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第一話 同棲
黒いオムライス
第一話 同棲
複雑な家庭環境で育ったあなたは料理が上手だった。
あなたのご飯を食べるのが好きだった。
全部のご飯がおいしかったが、その中でもオムライスは格別においしかったのを今でも鮮明に覚えている。
あなたが僕に別れを告げる前、一緒に食べた黒いオムライス。
あれ以来僕は一度もオムライスは口にしていない。
浮気は最低な行為だと思う。
それを踏まえたうえで僕は最低だ。
最低な行為をする最低な人間だ。
あなたにばれ、もう二度としないために始まった学生の同棲生活。
1kしかない僕の住処に彼女は住み始めた。
振られないために始めた同棲生活だったため、最初は乗り気じゃなかったが、正直楽しかった。
学校帰りのバスに乗る前に「今から帰るよ」というと、彼女はご飯を作って待ってくれていた。
僕の家は玄関を開けるとすぐにキッチンがある。
帰宅時に彼女がそこで料理しているのを見ると、今日は何だろうと心が踊り、よく後ろから抱きしめながらフライパンを確認していた。
肉じゃが、照り焼きチキン、ハンバーグ、オムライスなど、僕の好物がいつも待っていた。
「なんでこんなに尽くしてくれている彼女を裏切ってしまったのだろう。」
罪悪感は日に日に募っていたが、2人で過ごす時間はいやなこと全部忘れさせてくれていた。
幸せだったんだと思う。




