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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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32/51

32:新しい家。

 



 ディーノさんと山を下った。

 ある程度平らなところに幌馬車が置いてあり、それに乗るように言われた。


「馬車を用意してくださってたんですか?」

「んあー、念の為な。ないとは思ってたんだが……予想外だった」

「……ありがとうございます」


 乗るのは後ろでも御者席の横でもいいと言われたので、横に座ることにした。

 この国をちゃんと見て、どんな文化なのか、どんな人たちが暮らしているのか、早急に学びたいから。


「そんなに気負わなくてもいいんじゃねぇ?」

「早く戻りたいから」

「……リオのこと、好き?」

「はい」

「ふっ。即答か」


 ディーノさんに苦笑いされてしまった。

 そして、これからどうしたいのかと聞かれた。


 リオいわく、私の魔力はかなり多いらしい。ただ、センスが壊滅的だと。

 だけど、幼児用の魔法は使えた。

 ちゃんと基礎から勉強すれば、きっと上達出来るはずだ。

 先ずは、魔法を使って自衛できるようになりたい。そして、リオの隣に立てるくらいに強くなりたい。


「なるほどね。それなら魔法学院に通うと良いだろう。入学までは半年あるから、それまでは基礎をみっちり叩き込んでくれる個人教師を雇おう」


 褒賞でもらったお金があるから、それを使って個人教師を雇ったり、学院に通えるそうだ。

 お金の使い方や価値なども学んでいかないといけない。しっかりと覚えるまでは、ディーノさんが管理してくれるそう。

 随分といい年齢なのに、おんぶにだっこ……。

 ワタワタしてないで、シャキッとしないと。


 


 城下町に着いてすぐ、不動産屋さんみたいなお店に来た。

 ディーノさんのお知り合いらしく、あれよあれよという間に話をつけてくれて、一人暮らし用の三階建てアパートみたいなところを貸してもらえるようになった。

 家具備え付けのうえに、住んでいる人は元騎士が多く、色んな意味で安全らしい。まさか防犯面まで気にしてもらえるとは思わなかった。


「ありがとうございます」

「今日は疲れたろう? しばらく休んでおきな。ここらは夕方から屋台が開くからその案内もしたいなぁ……そうだな、七時ごろにまた来るよ。いいかい?」

「はい! ありがとうございます」


 玄関先でディーノさんといったんお別れ。


 新しい住処は三◯二号室。

 室内に入ると、いわゆる2LDKの間取りで寝室が別にあるのが地味にありがたかった。


「今日からここが、私の家――――」


 言葉にすると、本当になる。そんな気がするから。

 いつまでも後ろ向きはカッコ悪い。

 両手でパンと頬を叩き、気合を入れた。


 先ずは、荷解き。

 寝室のクローゼットに服を入れる。

 それで終わり。


「えっと…………こう?」


 特に何もしょうがなかったので、ディーノさんが持ってきてくれた幼児向けの魔法の本を取り出して練習。

 水球は瞬時に出せるようになってきた。涙くらい小さいのから手のひら大まで、思い描いた大きさで。

 それ以上は失敗した時にお掃除が面倒だし。


 次は火。焔魔法というらしい。

 詠唱は『ファイア』じゃなかった…………。



 

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