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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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34/51

34:あれから。

 



 ディーノさんには日常や国の様々なことを教えてもらい、魔法の基礎は個人教師から学び、魔法学院にどうにか入学出来た。

 

 魔法学院は、二年制。

 学校っていうと、なんとなく三年制って感じがするけど、そういえば専門学校とかは二年制も多いっけなー、なんて思いつつ通い始めた。

 そして、いつの間にやら卒業間近。

 毎日が忙しいと、時間の流れがとても早くて助かる。

 …………リオのことを、思い出さずに済むから。


 魔法学院は、年齢制限がある程度あるものの、私は状況から入学を許可された面もあったので、当初は同級生たちから敬遠されていた。なんせ、同級生は十代だから。


「マキ! 置いて行きますわよ」

「まってよ、テス」


 公爵家のお嬢様であるドリル金髪のエステファニア。

 私の面倒を見るように公爵様から言われているらしく、入学当初に唯一話しかけてくれた子。

 どこからどう見ても、悪役令嬢感だったけど、物凄く良い子だった。

 今では親友と呼べる関係になっている。

 あと、名前が難しすぎてテスと呼んでいる。


「貴女、本当に二八歳ですの!?」

「もぉー、年齢は言わないでよ」


 このまえ誕生日を迎えて二八歳になった。

 何かドジをやらかすたびに、テスは私を年齢でイジる。そのおかげなのか、同級生たちにもドジキャラとして根付いてしまい、なんやかんやで皆と仲良く出来ていると思う。


 あと、魔法学院の人たちは、私の目的に対して肯定的な人が多かった。

 それは、リオが魔獣を狩ってくれていることが大きいようだった。


「来月にはディヴァルダ聖山に戻るのでしょう? 本当に大丈夫なんですの!? 迷子にならないでよ?」

「ディーノさんが送ってくれるから、大丈夫」

「……ディーノ様をよくもまぁそこまで使えますわね」


 ディーノさんはいつの間にやら、騎士団長まで上り詰めていた。物凄く忙しい人らしい。だけど、私の前では相変わらずいつのもディーノさん。

 よく『俺に乗り換えないの?』とか茶化して言われるけど、私の心の中にはまだリオがいるから、キッパリ『嫌です』と答えている。




「たまには、顔を出しなさいよ?」

「うん」

「ちゃんとご飯食べなさいよ?」

「うん」

「困ったらいつでも相談しなさいよ?」

「うん。テス、お母さんみたい」

「十も年上のマキに言われたくないわよっ! 失礼ね!」


 テスがぷんすこ怒っているのを見て、自然と笑みが溢れた。

 二年半城下町生活は、とても楽しいものだった。学院にも近所にも、いっぱい知り合いができた。

 離れるのは、ちょっと寂しい。

 でも、私はリオに逢いたい。


「さ、出発するぞ?」

「はいっ!」


 見送りに来てくれたテスに、いつまでも手を振り続けた。


 ――――またね!

 



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