ヒロインの好きな人が終わってた件
「よしっ。これでどうだっ!!」
ユリの前髪が幼馴染によって美しく切りそろえられた。ちなみに後ろの髪はユリの強い希望によって一切手を加えられていない。まぁ、後ろの髪に被害はないしね。
「まぁ、ディアボロにしちゃあ上出来じゃない?ユリのもとがいいからだけど。」
「ねぇ、むかしから気になってたけど、どうしてアカツキはオイラにたいしてそんなに批判的なのかな?」
「ノリで。」
「よーし、今日から貴様の名前はクズだ!!」
「え、クズ氏?」
「違うから。クズ氏とクズは違うから。」
「酷い!!ディアボロがクズ氏を馬鹿にした!!」
「ちょっ、洒落になんないから!!つーかアカツキの方が馬鹿にしてるからな!!」
おい、頭をたたくな!!
「あかつき…。この人、だれ…?」
こてん、とユリが首をかしげる。
あれ…?ユリの正体って天使だっけ…?可愛すぎて目がつぶれそうなんだけど。って駄目だ。早く答えないとユリがうじうじし始める。
「コイツの名前はディアボロ・キバナコスモス・キク。美容師を目指している。以上」
「いや、短すぎるだろう」
「これ以外に説明する言葉が見当たらない」
「失礼な!!ってあれ…?オイラもそれ以外の言葉が見当たらない…」
二人でぎゃーぎゃーと言い合っていると、私とディアボロの間にユリがスッと入ってきた。
「二人とも…なかが、いいんだね…」
なぜか空気が凍った。ヤバい。なんか寒い。
「いやいやいやいや!!ユリ様とアカツキのほうがよっぽど仲良しに見えますよ!!もはやカップルみたいでこっちがうざったいですよ!!」
スゲー。ディアポロが凍った空気をかき氷にしにいった。
「そう……?あかつきは、ゆりとそれ、どっちがすき…?」
「もちろんユリだよ!!!!」
「少しは悩め、……ごめん、なんでもないや」
ツッコミを耐えたのか!!偉いぞディアポロ!!
「それじゃあ…あかつき…。部屋にかえろ…」
「うん。そうだね。ディアポロの部屋にこれ以上いても良い事ないしね」
「うんうん。ぜひ帰って」
ちょっ、ディアポロ、背中を押さないでくれるかな!?つーかなに!?その邪魔者みたいな扱い!!
* * * * * *
「やっぱお部屋はおちつく…はぁ…はぁ…」
まぁね……。だからと言って、息が切れるほど早歩きをする必要はなかったと思うよ。ユリは運動音痴だし、普段から運動しないせいでかなりの運動不足だからね。あ、そう考えると今の早歩きも良い運動だった?
「ゆり、きれいになった…?」
「うん!!もともと綺麗だけどね!!」
本当に。ディアポロの前ではディアポロの腕を若干馬鹿にしたが、実は結構上手いと思う。悔しいから本人の前では言わないけどね!!
「よかった…。」
そういや……
「ユリの好きな人って一体どんな人なの?もっと詳しく教えてよ」
たしか、優しくて可愛い人とかいってたけど、それって好きな人を聞かれた時に答えるデンプレじゃね?ってさっき気づいた。できればもう少し細かく教えてほしい。
…細かく聞けば誰か分かるかも知れないしね。だって、ホラ?私は風属性の『噂』ですし?
「えっとね…優しくてね…可愛くてね…おさななじみと仲がよくてね…ちょっと頭がおかしくてね…ゆりを怒ってね…ときどき大きな声をだしてね…ゆりの顔をきれいって言ってね…」
大丈夫か?ユリの好きな人。最近ユリの保護者になった気に勝手になってるんだけど、これは保護者として応援しちゃ駄目な人のような気がする。頭がおかしいって……色々論外なような気が…。
「ユリ、申し訳ないけどその恋は私、あんまり応援できない」
「どうして……?だめなの…?」
ユリのさっきまでほんのりと赤らんでいた頬が一気に青ざめ、ユリの細い体が小さくカタカタと震えだした。
「あの……」
「だめなの…?なんで……?」
「それは……」
「だいすきなの…。とっても大切でだいすきであいしてるの…」
「………」
ユリがそこまでいうのだったら……。もしかしたらいい人なのかもしれない…。この希望に賭けてみよう。でも、ユリにもしものことがあったりしたら、私は身をもってユリを守ろう。
「わかった。応援する。でも、ユリがその人のせいで嫌な気持ちになったときは絶対に教えて。約束できる?」
「いいの…?わかった…。それじゃあ…」
といって小指を差し出してくるユリ。もしやこれは……
「「ゆびきりげんまん 嘘ついたら はりせんぼん のーます……ゆびきった……」」
だよね!!
「約束だからね?」
「うん…。約束……」
そういうと、ユリは花の綻ぶような笑みを見せた。やっぱユリには笑顔が一番だよね!!
そういえば、ディアポロの性別決めてない…。
無性別ってことでは駄目でしょうか(`・ω・´)
まぁ、読者様が好きなように考えて下さると嬉しいです(o^―^o)




