51.
ミカエルが無愛、ルシファーに出会う前。影夜たちは街に降り、状況把握を行っていた。
「ミカエル、無愛の位置把握できるか」
「少なくとも、街中にはいませんね」
前回のようにわざわざ無愛自身が出てくるリスクは取っていない。となれば、無愛の協力者たちが動いていると視るのが一番だろう。
「ミカエル、お前の片割れ探せ。そいつと一緒に無愛がいるはずだ」
「なんでそう思うんだ?」
「勘」
短く答える影夜に青海は少しため息をつき、皆に指示を出す。
「二人一組で散開。敵はメノウを操れるから注意して。影夜と慧斗は一人でいいわ」
「了解」
「無愛は【強奪】の能力で一年前よりも多くの能力を持ってる可能性が高い。接触した場合すぐに報告を」
「史は俺と来い」
青海は基本的に影夜と慧斗を好きに動くように指示をする。そちらの方が効率が良く、結果的に最善策となることが多いためだ。今回は影夜が史と動くが、前回史が狙われていたのを考えれば、影夜と動くのが一番だ。
そうして散らばった青海たち。無愛の策はこれからだ。
「……なるほどな」
「これ、誘い込まれた感じです、よね」
散らばり、メノウが少ないというのに人がパニックとなり、建物も異常なほどに壊れているのを不思議に思い、急いで青海たちの元に戻ろうとした影夜と史だったが、それはできなかった。
「……こちら影夜と史。二体のメノウと接触。んでもって」
二人を見据えるメノウは、他のメノウのように無差別に攻撃してくるワケではなく、二人を観察しているようだった。
「知能持ちだ」
『こっちは一体』
『こっちも一体だ』
それぞれにメノウが宛がわれている。報告を聞く限り、影夜と慧斗には二体宛がわれ、他は一体ずつ。【月】を警戒しているからこそなのか、それとも、
『あら、私の目がおかしいのかしら』
『……こっちは五体だ』
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青海たちの報告を聞きながらも、ルシファーと攻防を続けるミカエル。無愛は上空で戦っている二人を観察して楽しんでいた。
「ルシファーと互角かぁ。予想の範疇を超えないなぁ」
予想はしていたが、ルシファーと互角。無愛としては、ルシファーに想定外のダメージを負わすくらいはしてほしい。予想通りというのはとても退屈であるから。
「……そろそろあっちも終わりかなぁ」
空から目を移し、街を眺める。普通では到底見えることのない街の様子を無愛はしっかりと見えていた。
青海と影夜、慧斗以外はそろそろメノウを倒せる頃だろう。三名にはそれぞれが苦手とする部類の能力を与えたメノウを宛がったが他は能力を与えたことで制御が難しくなってしまったメノウを宛がっている。攻撃できなくとも、そのうち自滅するだろう。
「それじゃあ、次のフェーズだ」




