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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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19/51

19:小屋から出ないように。

 



 少し遅めのお昼を食べ終え、お皿を洗った。

 洗うのは私、拭くのはリオ。 

 彼氏とかいたことなかったから、良くわからない。でも、なんだかお家デートの一環みたいでドキドキした。

 

 このあとも倉庫の確認をしようかと話していたら、リオがじっとどこかを見るような仕草をしていた。


「リオ?」

「魔獣が()()()()


 ――――発生?


「討伐してくる。小屋から出ないように」

「え、うん。気をつ――――」


 気をつけてと言い終わる前に、リオは物凄い速さで走りながら消えて行った。リオの後ろ姿を見送って、玄関を閉めて少しぼーっとしてしまった。

 魔獣が発生したってなんだろう?

 そもそも『魔獣とは何か』というのが良くわかってない。

 親から生まれて育つのとは違うベクトルなのかな?


 分からないことをグルグル考えても仕方がないので、リビングに戻り拾った仕事カバンの中身を確認することにした。


 日焼け止めクリーム、ミニボトルの化粧水、アイブロウ、色付き薬用リップ、ハンカチ、折りたたみ傘、手帳と走り書き用のノート、ペンケース、モバイルバッテリー、充電コード。

 そして、スマホ。


 普通のカバンの中身だなぁと思いつつ、スマホの電源を入れる。


「……ないか」


 やっぱり、電波はない。来ている連絡もない。

 電池残量が危ういので省エネモードにするか、電源を落とすかを悩む。

 ふと、リオと写真を撮りたいなと思った。

 この世界には写真って、あるのかな?

 リオが帰ってきたら聞いてみよう――――と思っていたけど、なかなか帰ってこない。


 とりあえず夕食の準備を始めた。

 大玉スイカくらいの大きさの牛肉の塊が冷蔵庫にある。これは自分でスライスしたりして使うそうだ。

 こんなに大きいもの食べ終わるの? 腐らない?

 早めに使ったほうがいい気がするから、粗ミンチたっぷりのボロネーゼにすることにした。

 

 自力で普通に売られているようなミンチにするのは大変だから、粗ミンチにしたけど、どのみち大変だった。


「ふぃー」


 粗ミンチを炒めて、ボロネーゼの鍋に投入。

 弱火でコトコト煮込んで、煮詰めて、少し味を整えて完成。

 パスタは乾麺があったので、リオが帰ってきたら茹でよう。

 



「…………遅いなぁ」


 日もとっぷりと暮れてしまっている。

 外の様子はちょこちょこ見ているけれど、人や動物の気配はない。

 ふと、テレビや本で見ていた物語だと、こういった瞬間に外に探しに出る人っていたなと思い出した。

 

「出ちゃ、駄目だよね――――?」



 

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