初イベント開始
明けまして、おめでとう御座いますm(_ _)m
今年も宜しくお願いしますm(_ _)m
さて、年明け一発目の投稿です!
初詣の待ち時間にでも読んで下さい!
え? 恋人といる? 家族といるから読む暇ない?
それは仕方ないですね。
後でゆっくり読んでください。
俺は、イベント開始の1時間前にNMにログインした。
「さてと、風雅と合流するか。シャインも来てるかな?」
シャインも部活を終えて、ギリギリ間に合うって言ってたからな。
全く午後7時開始じゃ、学生や社会人はギリギリ帰宅出来るかどうかの時間だぜ。
どうせなら、午後10時くらいのスタートだと参加人数が多いのにな。
俺は、ヴァンとシャインにいつもの噴水広場で待っていると連絡した。
スカイもログインしているかな?
『一緒にイベントに参加するようなら、噴水広場に来てくれ。』
現実世界でのスカイの連絡先は知らないし、NMニュースでイベントのお知らせを見てからスカイと会う機会がなかったので、イベントに参加するかも聞けていない。
『スカイです。イベントに参加します。ご一緒させてもらっても大丈夫でしょうか?』
しばらくすると、スカイからメッセージが届いた。
俺は、オーケーの返事を送信し、みんなの到着を待った。
「待たせたなクラウド。」
最初に到着したのはヴァンか。
「おう。後は、シャインとスカイだな。」
「了解。」
それからしばらくすると、シャインとスカイも合流することが出来た。
二人が合流したので、改めて今回のイベントの情報を二人に伝えることにした。
「す、凄いです。そんなに情報を集められるなんて。」
「さっすがクラウドね。」
二人に褒められて悪い気はしないな。
「もう少し時間があるけど、二人は回復薬とかは買い揃えてある?」
「だ、大丈夫です。」
「私も事前に買い揃えてあるよ。」
二人とも事前準備はバッチリなようだ。
情報収集もそうだが、何事も事前の準備が大切だからな。
それと、パーティーで行動するから、一応スキルの確認もしておくか。
既に俺達は、全員が10レベルを突破し、二つ目のスキルを身に付けられるようになっている。
「俺は、サンダースラッシュの他に、サンダーブレットを覚えた。サンダーブレットは、雷の弾丸を飛ばす魔法だ。遠距離攻撃もあった方が便利だからな。」
これで今後出てくるだろう、飛行型のモンスターや物理攻撃に強いモンスターとも戦える。
「次は、俺の番だな。シールドアタックの他にウイングシールドを覚えた。盾に風を纏って、魔法防御力が向上する。」
ヴァンの新しいスキルも、今後は魔法攻撃のモンスターが多くなるのを見越してのことだ。
「私は、ヒールとアタックアップのスキルです。アタックアップは、対象者1名の攻撃力の向上です。」
シャインの新しいスキルは、ステータスアップ系だ。
モンスターの防御力が高かったり、一撃の威力を上げるにはもってこいのスキルだな。
「……ぼ、僕は、空間固定だけです。」
え? 新しいスキルを覚えなかったのか?
「どうしたんだスカイ?」
「そ、それが、僕の次に覚えられるスキルには15ポイント必要なんです。」
「15ポイントも? てことは、次のスキルはレベル20までお預けか。」
「はい。次に覚えられるスキルはテレポートになっていました。」
テレポートって言うと、瞬間移動ってことか? 確かに便利そうなスキルだな。
「なら、仕方ないな。空間固定の魔法は未だに使いこなせないのか?」
「……はい。目の前の空間を固定させるだけで、これと言って使い道が分かりません。」
スカイは、空間が激レア属性だったと言っていたが、他の属性では使えなそうなテレポートを使えるようになるからなのか?
「しゃあねぇな。スカイはいつも通り、杖で攻撃だな。」
「す、すいません。」
話し合いながら移動をしていると、草原フィールド手前の北門へと辿り着いていた。
北門前は、多くのプレイヤーでごった返していた。
「凄い人数だな。」
「こりぁ、目的地に着く前に、この門を潜るのが大変そうだな。」
確かにこの状況じゃ、門を潜るだけでもかなりの時間が掛かるぞ。
マラソン大会のスタートの様に、先頭がスタートして何十分もスタート出来ないような状況に似ているな。
「先に草原フィールドへ出てるのはダメなのかな?」
「シャインの言う通り、先に出たいところだけど、常に開放状態の北門が今は閉まってる。イベント開始まで開けないんだろう。」
「そっか。抜け駆けは出来ないんだね。」
俺たちの横をNPCの兵士が通りがかった。
この人に声を掛けてみるか。
「何故北門が今日は閉まっているのですか?」
「ゴブリンの大量発生との知らせを受けて閉鎖中だ。指示が出るまでは開けることは出来ない。」
「このイベント開始前にフィールドへ出ていた者はどうなるのですか?」
「フィールドへ出て行く者達は、先程大司祭様のお力で、街の噴水広場に緊急避難させた。現在フィールドに出ている者は居ない。」
成る程ね。運営の方でその辺は対策しているのか。
北門が閉まる前に、洞窟へ辿り着いていたプレイヤーは、残念ながらいきなりスタートへ戻された訳だ。
「そうですか。ありがとうございます。」
「それでは、任務に戻ります。」
そろそろ、時間になるか?
俺がメニューを開いて時刻を確認すると、開始1分だった。
そして、遂にイベント開始時刻を迎えた。
カーン、カーン、カーン。
大きな音が鳴り響く。
一人の豪華な鎧を纏った兵士が高台に上がった。
「冒険者ギルドから冒険者諸君に緊急クエストが発令された。また、冒険者登録をしていないものも、討伐に協力して欲しい。現在、草原フィールド上にゴブリンが大量発生している。ゴブリンを討伐し、その発生原因の解明と対処をしてくれ!」
兵士の言葉が終わると、目の前に緊急クエストが表示された。
『草原フィールドに大量発生したゴブリンの討伐及び発生原因の解明と対処』
更に下にスクロールすると、報酬の項目が記載されていた。
『報酬、部門毎にランキング上位者には、ギルドから報酬が与えられます。
1 最大攻撃値部門
2 最大コンボ数部門
3 討伐数部門
4 受傷ダメージ部門
5 回復魔法部門
6 ボス討伐貢献度部門
報酬については、イベント終了後に発表となります。』
これは、頑張ってランキング入りしたいな。
「これより北門を開放する。諸君らの検討を祈る。」
兵士の言葉が終わると同時に、北門が開放された。
北門の開放と同時に、視界の隅に3時間のタイマーが表示され、減少を開始した。
「タイムリミットは3時間ってことだな。」
「やってやろうじゃねぇか!」
「が、頑張りましょう。」
「回復魔法部門狙っちゃおうかな。」
こうして、俺達パーティーは北門を潜り抜け、大量のゴブリンが闊歩する草原フィールドへと足を踏み入れたのだった。
今回のおまけ
クラウド;スカイは何のスキルを覚えたんだ?
スカイ;そ、それが何も覚えられなかったんです。
クラウド;そ、そうなのか。
ヴァン;職業、落ちこぼれ魔法使いだもんな。
スカイ;ご、ごめんなさい。
クラウド;こらヴァン! で、でもレベル20になれば、テレポートを覚えられるんだろ。
スカイ;は、はい。
クラウド;きっとテレポートは凄い魔法だぞ!
ヴァン;便利な移動手段だな。
スカイ;……。
クラウド;確かに、街から街へひとっ飛びだな!
ヴァン;いや、まだ街は一つしかないぞ。
クラウド;あ!?
スカイ;どうせ、テレポートも役に立ちませんよ。落ちこぼれですから。
クラウド;いや、テレポートがあれば、戦闘時に敵の背後にいきなりテレポートして攻撃とか出来るようになるんじゃないか?
スカイ;な、成る程!
ヴァン;そ、そうか!? スカイ早くレベルを上げるんだ!
クラウド;おいおい、急かすなよヴァン。
ヴァン;馬鹿野郎! 急かすに決まってんだろ! テレポートがあれば、簡単に女湯にテレポート出来るじゃねぇか!
クラウド&スカイ;は?
ヴァン;この世界にも風呂はあるからな。女湯にテレポートで侵入すれば、シャインさんの、ぐふふふふ。
クラウド;おまわりさーん、ここに犯罪者がいまーす。
ヴァン;甘いな俺がおまわりだ!
スカイ;え?ヴァンさんおまわりさんなんですか?
クラウド;いや、コイツは変態の犯罪者だ。
ヴァン;でへへへへ。
シャイン;ヴァンさん顔が壊れてるけど、何かあったの?
ヴァン;でへへ? はっ? シャインさん!
クラウド;いや、ヴァンの奴がさ、
ヴァン;『シールドアタック』!
クラウド;ぐへぇ!?
ヴァン;危なかったぜ。
シャイン;お、お兄ちゃん!? 私のお兄ちゃんに何すんのよー!
ヴァン;ギャフン!?
シャイン;ヴァンさん嫌い! お兄ちゃん大丈夫『ヒール』。
クラウド;ありがとうシャイン。
スカイ;僕のテレポートは、ヴァンさんの犯罪には使いません。




