突きつけた。


いざなわれるようにキッチンに行き、火をつけ煙を吐く。


4本吸っていたことには後から気づいた。


どれだけキッチンにいたかは覚えていない。


泣いた。


溢れて止まらなかった。


初めて人を愛した僕には、止め方もわからない。


泣く権利も慰められる権利も持っていない。


昨日まで一番近くにいたのに、友達にすら戻れない。


あまりにも残酷すぎる。


この町のどこかであなたは息をしている。


それが嬉しいのか、悲しいのか涙が出る。


「みんなこうやって大人になるんだ。」


そう言い聞かせるしかなかった。


それでも、もう来ないおはようを探してしまう。


町に出れば、どこを見てもあなただった。


1つや2つじゃない。


住みにくい街になってしまった。


いつかあなたを思い出しても、苦しくならない日が来るのだろうか。


いつか同じように誰かを愛せるだろうか。


その日が来るまで、もうしばらくここにいようと思う。


(完)


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