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λ:ASTRA 〜星の共鳴者〜  作者: Pemo


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1/10

〜プロローグ〜

その声は、文の途中で消えた。


『——応答しろ、シリウス小隊。左舷の敵影は掃討した。次の座標を——』


返事はなかった。僚機は無傷のまま、隊列の中を漂っていた。推進器は生きている。装甲に傷はない。通信系は正常。管制が三度呼びかけ、四度目に沈黙した。


回収された機体のコックピットには、誰も座っていなかった。


ハッチは内側から施錠されたままだった。


---


コロニー第三区画の大通りは、避難する人で埋まっていた。


悲鳴と、警報と、荷物を抱えて走る足音。その雑踏の中で、ひとり、またひとり、音もなく人がいなくなった。


倒れるのではない。撃たれるのでもない。走っていた形のまま、ふっと、いなくなる。


重力の切れた区画では、衣服だけがゆっくりと漂っていた。誰かがそれを掴んで、名前を呼んだ。呼ばれた名前の持ち主は、どこにもいなかった。


---


旗艦の艦橋は、静かだった。


操縦席が並んでいる。計器は全て生きている。航路は維持されている。警報だけが、誰にも止められないまま鳴り続けていた。


無人の席の前で、モニタが一行を表示していた。


《λ resonance: immeasurable》


その一行を読む者は、もういなかった。


---


——それから、百五十年。


---


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