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〜プロローグ〜
その声は、文の途中で消えた。
『——応答しろ、シリウス小隊。左舷の敵影は掃討した。次の座標を——』
返事はなかった。僚機は無傷のまま、隊列の中を漂っていた。推進器は生きている。装甲に傷はない。通信系は正常。管制が三度呼びかけ、四度目に沈黙した。
回収された機体のコックピットには、誰も座っていなかった。
ハッチは内側から施錠されたままだった。
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コロニー第三区画の大通りは、避難する人で埋まっていた。
悲鳴と、警報と、荷物を抱えて走る足音。その雑踏の中で、ひとり、またひとり、音もなく人がいなくなった。
倒れるのではない。撃たれるのでもない。走っていた形のまま、ふっと、いなくなる。
重力の切れた区画では、衣服だけがゆっくりと漂っていた。誰かがそれを掴んで、名前を呼んだ。呼ばれた名前の持ち主は、どこにもいなかった。
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旗艦の艦橋は、静かだった。
操縦席が並んでいる。計器は全て生きている。航路は維持されている。警報だけが、誰にも止められないまま鳴り続けていた。
無人の席の前で、モニタが一行を表示していた。
《λ resonance: immeasurable》
その一行を読む者は、もういなかった。
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——それから、百五十年。
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