フリーライダー
最後にフリーライダーの話です。
なろうが広告に依存している以上、広告を表示させないでなろうの機能を利用するのは、やはりフリーライダー行為と呼ばれても仕方がありません。プライバシー保護のため、とか言ったとしても、結局広告削除プラグインとかを使うのであれば、やはりなろうの機能を対価なしで使っていることに違いはありません。なろうを気に入って、使い続けるというなら、通常広告削除をしていたとしても、使用時には積極的にこの機能を停止すべきだと考えます。
そして、それはプラグイン使用に限りません。何らかのアプリを使って、スマホでなろうを見ている人も多いかと思います。これらは、小説をローカルにダウンロードできて、オフラインで読めたり、あるいはモバイル通信の量を削減したりすることができるメリットがあります。また、未読管理もブラウザのしおりよりは優れている場合が多いですよね。
広告が表示されないし、レイアウト的にも読むほうに集中できると考えてこちらを使用する方もいるのだろうと思います。しかし、広告が表示されないという事は、やっていることはやはり広告削除プラグインを使用した場合と同じようなものだと言えます。
なろうは各種APIを提供して、アプリなどが小説の更新管理を出来るようにしてあります。しかし重要なのは、なろうがAPIを提供しているのは情報系のみで、コンテンツそのもの、つまり小説自体を取得するAPIは存在していないということです。
APIを使用して、独自の検索システムなどを構築した「小説サイト」をつくるのをなろうは許可しています。ただし、小説を読むこと自体はなろうのシステムをそのまま使ってくれ(なろうに広告収入が入るようにしてくれ)ということなのです。
なろうには、確か公式アプリが存在しません。カクヨムには公式アプリがあり、小説をダウンロードして読めると思います。これは、カクヨムが広告に依存していないため可能になるわけです。なろうの非公式アプリは、非公認のやり方で、WEBページからコンテンツを取得し、ローカルに保存したりしているものと考えられます。
この点について、気づかないでアプリを使っている利用者もいるのではないかと。
現状では、広告削除プラグインも、非公式アプリによるアクセスも、運営の「お目こぼし」により使用することが出来ているわけです。しかし、これがあまりに進むと、そうも言っていられなくなるでしょう。Youtubeなどで起きているように、広告を表示しないとコンテンツを表示させないような仕組みを取り入れることになり、ブラウザでも操作性が悪化する、という事になるでしょう。それがブロッカーとのいたちごっことなる。それは、運営にとっても、利用者にとっても良い未来ではないと思います。
広告を見たくないからと言って、安易にみんながこういった手法をとるようになると、結局はなろうの衰退につながってしまいます。自分一人ぐらいいいだろう、と安易に考えたりせずに、貰っているだけのものは返していきたいものです。
以上、この項終わり。